コラム

EV推しだけではなかった……!? 2回連続でミュンヘン開催となったIAAモビリティショーは楽し!【池ノ内ミドリのジャーマン日記】

各ブースでさまざまなノベルティが配布されているのも嬉しい!

8月はセーターや上着が必要な程に寒い日々が続いたミュンヘンですが、9月には北国には辛い30℃を超える蒸し暑い夏日が続きました。
ドイツでは一般家庭どころか、お店やレストランにも殆ど冷房がありません。あったとしても生ぬるい涼しさだったりしますので、酷暑はひたすら扇風機や団扇、水シャワーでしのぐしかありませんでした(笑)。

さて、私の住む街 ドイツのミュンヘンに、再びIAA(International Automobile Ausstellung)がやってきました! 元々長年フランクフルトで開催されていましたが、2021年からミュンヘンへと移行し、モーターショーのコンセプト自体が大きく変わり、EV化が本格的に進むいまのご時世のモビリティを現すモーターショーとなっています。

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僅か5~6年前までのモーターショーといえば、ハイパフォーマンスのスーパーカーが主流で華を添えていましたが、いまはどちらかというと『地球や環境にやさしい』『CO2の排出を極力減らそう』そんな感じのエコ路線となっています。従ってミュンヘンに移ってからはIAAには“Mobility”が付き、自動車だけではなく自転車、電動スクーターやバイク、バスやシニアカーまで、様々なモビリティを考えるショーとなっています。

私達メディアに支給されるパスには、実は開催中の公共交通機関の1週間の無料パスが付いているのです。初日のメディアデイは郊外のメッセ会場の展示を観に行ったので、そこには地下鉄で行きました。郊外のメッセ会場自体は広いのですが、IAAで使用されている部分は非常に少なく、あっという間に見て回れます。関連のサプライヤーは非常に多いのですが、自動車メーカーのブースはさほど多くないのでのんびりと何周かしてみました。
驚いた事に中国メーカーや韓国メーカーの出展が非常に多く、日本メーカーの出展は全くありませんでした。以前はこのようなモーターショーでは日本メーカーが華々しくブースを出されているのは、日本人として誇らしいものでしたが、残念ながらいまはもうそのポジションは中国と韓国と入れ替わってしまったようです。
従って、モーターショー開催の1週間は、会場内はもちろんの事、市内にも中国・韓国、そしてインド人で溢れ返っていて、ちょっとその風景は異様な感じがしました。あちこちから聞こえる中国語や韓国語に、中川家さんのコントを思い出してしまいました(笑)。
自動車大国ドイツが世界に誇るIAAの出展者の半分以上が中国企業になるとは、一体誰が想像できたでしょうか。寂しい限りです。

プレスデーはメッセ会場のみの開催で、翌日から一般公開になり、市街地のオープンスペースも公開となるのですが、私が住む区から市街地の展示会場までは近いので、ドリンクボトルに冷たい麦茶を入れて、前回に続いてママチャリで出動です! これこそエコ!(笑)。

市内中心地に点在した展示ブースは一般の方も全て無料で見学できます。メッセ会場のちょっとお堅い雰囲気より、こちらの方が気楽に入る事ができて楽しいのです。

メルセデスベンツやAMGでは、前回は全てEV車の展示でしたが、今回はAMGのスーパーカー等も展示してあり、多くの人がスマホで写真を撮っておられました。CLAのコンセプトモデルのブースの中では、プロジェクションマッピングを使用した素晴らしい演出がキレイで、その場で何回も観たのは当然ですが、翌日もその翌日も、合計三日間も観に行ってしまいました。

もはやクルマが目当てではなく、そのショープログラムです!(笑)
このIAAが行われた一週間は、9月のミュンヘンとしては非常に暑くて汗まみれだったのですが、そんな時にメルセデスのブースでは、めちゃくちゃおいしいイチゴアイスを無料配布してくださり、ありがたく木陰で頂きました。AMGのEQS 53 AMGの試乗をしたかったのですが、人気過ぎて全く空きの枠がなかったのが残念でした。

BMWは毎年オペラ座の前での開催です。今後全てがEV化するMINIや新i5等が展示されていましたが、BMWグループはミュンヘンが本社で、ミュンヘン市民は販売される何年も前からカモフラージュ模様の開発車やラッピングなしの状態のほぼ完成車も発表前から走っていて日常的に見ていますので、新鮮さというか、驚くような展示車もありません(笑)。ミニカーのセットとエコバッグを頂けたのはラッキー!

お次は一番のお目当てのポルシェです! 911の60周年記念モデルで、すっかり完売している911 S/T!ちょっとレトロなカラーがステキですね~。出遅れてしまったせいで、IAA先取りで販売されたスニーカーは私のサイズが売り切れ。翌日に来てみたらあるかも? と店員さんが教えてくださったので、朝イチで駆け付けましたが……残念でした。オンラインも早々に完売で、完敗でした。
ポルシェのブースでは、バリスタの方が入れてくださったおいしいコーヒーやエスプレッソを頂けて、コーヒーを飲みながら少し涼んでのんびりしていると、地元のシニアの方々が話しかけてくださりました。とっくに80代を過ぎていると思われる地元の方々ですが、いまもまだポルシェが憧れだと瞳をキラキラさせながらクルマ談義をしてくださり、とてもステキでした。ポルシェではカッコいい911のステンレスボトルを配布中に遭遇してラッキー! シニアのみなさんと並んで、私も1本頂きました。それにしてもポルシェはなんと太っ腹!ポルシェもメルセデス同様に内燃機関とEV、そして自転車がうまく平均的に展示してあり、見ていて楽しかったです。

アウディにはactivesphere conceptというコンセプトカーが真ん中に鎮座してありましたが、他は既存のクルマばかりで特に今回は興味を引くクルマもなく、一周しただけで次のVWへ。

VWもやはりID.シリーズ推しのEV強調ですね。ただ、同じグループのアウディやポルシェと違って、庶民が対象とあり、びっくりするようなお値段のクルマは展示されていない点と庶民が共感できそうなブースのレイアウトで親しみやすく、このクルマを買ったらどうなるかな? と想像しやすいのか、家族連れで人気でした。ここでもVWのエコバッグを頂けて嬉しかったです。

その向かいにはルノー。ルノーは今回のIAAではセニックE-Tech、メガーヌE-Tech、7人乗りのでっかいグランカングーE-Techを発表しましたね。日本はフランス車ブームですので、日本の方にはとても興味深いのではないでしょうか?
私はシトロエンの2CV以外、特にフランス車には興味が……。フランスではドイツナンバーのクルマがフランス車にめちゃくちゃ煽られまくるので、そのイヤな気分もあってトラウマなのです(笑)。ですが、ルノーのショップは楽しみにしており、二年前のIAAで買いそびれたルノーキャトル60周年のパリ愛が溢れるかわいいスノードームをやっと購入できました!

まさかまだ残っているとは期待しておらず、お店の方に伺ってみると、奥から出してくださいました。しかも、たったの7ユーロというめちゃくちゃ良心的なお値段でした。

暫く新モデルは見ていなかったスマートも展示されていましたが、以前のモノとは全く別物。MINIみたいな大きさになり、もはやスマートさはありません。でも、これはこれで需要がありそうですけどね。

他にも美術館・博物館が集中するエリアにはフォードやテスラ等の大きなブースが並んでいました。偶然空いていたので、フォードマスタングのSUVのEVカーに試乗させて頂きました。487PSとかなりパワフルです。市街地ならフル充電で約800km、アウトバーンなら約120km/hで約400kmなんだそうです。なかなかアウトバーン走行は厳しいですね。

なんたってドイツは区間的に速度制限がなく、特に夜中ならかなりのスピードでみんな走りますので、『電費』を考えて120km/h前後で走行すると逆に怖く感じるでしょうね。せめて140km/h位は出したいですが、長距離ドライバーの私にはその走行可能距離では不安で仕方がありません。時間に余裕があってのんびり充電しながら移動するのなら良いでしょうけれど、今の私のライフスタイルにはかなり難しいと感じました。回生ブレーキもキリと利き、ワンペダル走行も慣れれば問題ないのですが、やっぱりマスタングなら私はV8に乗りたいですね~。お値段はなんと約1300万円!

この1週間の開催期間中には、地元ミュンヘン市民や観光客を含めて述べ50万人以上がIAAモビリティを訪れたそうです。私も地元住民としてたっぷりと楽しませて貰いました。ノベルティもたくさん頂けて大満足(笑)。二年後の2025年にもまた地元ミュンヘン市で開催される事を願っています。

この記事を書いた人

池ノ内 ミドリ

武蔵野音楽大学および、オーストリア国立モーツアルテウム音楽院卒業。フリーランスの演奏家を経て、ドイツ国立ミュンヘン大学へ入学。ミュンヘン大学時代にしていた広告代理店でのアルバイトがきっかけでモータースポーツの世界と出会い、異色の転身へ。DTM、ル・マン/スパ/ニュルブルクリンクの欧州三大24hレースを中心に取材・執筆・撮影を行う。趣味は愛車のオープンカーでヨーロッパのアルプスの峠をひたすら走りまくる事。蚤の市散策。

池ノ内 ミドリ

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