
今後の展開が気になるパーツもちらほらと…?
製品化の発表の際に弊サイトでも記事としてお伝えしたが、ハセガワの1/24スケール・プラモデル、「ニッサン スカイライン 2000ターボRS(R30)前期型 (1983)」が2025年8月2日に発売された。すでに各種メディアには完成作例を公開しているところもあるが、この記事ではすこし違った角度から、その内容をお伝えすることとしよう。
実車がヒストリックカーとなってからは初の新金型キット
さて、ハセガワでは歴代スカイラインをいくつかプラモデル化している。実車の古い方から順に、ケンメリ、R31、R32の3種類だ。今回のキットのR30型系は実車では6代目にあたる世代であるが、DOHCエンジンの復活と、その進化(NAでの登場後、ターボ付き、そしてインタークーラーターボへとパワーアップ)で記憶されるモデルであり、次のR31を挟んで、1990~2000年代のスカイラインへの礎となった世代とも言えるだろう。今回のキットは、そのDOHCエンジンを搭載したターボRSの再現である。

ハセガワ1/24スケール・プラモデル「ニッサン スカイライン 2000ターボRS(R30)前期型 (1983)」、定価3,520円(税込)。赤/黒ツートンのDR30……今までどれだけ多くのプラモデルがこれを題材として世に送り出されてきただろうか。ハセガワのこのキットはまさに最後発に相応しい充実の内容を持つ。
R30は新車当時大いに注目を集めたこともあって、プラモ化の数は多い。1/24スケールに限って例を挙げても、今も販売され続けているタミヤやアオシマ、フジミのほか、ニチモや日東、オオタキ、エルエス(後にアリイ/マイクロエースから再販)などがある。今回のハセガワは当然ながら最後発となるわけだが、言うまでもなく、当時のキットとは全く異なる現代的な魅力に溢れた製品である。
全体から細部まで、その内容にスキなし!
新金型のハセガワ製R30の最も強みとなるのは、そのボディプロポーションの良さだ。当時にはなかった実車の3Dスキャンという技術を駆使して1/24スケールへと置き換えられたそのボディは、まさに実車と見まがうばかりの完成度である。これについては、すでに公開されているメーカー公式の完成写真を見るだけでも頷けるところだろう。

鮮やかな赤のプラスチックで成型されたボディ。そのプロポーションの良さは、ハセガワ公式サイトやキットのボックスサイドに掲げられた完成写真からもよく分かるだろう。フロントフェンダーに細長いウィンカーのモールドがあり、これを削り落とす指示があるところからも、今後のバリエーション展開が予想される。
また、ハセガワでは実車の立体スキャンをボディだけに用いているのではないとのことである。インテリアやシャシーについても実車をスキャンし、それを設計に役立てているということだ。このキットだけでなく、近年同社がリリースした製品を思い出すだけでも、これは理解できるだろう。シャシーフロアの立体感の豊かさなど、こうした手法があってこそパーツ形状に反映できている部分ではなかろうか。

レンズカットが綺麗に彫刻されたテールランプ(リアコンビネーションランプ)のパーツ。実車の円形テールの中央は、外側のものはリフレクター、内側のものはブランクとなっており、キットでもそれぞれレンズカットのパターンを変えて表現されている。こうした細かい部分に着目してキット内容をレビューしてみたので、各画像をご覧いただきたい。
という訳で、ハセガワならではのこだわりに満ちたキット内容を、微に入り細を穿ちレビューしてみたのが今回の記事である。その詳細については各画像のキャプションをお読みいただきたい。キットを購入しようかどうしようかと迷っている方だけでなく、すでに入手済みの方にもご覧いただければ幸いだ。