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セダンとアバントのふたつのボディで展開
アウディジャパンは、アウディの新型「A5」/「A5 Avant(アバント)」シリーズを全国のアウディ正規ディーラーを通じて発売した。
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このA5シリーズは従来のA4を引き継ぐ新しいモデルシリーズとして、昨年7月に発表されたもので、アウディの電動化戦略に沿ったモデルレンジ再構築において、重要なモデルになるという。また、シリーズの世界的な発売を記念して作られたグローバル限定モデルedition one(エディションワン)も同時に発売される。
電動リヤハッチゲートを備えたセダンタイプと、ステーションワゴンタイプであるアバントの2種類を基本に、新世代の内燃機関プラットフォームであるPPC(プレミアムプラットフォームコンバッション)を初採用、数々の先進的な技術を搭載したとのこと。バリエーションはA5/A5アバントおよびスポーツグレードS5/S5アバントの、4つで展開される。
ダイナミックで筋肉質なエクステリアデザイン
フルモデルチェンジしたA5ファミリーは、ホイールベースを先代モデルより約70mm長く採る一方、リアオーバーハングを短縮。ロングノーズ、ショートデッキのスポーティなプロポーションを狙いとしている。ルックスは「より立体的で彫りの深い、エッジを減らした連続的な面構成による力強い抑揚をもつエクステリア」と表現されている。
電動リヤハッチゲートを備えるセダンタイプは、スポーティでコンパクトに見えるグリーンハウスが後部に向かって大きく弧を描いており、このデザインは、初代TTをも思わせる。
電動リアハッチはリアウィンドウとともに開閉。広い開口部によりラゲッジルームへのアクセスを容易にするという。一方アバントは、ルーフラインと融合したルーフスポイラーや、傾斜の強いDピラーが特徴。
フロントは、フラットで幅広なシングルフレームと、立体的なハニカムパターン、細いヘッドライトが相まって、鋭い印象を強調している。フロントバンパーとフェンダーを統合し、その中にヘッドライトを収めたスタイルを、アウディでは「ソフトノーズ」と呼んでいる。また、前後のブリスターフェンダーは、初代クワトロを彷彿させる、アウディデザインDNAの重要な要素だとしている。
足元には17インチアルミホイールを標準装備。オプションのadvancedパッケージでは18インチ、S lineパッケージでは19インチを選択可能で、アウディスポーツ製19インチ/20インチアルミホイールも用意されている。
新しいインテリアで技術と快適さが融合
インテリアデザインは4つの特徴を柱とするもの。①ヒューマンセントリック・デザイン(乗員中心のデザイン):ユーザーの必要な情報にフォーカスした設計、②デジタルステージ:Audi MMIディスプレイをドライバーと助手席にそれぞれ独立して設置、③マテリアルドリブン・デザイン(素材に基づくデザイン):使用する素材を機能的な観点から選択、④視覚的な明快さ、以上の4点である。
A5ファミリーには新世代のインフォテインメントシステムを搭載。「新しい操作コンセプトは、E³ 電子アーキテクチャーバージョン1.2により、操作性とコミュニケーション機能を向上させ、顧客のデジタルネットワークにシームレスに統合され、パーソナルなコネクティビティ体験を提供」するという。
デジタルステージは11.9インチのAudi バーチャルコックピットプラスと、14.5インチのMMIタッチディスプレイで構成。さらにオプションで、ダッシュボードのデザインに完璧に統合され各種MMIの情報表示・操作が可能な、助手席用10.9インチMMIパッセンジャーディスプレイも用意される。また、カスタマイズ可能なヘッドアップディスプレイもオプション設定されている。
サウンド面では、Bang & Olufsen 3Dプレミアムサウンドシステム(16スピーカー)と、フロントヘッドレストスピーカーが含まれるラグジュアリーパッケージを用意。スマートパノラマガラスルーフは新型A5から導入されたもので、オプションで設定可能。ポリマー分散液晶(PDLC)フィルムを用いた技術により直接の日光を最小限に抑え、車内温度の上昇を抑制するという。
さらに、「新しいインテリアライティングを提案する」アンビエントライティングプロ/ダイナミックインタラクションライトをライティングパッケージとしてオプション設定。ダッシュボードとフロントウィンドウの境界をライン状に点灯させるダイナミックインタラクションライトは、ウインカー操作等に応じてアニメーションライティングを作動させる新機能だ。
デジタルライトの新基準
A5ファミリーは、フロントにはLED技術を用いたダイナミックターンインディケーター付きマトリクスLEDヘッドライトと、8パターンから選択可能なデジタルデイタイムランニングライトを、リヤにはダイナミックターンインディケーター付きLEDリヤコンビネーションライトを標準装備。
さらに、8パターンから選択可能なダイナミックターンインディケーター付きの第2世代デジタルOLEDリヤライトもオプションで装着可能(S5には標準装備)。1ユニットあたり364個のLED が1秒間に数度の画像を表示し、リアエンドがディスプレイの役割を高めるという。
新開発のハイブリッドシステム MHEV plusテクノロジー
新開発の48ボルトMHEV plusシステムは、内燃エンジンの効率を向上させ、走行性能をサポートするとしている。このシステムは従来のMHEVと比較してCO2排出量と燃料消費に大幅なメリットをもたらすとのこと。PTG(パワートレインジェネレーター)は内燃エンジンの出力に、最大18 kW(24 PS)の電力を追加、減速時には最大25 kWのエネルギーを回生。特定の条件下では完全な電動走行も可能となる。
さらに、電動エアコンプレッサー作動時には、車両が信号待ちで停止し内燃エンジンがオフになっているときでも空調システムを作動できるという。この48ボルトMHEV plusシステムは、2.0L TDI直噴ディーゼルエンジン出力150 kW仕様とアウディS5に搭載される。
プログレッシブステアリングを採用したのも新型A5の特徴で、サスペンションとステアリングをあらためて徹底的にチューニングし、正確でニュートラルなハンドリングを実現したという。アダプティブダンパー付きサスペンションもオプションで用意される。
モデルラインアップ
A5とS5の2種類のうち、まずA5シリーズは、セダンとアバントの2タイプにそれぞれ3種類のエンジン(2.0L直列4気筒直噴ガソリンターボTFSIエンジン150ps仕様/同204ps仕様、または2.0L直列4気筒直噴ディーゼルターボTDIエンジン)を組み合わせて、合計6種類のモデルから構成される。
この直噴ガソリンエンジンは、VTG(可変タービンジオメトリー)付きターボチャージャーを装備、部分負荷で極めて燃費効率が良いという改良型燃焼プロセスを採用している。150ps仕様は前輪駆動モデル、204ps仕様はAWDクラッチ付きquattro四輪駆動モデルとなり、どちらも7速Sトロニックトランスミッションと組み合わされる。
直噴ディーゼルエンジンは最高出力204 PS、最大トルク400Nmを発揮。MHEV plusテクノロジーの採用により加速性能が大幅に向上したとのことで、燃費も欧州参考値で最高 20km/ℓを達成している。AWDクラッチ付きquattro四輪駆動、7速Sトロニックトランスミッションと組み合わされている。
一方、スポーツグレードであるS5シリーズもセダンとアバントとの組み合わせで全2種類。VTG付きターボチャージャーを装着した3.0L V型6気筒TFSIエンジン(367ps/550Nm)を搭載する。前述の48ボルトMHEV plusシステムにより、特定の条件下で完全な電動走行も可能とする。
アップデートされたSトロニック デュアルクラッチトランスミッションは、フロントアクスルの軽量化により軽快なハンドリングを実現したとのこと。トルクベクタリングを備えたリヤスポーツディファレンシャルと19インチアルミホイールを標準装備とする。
2タイプ合計150台の生産初期グローバル限定モデルを同時発売
新型A5の日本導入に際し、世界的な発売を記念して作られた限定モデル、アウディA5/A5アバントedition one(エディションワン)が同時発売となる。
この限定モデルは、ダーク Audi rings & ブラックスタイリングパッケージ、ライティングパッケージ、テクノロジーパッケージプロを装備するS lineをベースに、特別に用意されたマグネシウムグレーがアクセントになるフロントエアインレットと、ディフューザートリム、3色の色分けが施された20インチブラックメタリック&マットネオジムゴールド ポリッシュトのAudi Sport製マルチスポーク Sデザインアルミホイールを装備する。
ボディカラーはマグネットグレーとグレイシアホワイトメタリックの2色を用意、インテリアカラーはどちらもパステルシルバーを特別採用。