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シンガー、100台限定の「ポルシェ911」をモントレーでお披露目──レストモッドの新たな地平を切り開く最新作

モントレー・カーウィークにて北米初披露

2025年8月15日、カリフォルニア州モントレーで開催された「モントレー・カーウィーク」の「ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」にて、“レストモッド”で世界中のポルシェ愛好家を魅了する「シンガー(Singer)」が、最新作「Porsche 911 Carrera Coupe Reimagined by Singer(ポルシェ911カレラクーペ・リイマジンド・バイ・シンガー)」を北米で初めて披露した。

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クラシックと最先端技術の融合

このモデルは、1980年代におけるワイドボディ仕様のNAモデルからインスピレーションを得たもので、わずか100台のみが生産される限定車両となる。シンガーの創設者にしてクリエイティブ・ディレクターのロブ・ディキンソン氏は、次のように語った。

「シンガーが再創造した最初のポルシェ911を2009年にモントレー・カーウィークで発表して以来、ここは私たちにとって夏の恒例行事となっています。2025年、初めて『ポルシェ911カレラクーペ・リイマジンド・バイ・シンガー』を持ち込みました。また、今年は創業以来、レストアしてオーナー様にお届けしたクルマが合計500台のマイルストーンを通過した記念すべき年でもあります」

この最新作の心臓部は、モータースポーツの雄であるコスワース社との共同開発、4.0L自然吸気フラットシックス(水平対向6気筒)エンジンだ。964型911用エンジンをベースに、以下に述べる最新技術が投入され、最高出力420hp、最高回転数8000rpm以上を達成している。

●可変バルブタイミング:低速域の運転性と高回転域のパワーを両立させる。シンガーとしては初導入。
●”革新的”な冷却システム:DLSターボプログラムでの知見を活かし、水冷式シリンダーヘッドと空冷式シリンダー、さらに電動ファンを組み合わせた。
●新開発のチタン製エキゾーストシステム:フラットシックス特有の官能的なサウンドを奏でるという。

    • トランスミッションは6速マニュアルが組み合わされ、パワーは後輪へと伝えられる。シフトメカニズムを露出させたハイライズ・タイプのシフターを選ぶことも可能だ。

      F1の知見が注がれたシャシーと足回り

      車両の基盤となるのは、オーナーから預かるポルシェ911(タイプ964)のスチール製モノコックシャシーである。シンガーはなんとレッドブル・アドバンスド・テクノロジーズの協力を得て、シャシー強化システムを開発。複合材とスチールによる補強を施すことで、オリジナルの剛性を大幅に向上させ、ハンドリングやブレーキング性能、全体の洗練性を高めるという。

      ドライブトレインには、ボッシュ社と共同開発した最新世代ABS、トラクションコントロール、ESC(横滑り防止装置)を搭載。ドライバーは5つのドライブモード(ロード、スポーツ、トラック、オフ、ウェザー)から、路面状況や好みに応じて選択できる。さらに、運転席から減衰力を調整できる電子制御式4ウェイ・ダンパーや、DLSサービスで開発されたカーボンセラミックブレーキ、最新のミシュラン・パイロットスポーツタイヤも導入されている。

      美と機能を追求したデザイン、そしてクラフトマンシップ

      エクステリアは写真からひと目で分かる通りワイドボディ(カーボンファイバー製)が最大の特徴。これは、1980年代に「スーパースポーツ・エクイップメント」として知られた、ターボ用ボディに自然吸気エンジンを搭載したモデルへのオマージュとのこと。リアウィングは、当時のように固定式「ホエールテール」か、速度に応じて展開するアクティブ式か、いずれかを選択可能。

    • インテリアはオーナーの好みに合わせて完全にパーソナライズされる。今回の展示車両は「チェレステ・パッサラックア」と名付けられたボディカラーに、「マーズ・ピンク」のインテリア(レザーとベルベット・コーデュロイ)を組み合わせた仕様だ。高級革製品から着想を得たというレザーワークがフィーチャーされており、手作業で400時間もかけて施されるステッチは、シンガーのクラフトマンシップの高さを象徴するものだという。

      この「ポルシェ911カレラクーペ・リイマジンド・バイ・シンガー」は、ポルシェ、そしてシンガーの愛好者にとってはまさに何物にも代えがたい、走る芸術品と言えるものかもしれない。100台限定生産、価格は仕様に応じて決定される。

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  • ※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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