コラム

「トランプ関税」にも戦々恐々!?”韓国の自動車産業のいま”を「ソウルモビリティショー2025」などで現地取材

輸出の約半数が北米向け

韓国の自動車産業はいま、どうなっているのか? 近年、ヒョンデが日本に再参入したことで、日本人ユーザーの韓国車に対する関心が徐々に高まっているものの、本場韓国の情報は日本にあまり入ってきていない。そこで、4月3日に開幕した「ソウルモビリティショー2025」などを現地で取材し、韓国自動車業界関係者から市場の実情を詳しく聞いた。

まず、韓国の市場規模だが、年間販売台数は約180万台。韓国の年間製造台数の約4割に相当する。生産は2020年代前半はコロナ禍による世界的な需要低迷や、半導体不足の影響で生産が一時的に落ち込んだものの徐々に回復貴重に入った。一方で、販売については国内市場が2024年から景気後退が鮮明になり、販売が伸び悩んでいる状況だ。輸出については、その約半数が北米向け。ソウルモビリティショー初日朝、米トランプ大統領がいわゆる「トランプ関税」の詳細を正式表明しており、韓国にとっても対米輸出で25%の追加関税は大きなインパクトがある。対策のひとつとして、ヒョンデは今後4年間で総額3兆円を超える大規模な北米投資を発表している。

ヒョンデの記者会見直後の様子。壇上には燃料電池車の2代目「NEXO」(写真左)と
改良された「IONIQ 6」(右)。

さて、ソウルモビリティショー2025の会場に入ると、はやり目を引くのはヒョンデと、同グループ傘下にあるキア、さらに高級ブランドのジェネシスだ。これら3ブランドで国内市場シェアの8割を超える圧倒的な認知度がある。4月から国内での予約販売が始まった、3列シートEV「IONIQ 9」を公道で試乗したが、近未来的なデザイン性の魅力やインテリアの高級感、そしてソフトなハンドリングでの操安性の高さを実感した。

輸入車メーカーでは、韓国市場全体の約4分の1を占めるラグジュアリーブランドでの出展が目立つ。ツートップは、日本市場を同様にメルセデス・ベンツとBMWで、それぞれ新型Gクラスの走破性の高さや、幅広い層に人気のMINIに対する訴求を進めていた。

レクサスがソウル市街近くで独自展開しているブランド発信拠点「CONNECT TO LEXUS」で展示されたレクサス「RX」。

そのほか、今回出展はしていないが、ツートップに次いでシェアが高いのが、テスラ、ボルボ、そしてレクサスが絡む展開だ。レクサス関係者によると、韓国でのラグジュアリーブランドがSUVシフトを含めてさらなる成長が見込まれている。また、現地新車価格1000万円超えの「アルファード」や、2000万円越えのレクサス「LM」の人気も最近、着実に上昇しているという。ただし、韓国は昨年の政治的な混乱を経て、近く新たな大統領が誕生することになっており、日韓関係を含めて今後の自動車産業の行方が見通しにくいという側面もある。

フォト=桃田健史 K.Momota
桃田健史

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専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。日本自動車ジャーナリスト協会会員。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、自動運転、EV等の車両電動化、情報通信のテレマティクス、そして高齢ドライバー問題や公共交通再編など。

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