リアクオータービュー。やはりなんの変哲もないインターミディエイト・セダンである。1963年からフルサイズのギャラクシーをベースに軽量化を図った純ドラッグレーシング・モデルを投入して、シボレーのドラッグレーシングパック・Z11らと戦ったフォードは、より戦闘力を上げるため、当時だいぶ冴えなくなっていた凡庸な(だからこそ軽量の)フェアレーンのあちこちをさらにガラス繊維とFRP、プレキシガラスに置き換え、毛の生えた心臓を埋め込んだ。サンダーボルトの誕生である。
写真:秦 正史、畔蒜幸雄(ご提供画像除く)