
週末はアウトドアや自然に癒されたいというライフスタイルの人にピッタリ
筆者(黒木美珠)は30歳を迎えたら憧れの輸入車を手に入れたいという夢を抱いています。この連載では、輸入車の魅力を探求しながら、心を動かされたモデルを紹介していきます。果たして、美珠の心を奪う一台は見つかるのでしょうか? 第6回は、タフなイメージと環境性能を両立した「ジープ レネゲード 4xe(フォー・バイ・イー)」をお届けします。
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「ジープ」と聞いて、まず思い浮かぶのはどんなイメージでしょう。無骨でワイルドなSUVスタイルではないでしょうか? 筆者にとってジープは、「アクティブ」や「冒険」、「自由」といった言葉を象徴するブランドであり、アメリカの大自然を走る力強いイメージがありました。
そんなジープにも、今では電動化の波が訪れています。その代表格ともいえるのが、今回試乗した「レネゲード 4xe」。ジープらしいタフさと、現代のモビリティに欠かせない環境性能を両立した、都会派コンパクトPHEV(プラグインハイブリッド)なのです。
全長4,255mm、全幅1,805mm、全高1,695mmというサイズは、日本の都市部でも扱いやすいコンパクトSUV。ジープ伝統のセブンスロットグリルやスクエアなボディラインが、しっかりとブランドのDNAを感じさせてくれます。
特に印象的なのが、丸型ヘッドライトと四角いボディとのコントラスト。この絶妙なバランスがレネゲードらしい愛嬌を生み出しており、このクルマのシンボルのような存在感を放っています。
街中でレネゲードに乗っている方を見かけると、女性オーナーの割合も意外と多い印象を受けます。取り回しの良さに加え、日本の道路事情にもマッチしたサイズ感が、扱いやすさと安心感につながっているのかもしれません。
試乗車は「グラファイトグレー」のボディカラー。夜にはブラックのように見え、日中の明るい場所では、近年トレンドのグレーカラーとして洗練された雰囲気を演出します。さらに、4xe専用のブルーアクセントが随所にあしらわれており、さりげなくPHEVであることを主張。街中でもアウトドアでも、頼れる相棒になりそうです。
ドアを開くと、ジープらしいタフさとカジュアルさが共存する空間が広がります。シートはクッション性が高く、それでいて体をしっかりと支えてくれる包み込むような設計で、長時間のドライブでも疲れにくい印象を受けました。フロントシートにはシートヒーターも装備され、寒い日のドライブも快適に過ごせます。
特に印象的だったのが、スイッチ類のデザインです。どこか“工具”を思わせるような無骨な質感があり、レネゲードのキャラクターを力強く表現しています。さらに、メーター内にはPHEVならではのエネルギーフロー表示があり、走行中に電気とエンジンの動きが目まぐるしく切り替わる様子を視覚的に楽しめます。つい見入ってしまうようなギミック感もあり、運転にちょっとしたワクワク感を添えてくれました。
ラゲッジスペースはシートアレンジを活用すれば、週末の旅行やアウトドアにも十分対応可能。工夫次第でぐっと使いやすくなる空間です。オプションのカーゴネットやカーゴバックを活用すれば、ライフスタイルに合わせてさらに使いやすい空間に進化します。
搭載されるパワートレインは、1.3Lターボエンジンと電動モーターの組み合わせ。ジープの名前に恥じない力強さを感じさせつつ、モーターの恩恵で、スムーズで静かな立ち上がりが魅力的です。ドライブモードは3種類で、「ハイブリッド」「エレクトリック」「e-Save」を切り替えることで、走行状況や好みに応じた使い分けができます。エレクトリックモードでは最高速度130km/hおよび 走行距離52kmの電動走行が可能。日常の通勤や買い物なら、電気だけで完結するシーンも多くなりそうです。街中を音もなく走り抜けるジープというのは、なんだか新鮮で未来的な感覚でした。
今回試乗したレネゲード リミテッド4xeの価格は約635万円(税込)。前回の記事でご紹介したボルボV60に比べると手の届きやすさは感じますが、それでもコンパクトSUVとしてはやや高価格帯といえるでしょう。とはいえ、ジープでは認定中古車の在庫も豊富で、年式や走行距離によっては400万円を切る個体も見つかりました。初めてのジープとして、レネゲードはPHEVを含め、賢く選べる選択肢が多いのも魅力です。
総評
「遊び心」×「環境性能」という新たな軸を手に入れたレネゲード 4xeは、街にも自然にもフィットする1台。特に都市部に住みながら、週末はアウトドアや自然に癒されたい――。そんな欲張りなライフスタイルを描く人にぴったりだと思います。筆者がこのクルマで出かけたい場所は、例えば八ヶ岳の高原エリアや、関東近郊の林道。自然に寄り添う静かなひとときを楽しめそうです。
【5段階評価】
美しさ:⭐⭐
個性:⭐⭐⭐⭐⭐
デザイン:⭐⭐⭐⭐
サイズ感:⭐⭐⭐⭐⭐
価格:⭐⭐
走り:⭐⭐⭐
将来の購入可能性は……80%。都市と自然を行き来する私にとって、燃費と遊び心が両立した「ジープ」というブランドが少しずつ身近に感じられてきました。もしかしたら、数年後にはジープのキーを手にしている自分がいるかもしれません。
まとめ
「輸入車デビューへの道」はまだまだ続きます。もし皆さんのお気に入りのSUVがあれば、X(旧Twitter)にて「#輸入車デビューへの道」をつけて教えてくださいね! それでは、また次のクルマでお会いしましょう。
【Specification】ジープ レネゲード リミテッド 4xe
■車両本体価格(税込)=6,350,000円
■全長×全幅×全高=4255×1805×1695mm
■ホイールベース=2570mm
■車両重量=1790kg
■エンジン種類=直4DOHC16V+ターボ
■総排気量=1331cc
■エンジン最高出力=131ps(98kW)/5500rpm
■エンジン最大トルク=270Nm(27.5kg-m)/1850rpm
■Fモーター最高出力=44ps(33kW)
■Fモーター最大トルク=53Nm(5.4kg-m)/8000rpm
■Rモーター最高出力=128ps(94kW)
■Rモーター最大トルク=250Nm(25.5kg-m)/8000rpm
■燃料タンク容量=36L(プレミアム)
■燃費(WLTC)=16.0km/L
■トランスミッション形式=6速AT
■サスペンション形式=前:ストラット/コイル、後:ストラット/コイル
■ブレーキ=前:Vディスク、後:Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前後:235/55R17