電気自動車の開発で提携。中国に新工場を建設し、スマートの電動化を進める
ダイムラー・グループが中国の巨大資本である吉利グループ(浙江吉利控股集団=ジーリーホルディンググループ)と合弁会社を設立し、スマートブランドの次世代電気自動車(EV)の生産を中国で進める考えを明らかにした。両社50対50の出資で新たに合弁会社を立ち上げ、スマートEVを開発および市販していく考えで、生産工場は中国に置く予定。スマートクラスのクルマが中国でどれだけ受け入れられるかは未知数ながら、EVの普及を目指す中国政府の政策に応える形の提携といえそうだ。
ダイムラーのディーター・ツェッチェ会長と、吉利グループの李書福会長の両巨頭がシュツットガルトで会して調印するところに並々ならぬ決意が感じられるが、これで吉利はボルボ、ロータスに続いてスマートブランドにも関わることになる。一方でダイムラーはEQブランドのスマートEVをフランスとスロベニアで生産する計画も公表し、EV路線を強化する姿勢を明確にしている。
ダイムラーは吉利からの出資を受け入れており、その吉利の本拠地である中国はここにきて米中貿易摩擦などによる経済成長の鈍化に見舞われている。そんな状況下でダイムラーは吉利と次世代EVに向けた提携に踏み切ったわけだが、中国市場に力を入れるダイムラーの判断が中国経済にもプラスの影響を与えるのか。そのあたりにも注目していきたい。
2020年までに全モデル電動化計画を進めるスマートブランドとEVの普及を目指す中国とのシナジー効果に期待が高まる。