スポーツモデルのWRXを筆頭に、ハッチバックのインプレッサやワゴンのレヴォーグ、そしてSUVのクロストレックやレガシィ・アウトバック、そしてフォレスターなど、AWDモデルを多くラインナップしているスバルが、その性能を体感することを目的とし、雪国への試乗イベントを実施した。車両はフォレスターもしくはレガシィ・アウトバックで、行き先は北東北、南東北、上越、北陸の4方面から選ぶことが可能。我が編集部はその中からレガシィ・アウトバックで北陸を目指すことにした。果たしてどんな雪道性能を披露してくれたのか?
スバルならではの雪道での卓越した走行性能を存分に体感
スバルのSUVで、冬季のリアルワールドにおける総合雪国性能を体感するという目的で行なわれたのが今回の試乗イベントだ。レガシィ・アウトバックで目指したのは世界遺産にも登録されている白川郷。まずは都内を出発し中央高速で松本方面へ向かう。
早速最新の運転支援システムであるアイサイトXを試したが、先行車の追尾とステアリングアシストの制御が滑らかになっており、Rがややきついコーナーでは設定速度したから自動的に減速し、スムーズに走れるように制御してくれる。また、料金所で先行車がいない場合でも、手前でETCゲートを安全に通過できる速度まで減速したり、車線変更もアシストしてくれるなど、大幅に進化しているのが驚きだった。
【画像22枚】スバル・レガシィ・アウトバックで雪国へドライブしたフォトギャラリーはコチラ
6代目となるレガシィ・アウトバックは、最新世代の運転支援技術のアイサイトXを搭載。1.8L直4ターボは177psを発生、力強い走りが味わえる。
長野道の安曇野ICまで200kmほど高速を走ったあとは、一般道で高山方面へ。ややタイトなワインディング路を登っていくにつれ、メーター内に表示される外気温は徐々に下がり、ついにマイナス表示に。途中、上高地への入り口を過ぎたあたりでは、シャリシャリと音がするシャーベット路面が現れ始めた。
雪道には、圧雪や凍結、シャーベットなど、様々なコンディションが存在するが、いずれの路面も安定した走りを体感できた。
このコンディションは轍ができやすく、ステアリングを取られやすいのだが、アウトバックは多少深い轍でも問題なくグイグイと走り抜けていく。
路面や走行状況に応じて前後輪に最適なトルクを配分するアクティブトルクスプリットAWDのおかげで、雪道での走破性も抜群だ。
その後、標高が上がるにつれ外気温はますます下がっていき、ところどころ凍結している部分も見え始めてきた。こうした場合、突然グリップを失って車両の姿勢が不安定になることもあるため、注意深く走行しなければならないが、アウトバックはさほど挙動を乱すことなく通過することが可能だった。
装着されていたタイヤは、ヨコハマの最新スタッドレスであるアイスガード7。圧雪路はもちろん、凍結路面や深雪でもグリップが良く、安心して走行できた。
これには路面や走行状況に応じて前後輪に最適なトルクを配分するアクティブトルクスプリットAWDの効果が発揮されているのだろう。もちろん圧雪路での安定感も良く、まさにスバルの総合雪国性能の高さを体感することができた。
途中、飛騨高山と白川郷に立ち寄ったが、しばらく降雪がなかったためか、路面はドライで、雪国らしい風景は拝めなかった。
今回の試乗でやや残念だったのは、目的地の白川郷で壮大な雪景色が見られなかったこと。世界遺産にも登録されている合掌造りの集落が深い雪で覆われている光景は、ぜひとも目に焼き付けておきたかったが、これはまた別の機会に期待したい。
【Specification】スバル・レガシィ・アウトバック・リミテッドEX
■全長×全幅×全高=4870×1875×1675mm
■ホイールベース=2745mm
■トレッド(F:R)=1570/1600mm
■車両重量=1690kg
■エンジン種類=直4DOHC16V+ターボ
■排気量=1795cc
■最高出力=177ps(130kW)/5200-5600rpm
■最大トルク=300Nm(30.6kg-m)/1600-3600rpm
■燃料タンク容量=63L(レギュラー)
■トランスミッション=CVT
■燃費(WLTC)=13.0km/L
■サスペンション(F:R)=ストラット:Wウィッシュボーン
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F&R)=205/60R16(6.0J)
■車両本体価格(税込)=4,290,000円
■公式サイト https://www.subaru.jp/legacy/outback/