金属パーツのサスは可動しそうでしないのが残念?
グンゼ産業(現GSIクレオス)製ハイテックモデルのジャガーEタイプを組み立てていく当連載、前回はリアサスペンションの組み立てにあたって、部品の一部欠損をどう補うか……という問題に頭を悩ませたところで終わったので、今回はそれをどう解決したかについて述べる。なお、部品の一部欠損とは、ショックの部品の取り付け部(リベット止め部)がひとつだけ欠けていることを指す。
【画像17枚】色々問題が浮かび上がってくるリアサスの組み立てを見る!
元々、リアサスペンションは組み上がりが複雑な形になるので、完成後にはよく見えなくなる側(車体上側。もっとも、完成後にそれほど裏側を見るかということ自体あやしいのだが)に欠けの部分を持っていくことは考えていた。そこまでしか考えが及ばないのが高校生の悲しさ……と言うよりは、当時の筆者の頭がよくなかっただけであろう……。今になって思い浮かんだのは、部品の取り付け部を簡単にでも自作してしまって、それをよく見えなくなる側に回せばよい、ということである。
……という訳で、洋白線を丸く曲げて、数字の「9」と「?」の中間のような形(そういう形のフックがあったと思うが、名前が浮かばない……丸カン?)とし、パーツに穴を開けて埋め込んでしまう、という解決法を思いつくまでには、さほど時間はかからなかった。実際にやってみると全くスムーズに運び、実際にサスペンションを組んでみるのにも、特に支障はなかったのである。なお、前回も今回も、組み上がったサスペンションの写真ではブレーキを付けるのを忘れているが、もちろん組み付けはテストしている。
こうして組み上がってみると、メタルパーツがまだ無塗装なのも相俟って、なかなか本物っぽい仕上がりに見えてくる。実物の構造をきちんと再現しているだけに、サスペンションが可動してもおかしくない雰囲気だが、コイルスプリングなども一体モールドなので、別に動くわけではない。可動ギミックを仕込むという楽しみ方もアリであろうが、筆者は動くことにそこまでこだわるわけではないので、これはこのまま制作することとする。
ディテールアップはしたいけどね
さて、このようにリアサスペンションを仮組みしてみることによって、あるいはまた、そのために実車写真と照合してみたことにもよって、キットの問題点も浮かび上がってきた。パーツの取り付け位置とパーツの長さが合っていないとか、省略されているパーツがあるとか、そういった部分である。後者については、そうした点も細かくディテールアップしていきたい。一部は前回も書いているが、どのような点に気が付いたのかは、写真のキャプションをお読みいただきたい。
これで前後ともタイヤを取り付けて、4輪の接地具合いや車高などが確認できる状態になったのだが、しかしそれはもう少し後にしよう。というのは、こういうキットであるから仮組みを行うだけでも手間なので、できるだけ多くの部分を仮組みし、一度にそれらの具合いを見た方が効率的なのではないかと思うからだ。また実際に、この時点で仮組みではなく本式に組んでしまった方がよい部分もあれこれ存在している。そんな理由から、次回はフロントフレームにまた戻りたいと思う。