国内試乗

完全無欠のスポーツセダン「BMW M5に敵なし!」

BMW M5 走り

待望の新型M5が日本に上陸した。パワートレインにはV8ツインターボエンジンにモーターを組み合わせたM専用プラグインハイブリッドシステムを搭載し、これでもか! というほどの圧倒的パフォーマンスを実現している!

V8エンジン+モーターを搭載した歴代最強のM5

駐車場からゆるゆるとゆっくり動き出したそれだけで、このクルマが只者ではないことがすぐにわかった。ボディやシャシーやステアリング系など各所の剛性感が異様に高い。途方もないパワーをしっかり受け止めきちんと走らせるためには、きっとこれくらいしないといけないのだろう。
BMWの新型M5に搭載されるのは、Mが独自開発したとされるXMと同じV8ツインターボ+モーターのプラグインハイブリッド機構である。585㎰/750Nmという数値を見てまあそれくらいはあるだろうなと思ったらそれはエンジンのみのスペックで、システムとしては727㎰/1000Nmだった。今月で紹介している、同じくプラグインハイブリッドで4ドアセダンのベントレー・フライングスパー・スピードとパワースペックが奇しくも似通っている。おそらく出力もトルクもさらに上乗せできるのだろうけれど、物理的にも人間の運転スキル的にも、妥当なところを探っていくとこの辺りの数値に落ち着くのだろう。

フロントデザインは、M専用エアロバンパーやガーニッシュ、グリルのフレームを光で浮かび上がらせるBMWアイコニックグローを備えたM専用ブラックキドニーグリル、BMW 5シリーズより75mmワイドなフロントフェンダーなどが特徴的。

プラグインハイブリッドなのでEV走行も可能だから、早朝に出掛けるときなどに野太い排気音をご近所に響き渡らせる心配がないのは精神的にありがたい。センターコンソールにある「Mハイブリッ」のボタンを押すと、ダイナミック・プラス/ダイナミック/ハイブリッド/エレクトリック/eコントロールの5つから、ハイブリッドシステムのモード選択ができる。このうちいわゆるノーマルモードはハイブリッドで、ダイナミックのふたつはモーターとエンジンをよりスポーティな方向に制御する。さらに例によって「セットアップ」ボタンを押すとより細かいチューニングが可能となり、駆動システム/回生/ドライブロジック/シャシー/ステアリング/ブレーキ/Mドライブ/Mサウンドとその数は実に8項目にも及ぶ。それぞれにコンフォートやスポーツなど2〜3段階の設定ができるので、その組み合わせの総数は文系の自分には計算できないほどである。

メーターパネルやディスプレイの背景までMカラーで彩られるコクピットでは、M専用コントローラーによってさまざまな機能に簡単かつ迅速にアクセスできるほか、自分好みの走行モードにカスタマイズすることも可能。マシンとの緊密な一体感を味わうべく設計された、Mマルチファンクションシート(運転席&助手席)が身体をしっかりホールドし、スポーティかつ快適な走りを実現。

最初のうちはハイブリッドモードで運転していた。これだけのパワーがあるので、タウンスピードのみならず高速道路ですらエンジン回転数は2000rpm前後だろうから、V8ツインターボのエンジン音は遠くのほうでなんとなく聞こえるレベルである。ところが回転計をよくみたらエンジンは稼働しておらず、モーターのみで走っていた。で、少し深くアクセルペダルを踏み込むとエンジンが始動するが、その前からエンジン音はしているしショックもないので、回転計を見ていないといつ始動したのかまったくわからない。つまり、エンジンが稼働していなくてもスピーカーからエンジン音が出るようになっていて、エンジンが稼働するとどこかのタイミングで実際のエンジン音とバトンタッチしているようだ。こうした演出はMを好んで購入したオーナーにとってはきっと嬉しいに違いない。EVモードでも(CO2を排出せずに)Mのエンジンサウンドが堪能できるのだから。

モータースポーツテクノロジー直結のクロスバンク型を持つ4.4ℓV8ツインターボガソリンエンジンに、第5世代のBMWeDriveテクノロジーを採用した電気モーターを組み合わせた「M HYBRIDシステム」を搭載。システムトータル最高出力727ps/最大トルク1000Nmを発揮し、電気のみでの走行も可能であり、約70kmまで、ゼロエミッションで走行する。

ターンパイクあたりで自分ごときが頑張って運転したところで、M5には危なっかしい挙動や破綻の兆候などはまったく見られない。ひたすら安定的でありながら、天井しらずの圧倒的加速感で身体がシートに押さえ付けられる。その間には、MスポーツディファレンシャルやらM xDriveやらインテグレイテッド・アクティブ・ステアリング(=後輪操舵)やらが総動員で下手くそな運転の穴を瞬時に次々と埋めていってくれているに違いないが、そんなことはドライバーには一切伝わらず黒子に徹している。ボディサイズと重さ以外は、歴代最高と言い切れるM5である。

ワイドなフェンダーと左右2本出しのエキゾーストが精悍な印象を与えるリアビュー。パワフルな走りのみならず、ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能や、完全自動駐車が可能となるパーキング・アシスト・プロフェショナルといった安全機能・運転支援システムを標準装備。試乗車はMカーボンセラミックブレーキなどを搭載したMレーストラックパッケージを装着。

【SPECIFICATION】BMW M5
■車両本体価格=19,980,000円

■全長×全幅×全高=5095×1970×1510mm
■ホイールベース=3005mm
■トレッド=前:1685、後:1660mm
■車両重量=2400kg
■エンジン形式/種類=V8DOHC32V+ツインターボ
■総排気量=4394cc
■最高出力=585ps(430kW)/6000rpm
■最大トルク=750Nm(76.5kg-m)/1800-5400rpm
■モーター形式/種類=─/交流同期電動機
■モーター最高出力=197ps(145kW)/6000rpm
■モーター最大トルク=280Nm(28.5kg-m)/1000-5000rpm
■バッテリー容量=22.1kWh
■燃料タンク容量=60L(プレミアム)
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前:Wウイッシュボーン/コイル、後:マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前後:ディスク
■タイヤ(ホイール)=前285/40R20、後:295/35R21
問い合わせ先=BMWジャパン TEL0120-269-437

フォト=宮門秀行

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