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【詳細画像83枚】ミニJCW×デウス・エクス・マキナが作り上げた2台のワンオフカー。電動と内燃、対極を貫くフィロソフィーとは

ミニJCWとデウス・エクス・マキナが魂の共鳴

ミニは2025年9月3日、そのアイコン的な存在であるジョンクーパーワークス(JCW)をキャンバスに、ライフスタイルブランド「デウス・エクス・マキナ」との特別なコラボレーションを発表した。モータースポーツへの情熱とカスタムカルチャーへの深い敬意から生まれたのは、正反対でありながら同じ魂を宿す2台のワンオフカーである。静かなる電動の反逆者「The Skeg」と、轟音をあげる内燃の純血種「The Machina」。これは単なるカスタムカーではなく、走る芸術品であり、ふたつのブランドが共有する哲学の結晶だ。

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対極にして双子、2台を貫くデザイン思想

このプロジェクトの根底には、ミニが長年培ってきた「クリエイティブなデザインとモータースポーツのダイナミクスの融合」という哲学がある。ミニの責任者であるステファン・リッチマンが語るように、デウス・エクス・マキナとの協業は、その哲学を新たな次元へと引き上げる試みである。両者は「マシン、イノベーション、創造性への情熱」という共通言語で結ばれ、それぞれのコミュニティと真摯に向き合う姿勢を共有している。その情熱が、2台の比類なきマシンとして具現化したのである。

2台のコンセプトカーは、ピュアで機能的、かつグラフィカルなデザインアプローチを共有している。ミニのデザインの責任者、ホルガー・ハンプ氏によれば、すべてのディテールは職人技のような精密さで作り上げられ、ミニの輝かしいモータースポーツの歴史と成功を現代に蘇らせている。その象徴が、両車のルーフに大胆に描かれた白い「X」のグラフィックだ。これはミニJCWとデウス・エクス・マキナというふたつのアイコンの共創を示す、力強いシンボルにほかならない。

インテリアに目を向けると、あえて見せる縫い目、機械的な感触を強調するスイッチやレバーがコックピットの無骨なキャラクターを際立たせている。光沢仕上げを意図的に避け、素材そのものの質感を活かすことで、完璧さよりも本物であることを追求した。デザイナーたちが「不完全さの美」を称える「生々しく、手作り感のあるアプローチ」と呼ぶこの思想は、デウス・エクス・マキナのカスタムカルチャーとも深く共鳴するものである。

静かなる反逆者「The Skeg」

海岸で生まれ、サーフボードと潮風にインスパイアされた「The Skeg」は、最高出力190kW(258ps)を発生する「ミニJCW E」をベースとする。その姿は、クリーンでミニマルだ。鮮やかなイエローとシルバーのボディカラーは、ミニの先進的な電動モビリティを象徴する。シルエットをシャープに見せるワイドフェンダーやイルミネーション付きフロントグリルに加え、特筆すべきは半透明のグラスファイバーパネルである。これにより車重を15%も削減し、空力性能を洗練させている。リアには、サーフボードが波面を滑るように空気の流れに反応する「フレックス・チップ・サーフ・スポイラー」が装備され、デザインが機能へと昇華されている。

室内は移動式のサーフショップを彷彿とさせる。ウェットスーツを収納できるグラスファイバー製のトレイや、サーフィンで馴染み深いネオプレン素材で覆われた軽量レーシングバケットシートなど、サーフカルチャーへのオマージュが随所に散りばめられている。ダッシュボードもサーフボードの構造技術を応用したものであり、そのすべてが、洗練よりも目的を優先するサーファーの精神を色濃く反映している。

轟音をあげる純血種「The Machina」

対する「The Machina」は、サーキットで鍛え上げられた純粋なレーシングマシンである。最高出力170kW(231ps)の内燃エンジンを心臓部に持ち、その全身からモータースポーツの血統が滲み出ている。赤、白、黒のレーシーなカラーリングとリアの「DEUS」ロゴは強烈な存在感を放つ。ボンネットに増設された4つの補助灯はラリーのルーツを、そしてリアディフューザーはニュルブルクリンク・ノルドシュライフェを戦ったミニJCWレースカーから着想を得ている。中央に配置されたエキゾーストがエンジンの咆哮を増幅させ、カンナムスタイルのリアスポイラーがノスタルジックかつ攻撃的な印象を完成させている。

そのインテリアは、さらに妥協がない。ドライバーを確実にホールドする5点式レーシングハーネス、構造をむき出しにしたロールケージ、そしてデウスのカスタムバイク工房を思わせる無垢のアルミ製フロアプレートが、実用主義の美学を物語る。トグルスイッチや、ドライバーとマシンをダイレクトに結ぶ巨大なレバーを持つ油圧式ハンドブレーキは、複雑なメニューを介さず、思考と行動を直結させるための装備だ。

情熱は未来へ

このプロジェクトは、BMWグループ傘下のDesignworksや、デウス・エクス・マキナのクリエイティブ・ディレクターであるカービー・タックウェル氏、そしてデザイナーのマット・ウィリー氏といった才能の結集によって実現した。彼らの創造性は、2025年9月8日にミュンヘンで開催されるIAAモビリティでのワールドプレミアで頂点を迎える。さらに、両ブランドのDNAが織り込まれたアパレル・カプセルコレクションも同時発表され、世界中のファンに向けて販売が開始される予定だ。

電動と内燃、サーフとレース。対極にあるふたつのエネルギーが交差して生まれたこれらのマシンは、自動車への情熱が新たな創造性を生み出すことを証明している。彼らの物語はまだ始まったばかりであり、さらなる刺激的な章が続くことを予感させる。

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※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。

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