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【速報】新型アストンマーティン「ヴァンテージS」デビュー。伝統と革新が融合した680馬力の真髄とは

680馬力の心臓を宿す、究極のヴァンテージ「S」が降臨

アストンマーティンは2025年7月9日、ラグジュアリーピュアスポーツの頂点として新型「ヴァンテージS」を発表した。すでにフロントエンジンスポーツカーとして高い評価を得ている現行ヴァンテージをベースに、伝説的な「S」の称号を冠したこのモデルは、パワー、ハンドリング、デザインのすべてにおいて、新たな基準を打ち立てる1台であるという。

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アストンマーティンのピュアスポーツの血を受け継ぐヴァンテージ

アストンマーティンで「ヴァンテージ」の名が登場したのは1950年まで遡る。当初は独立した車種名ではなく、既存モデルの高性能エンジン・オプションを指す名称で「DB2」にて初採用されたのち、DB4、DB5、DB6といった歴代のDBシリーズにも引き継がれ、アストンマーティンのハイパフォーマンス・ブランドとしてのイメージを確立。

初めて「ヴァンテージ」の名が登場したDB2ヴァンテージ。

そしてヴァンテージが独立したモデル名として大きな注目を浴びたのは、1977年に登場した「アストンマーティンV8ヴァンテージ」だ。ベースとなった「V8」のエンジンを大幅にチューンナップし、最高速度は約274km/hに到達。その圧倒的な性能から「英国初のスーパーカー」と呼ばれたほどだった。

1993年には当時のヴィラージュのハイパフォーマンスモデルとして「ヴァンテージ」が登場。5.3L V8エンジンに2基のスーパーチャージャーを搭載し、最高出力は558ps、最高速度は300km/hをマークした。

2005年には、新体制となったアストンマーティンを象徴するモデルとして「V8ヴァンテージ」がデビュー。美しいデザインと優れたハンドリングを両立させたこのモデルは大成功を収め、アストンマーティン史上最も多くの販売台数を記録するベストセラーとなった。2009年にはフラッグシップモデル「DBS」の5.9L V12エンジンを押し込んだ「V12ヴァンテージ」も登場し、こちらも人気を博した。

2018年には現行型のヴァンテージがデビュー。パワートレインにはメルセデスAMG由来の4L V8ツインターボエンジンを搭載、最高出力510ps、最高速度は314km/hに達した。昨年2024年にはマイナーチェンジが行なわれ、V8エンジンの最高出力は665psまでパワーアップ。そしてこの度登場したのが、ヴァンテージの更なるハイパフォーマンスを追求したモデル「ヴァンテージS」というわけだ。

ラグジュアリースポーツカーとして全方面で進化

新型アストンマーティン・ヴァンテージSのサイドビュー

ヴァンテージSの心臓部には、大幅にアップグレードされた4L V8ツインターボエンジンが搭載される。最高出力は680ps/6000rpm、最大トルクは800Nmを3000rpm-6000rpmという幅広い回転域で発生。この圧倒的なパワーは最適化されたローンチコントロールと組み合わされ、0-100km/h加速はわずか3.4秒をマークし、最高速度は325km/hに達する。アストンマーティンのエンジニアは、単なるパワーアップに留まらず、「S」の特性に合わせてスロットルレスポンスを精密に調整し、ドライバーとのより深い一体感を実現しているという。

その強大なパワーを路面に伝えるため、シャシーにも広範囲にわたるメスが入れられた。ビルシュタイン製DTXアダプティブダンパーは専用のチューニングが施され、フロントエンドの応答性が向上。さらに特筆すべきは、リアのサブフレームを従来のラバーブッシュを介さずボディに直接マウントした点だ。これにより、ステアリングからの情報がよりダイレクトに伝わり、俊敏性と一体感が飛躍的に高められている。

フロントには新設計のボンネットブレードを装備し、より力強いデザインをキャラクターを演出するだけでなく、V8エンジンの熱気を効率的に排出する。

エアロダイナミクスも強化され、フロントには新設計のエアダムとベンチュリーベーンの追加するとともに、リアには全幅にわたる大型のデッキリッドスポイラーが装着される。これにより最高速時でフロント+67kg、リア+44kg、合計で+111kgものダウンフォースを発生させ、高速域での絶大な安定性と、コーナーへの鋭いターンイン性能を両立した。

新型アストンマーティン・ヴァンテージSのコクピット。

エクステリアもその性能を雄弁に物語る。フロントフェンダーには職人が手作りした真鍮鍛造の「S」バッジが輝き、インテリアにもアルカンターラとレザーを組み合わせた「アクセラレート」インテリアを標準とし、シート上部のショルダーパネルには約2500ものステッチと16mを超える糸で「S」ロゴが刺繍されるなど、スポーツマインドとラグジュアリーが融合している。

アストンマーティンのCEO、エイドリアン・ホールマーク氏は、この新型ヴァンテージSについて「何十年にもわたり、輝かしいヴァンテージの名は最高のパフォーマンス、興奮、そしてドライビングのスリルの代名詞でした。昨年、新型ヴァンテージが世界的な称賛をもって発表された際、これらの品質が最前線にありました。その品質を超えることが、新型ヴァンテージSの背後にある挑戦であり、モチベーションでした。その結果、フロントエンジンのラグジュアリースポーツカーにおける新たな基準が生まれました。アストンマーティンの情熱的で目の肥えたお客様を興奮させる1台であり、今日、このブランドに存在する才能、領域、そして情熱を鮮やかに示すものです。」と述べている。

新型ヴァンテージSは、2025年7月10日~13日に開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」でデビューを飾る予定だ。受注受付は本日7月9日より開始されており、ボディタイプはベースモデルのヴァンテージと同じくクーペとロードスターが用意される。最初の納車は2025年の第4四半期の予定だ。アストンマーティンの「S」の伝統を現代に蘇らせたこのヴァンテージSは、ラグジュアリースポーツカーの世界に新たな興奮をもたらすことは間違いないだろう。

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※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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