世田谷ベース

【所さんの世田谷ベース】個性が大事!「所さん」が考える「趣味」の楽しみ方とは?【新解釈トコロ辞典】

「毎日1テーマずつ読めば、1か月後に所さんみたいな思考になれる!」

 

「所ジョージの世田谷ベース」の最新号は記念すべき50号目。雑誌『Daytona』で6年以上連載を続けてきた「トコロ辞典」の膨大なアーカイブを再編集し、一冊にまとめた完全保存版です。ひとつのテーマは約5分で読みきれるので、毎日1テーマずつ読み進んでいけば、おおよそ1か月で完全読破。翌月には、所さんみたいな思考回路に近づいてしまい、楽しくてしょうがない毎日がやってきてしまうというコンセプトで制作、ここではその一部をチラ見してみましょう。
ひ‐にちじょう(せい)【非日常(性)】
ふだんの生活とは大きくかけ離れていること。新辞林参照
トコロ辞典的「非日常」の解釈
他人と同じ土俵に立たず、自分なりに展開することで生まれる変化。普通の暮らしの中にあるモノ。何処にでもある普通のモノでも、新しい組み合わせを発見するコトで非日常になる。何でも良いからやってみて、なおかつ、すぐに結果を求めない姿勢が大切。

所:「非日常」を楽しみたいって誰しも思うじゃん、まあ、いわゆる趣味だよね。でもさ、世間の皆さんは趣味っていうと構えちゃって、他人と違うこと、他人より優れてる方向に行こうとするじゃない。それじゃツマラナイよね。例えば、カメラを趣味にするとして、富士山の写真を撮ろうと。すると、最新式のカメラ買って、すごい望遠レンズ買ってってなるじゃん。そんなの全然、非日常じゃないじゃん。”良いもの持ってる大会”のようじゃん。そもそも富士山の写真なんて、今まで死ぬほど撮られていて、ポスターだ絵葉書だになってるわけで、すばらしいものを超えていこうと思ったら、つらくなっていっちゃうよね。そこでだよ、なんてこと無いちっちゃいカメラで行ってみる。みんなが驚くような普通のカメラで(笑)

それで、自分は三脚も買えない人という設定にして、ホームセンター行って、自分で三脚作ってやろう! と。安い1本190円くらいの木と、蝶番買って、三脚作っちゃって、それにマジックテープでカメラをチャッて付けちゃう(笑) それで富士山を撮るのが、もう面白いじゃん。それが「非日常」であり、独特な自分なのよ。写真を趣味にしてますっていう諸先輩方はたくさん居て、どうしてもカメラの性能だとかレンズがどうだとかという波に飲まれがちだけど、自分は非日常的なものを求めてるんだっていうことを忘れちゃいけないんだよね。諸先輩方がそう来るなら自分はこうだとか、だとすればこっち行こうって考えるのが「非日常」なんだよ。

【写真7枚】一家に一冊!? 思わずうなづく、所さんの「名言」たち。 

編集部:普通にアプローチしちゃダメなんですね。

所:そう、でも「非日常」は普通の暮らしの中にあるものだ、っていうことも忘れちゃいけない。なんか新しいことないかな〜なんて、空を見上げて考えても何も無いのよ。アメリカで流行り始めた最新のスポーツとか遊びとか無いかな? なんて探しても無い。日常の中にあるものの組み合わせしかないんですよ。

たとえば、歩道橋の上に椅子持っていってお茶を飲んだら楽しいかな? なんて考えてみる。近所に誰も使ってない歩道橋とかあるでしょ? それって国が何億も使って作ったものなわけですよ。なのに誰も使ってないから、ワタシが使ってやろう! と。ワタシだけが使うんだから、国がわざわざこの橋をワタシのために作ったのだ! と思うことだってできるわけだよ。

で、実際に折りたたみとかじゃなくて、ちゃんとしたソファ持っていって、歩道橋の上に置いて、お茶持っていって一服。すると、忙しそうに歩く人なんかが下に見えてさ、人はせわしないねぇ〜なんて、たそがれることができるのよ。で、やってみた後に、もういいや、これはもうやんない! って決めたとするじゃん。と、国がワタシのために歩道橋作ってくれたけど、もうこれは要らないから捨てちゃえ! っていう気持ちにもなれる(笑)

この話をすると皆さん、所さん本当にそんなことしたんですか? って驚くけど、したよ。だって、歩道橋と椅子っていう日常の組み合わせで、簡単にできるじゃん。こうやって、日常の中から「非日常」を見つけ出していくことが、個性につながっていくんです。

編集部:見つける作業がむずかしい感じもしますが……。

所:なんでもいいんだよ、パっと思いついたものを、まずやるんだよ。釣りなら、釣りでいいの。釣りでも、他人と違う釣りないかな? なんて考えないの。とりあえず行く。で、道が渋滞してて、なんだドライブインでも寄るかってなって、そこの食事が美味しかったら、なんだ、釣りじゃないな、自分はドライブインの食事のほうが向いてるな、って考えて、全国のドライブインめぐる方向にいっちゃっていいの。

あるいは、そのまま釣りに行ってもいいよ。でも、すぐ手柄を求めちゃダメ。一匹も釣れなくて良いの、初心者なんだから。恥ずかしいなんて考えちゃだめ。恥ずかしいってのは、さんざんやってる人が、できなかった場合にいう言葉なんだから。恥ずかしくないように、道具揃えて1匹でも多く釣ろうとかそうなっちゃうと、つまんない方向にしかならない。道具揃えるなら、普通のアイスボックスじゃなくて自分のセンスで60年代のアメリカ製のヤツ持っていって、ベテラン風の釣り人さんに「珍しいアイスボックスだねぇ」なんて声かけられたら、すかさずその中から菓子パンの一つでも出してさ。

「これ余分に買っちゃったんでどうぞ、で、どうやったら釣れます?」なんて聞くのよ。すると、教えてくれるわけだよ。そしたら、しめしめ今日も一人ベテランの釣り人が釣れたぞ! っていう、違う釣りにしちゃう(笑) 写真でも釣りでも、スキーでもゴルフでもなんでもいいよ、なんでそれが面白いのかな? って考えて、自分が面白いという方向に転がしていくのが「非日常」。そういうことなんですよ。

所さん的「情報」の続きは、所ジョージの世田谷ベース vol.50をご覧ください!

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 かた‐づ・ける【片付ける】
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