コレクターカーディーラー、ラ・スクアドラ社とアトリエ・ザガートが共同開発したプロジェクトの発表から1年後、初の市販車が完成
「AGTZツインテール」は、「アルピーヌ・A220」のドラマチックなストーリーを伝える必要性から生まれた。1960年代後半のレーシング・アイコンであるA220は、「ル・マン24時間」レースの高速ストレート用に設計された長いエアロダイナミクス形状のテールを廃し、コンパクトで俊敏なフォルムを採用。この決定は急進的であったが、独創的であった。このフランス車は、ヒルクライムという新たな専門分野で歴史的な成功を収めた。
半世紀以上経ったいまでも、この伝説はコレクターカーディーラーである「ラ・スクアドラ」社と有名なデザインスタジオである「アトリエ・ザガート」にとって不朽のインスピレーションの源であり続けている。AGTZツインテールは、A220への現代的なオマージュであり、ユニークなデザインの特徴である取り外し可能なリアボディセクションを通じて、そのストーリーを語る。ドライバーは、ロングテールとショートテールを瞬時に切り替えることができ、取り外したテールは機能的なアートピースとしてガレージに飾ることができるのだ。
このコレクターズカーは、ローリング・スカルプチャーであり、A220の精神的後継モデルである「A110」の足回りをベースに作られている。AGTZツインテールは、1919年以来、ミラノで一貫して操業している世界有数のコーチビルダーであるアトリエ・ザガートで、1台1台手作業で製作される。生産台数はわずか19台と厳しく制限されており、このシリーズの最初の1台であるコミッション#3が、伝説的なアトリエを後にした。
【写真15枚】’60年代後半の伝説的レーシングカー「A220」からインスピレーションを得た一台
AGTZツインテール・コミッション #3:オーナーが歴史の次の章を書き上げる
19台のAGTZツインテールは、個人的な対話とアトリエ・ザガートでの製作現場への訪問を通じて培われた広範なカスタマイゼーションプロセスの結果、それぞれが独自のテーラーメイドとなる。AGTZツインテール・プロジェクトの創造性と価値に対するパトロンの貢献は、この最初の完成車に明確に示されている。
コミッション#3は、オリジナルのA220のストーリーをオーナーが個人的にアレンジしたものだ。1969年に完成したシャシー#1736で、2年間に渡って製造された後期型の1台である。エアロダイナミクスを追求したノーズ、巨大なテールにマウントされた目立つラジエーター、そしてメカニカルな改良が施されたこのマシンは、ル・マン24時間レースのテスト走行で有望なパフォーマンスを見せたものの、技術的な問題によりレースから早々にリタイアした。
今日、AGTZツインテール・コミッション#3は、2025年のレトロモビルショーでこのストーリーをフランスの地で復活させた。1969年のル・マン24時間レースを彷彿とさせる印象的なカラーリングと、この依頼のために特別にデザインされたホイールを含む特注ディテールの数々により、コミッション#3の仕様は、レースの黄金時代の精神を忠実に、かつあからさまに進歩的な方法で蘇らせる。
今年で49回目を迎える「レトロモビル」は、世界有数のクラシックカーとコレクターカーの展示会である。このイベントでAGTZ初のツインテールクライアントカーが世界初公開されたことは、ハイエンド自動車セグメントにおけるプロジェクトの主導的地位を強調するものであり、国際舞台におけるLa Squadraの強力なプレゼンスをさらに確立するものだ。
一方、アトリエ・ザガートでの作業はフルペースで続けられている。次のAGTZツインテールの依頼はすでに進行中で、間もなく発表される予定だ。生産台数の上限はわずか19台であるため、オーダーブックはすぐに埋まりつつあり、残りの枠はまだわずかしかないという。
AGTZツインテール。1台のクルマ。2つの魂。
AGTZツインテール初のクライアントカーまでの道のり
2024年2月:最初のプロジェクト詳細発表
2024年5月:イタリアのコモ湖畔の「フオリコンコルソ」にて、
プレプロダクションカー(#00)を世界初公開
2024年7月:「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で
プレプロダクションカー(#00)をダイナミックに初披露
2025年2月:レトロモビルにて初の市販車(#3)を世界初公開