××年前の今日…

ハコスカへの回帰を狙った「スカイライン・ジャパン」発売!そして同日発表の高級志向の小型セダンとは!?【46年前の今日、こんなことが…】

日本の風土が生んだ名車

この記事の公開日は2023年8月8日。今から46年前の今日――すなわち1977年8月8日に発売された名車をご存じであろうか? 日産スカイラインのC210型系である。

【画像29枚】GTとTIの二本立てとなるジャパン、そして初代スタンザの詳細を見る!

1977年、5年ぶりのモデルチェンジで登場した五代目スカイラインは、型式ではC210ということになるが、「日本の風土が生んだ名車」をキャッチに展開された広告のコピー「SKYLINE JAPAN」から、「ジャパン」の愛称で親しまれている。全長などの数字は先代”ケンメリ”より若干大きくなっているが、直線的でシャープなデザインのボディはぜい肉がそぎ落とされた印象で、特に2ドア・ハードトップはファストバック・スタイルからノッチバックに戻ったこともあり、「”ハコスカ”への回帰」という言葉にも納得できるものがある。

ロングノーズの6気筒モデル(GT系)とショートノーズの4気筒モデルというシリーズ構成は継承され、後者には新たに「TI」という名前が与えられた。それぞれに4ドア・セダンと2ドア・ハードトップの2種類のボディがあり、また4ドアのバン(ワゴンは当初ラインナップされず)が4気筒搭載車のみに設定されているのも先代同様である。このような二段構えのシリーズ構成により、ラインナップはセダン25種/ハードトップ21種/バン2種の合計48種というワイドバリエーションだった。

機構的には先代のものを継承しており(ということは先々代からの継承である)、GT系の前ストラット/後セミトレのサスペンションなどはそのままだが、4気筒モデルのリアサスペンションは新開発の4リンクコイル式へと改められた(バンはリーフ式)。なお、こちらもフロントサスペンションはストラットである。

GT系のエンジンはこれも先代同様にL型6気筒2Lで、インジェクション仕様のL20E(130PS)とキャブ仕様のL20S(115PS)が搭載された。ジャパンでの白眉となるのは、やはり1980年に追加されたターボ仕様であろう。これは1979年にセドリック/グロリアに搭載されて登場したL型ターボエンジンのL20ETをスカイラインにも載せたもので、最高出力145PSを発揮、GT-Rの復活を思わせるものであった。

話をデビュー当時に戻すと、TI系の搭載エンジンは先代4気筒モデル同様にL16(1.6L OHC/100ps)とL18(1.8L OHC/105㎰)があり、新たに電子制御インジェクションのL18E(115㎰)も加わった。ブレーキはフロントがディスク、リアがドラムが基本であるが、2000GT-E・Sでは後輪もディスクとなる。特筆すべきはこのスポーツ志向のSタイプがTI系にも用意されたことで、1800TI-E・Sというグレードがセダン、ハードトップともに設定されていた。このモデルは、後輪ディスクブレーキとリアスタビライザーを装備。

車両本体価格はハードトップ2000GT-E・S(5速フロア)が160.5万円、セダン2000GT-E・X(同)が151万円、ハードトップ1800TI-E・S(同)が138万円、セダン1600TI・L(4速フロア)が108万円、バン1600GL(同)が98万円であった(いずれも東京地区での価格)。

セドリック/グロリアと同じ目を持つ高級小型セダンもこの日に!
この1977年8月8日、日産はもうひとつの新型車を発表している。これは、同年5月20日に発売されたA10型系バイオレット/バイオレット・オースターの兄弟車となるスタンザであった。国内では三世代目まで発展したスタンザであるが、このA10型系スタンザが初代モデルということになる。初代スタンザは8月8日に発表後、同月25日に発売された。

このA10型系・二代目バイオレット/初代オースターは、510型ブルーバードへの回帰を狙って開発されたとも言われるモデルで、前者がファミリー志向、後者がスポーティ路線を特徴としていたが、スタンザはそれらとはひと味異なる、小さな高級サルーンを標榜したものであった。

A10のボディラインは直線基調のシャープさを押し出したものであったが、スタンザでは330型セドリック/グロリアの2ドア・ハードトップ/4ドア・ハードトップ(Fタイプ)と共通となる角型2灯ライトを装着し、よりスクエアなイメージのルックスに仕上がっている(バイオレット/オースターは丸型4灯)。ボディ形式は、バイオレットには4ドア・セダン/オープンバック(ハッチバッククーペ)/バン、オースターには4ドア・セダン/マルチクーペ(名称は異なるがバイオレットと同じ)/バンの3種類がそれぞれ用意されていたが、スタンザは4ドア・セダンのみとなるのも”高級車”らしいポイントだった。

レイアウトはFRで、サスペンションはフロントがストラット、リアが4リンク・コイル。エンジンは直列4気筒のみであるが、バイオレット/オースターでは1.4LのA14と1.6LのL16の2本立てであるところ、スタンザではL16のみとされている。このL16にはシングルキャブのL16Sと、インジェクション仕様のL16Eがあり、出力は前者が100ps、後者が110ps。

グレード構成はカスタム・シリーズとスポーティ・シリーズの2本柱で構成されており、前者は上からマキシマ、エクストラ-E、エクストラ、ラグジャリーの4種類。後者は上からマキシマGT-E、GT-E、TS-E、TSのやはり4種類。車両本体価格はマキシマが106.3万円、ラグジャリーが94.6万円、マキシマGT-Eが117.7万円、TSが100.2万円と、スポーティ・シリーズの方が高めに設定されていた(いずれも4速フロア、東京地域での価格)。

さらに付け加えるとこの1977年8月8日には、日産プレジデントの53年度排出ガス規制適合車も発売されており、この時に最高級モデルとしてソブリンが新設されている(462.7万円/東京地域)。

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