
60年代のスポーツカーをリスペクトした2シーター・バルケッタ
イタリア北西部のピエモンテ州、トリノにほど近いヴァルファネーラを拠点とする新たな自動車メーカー「アウトモビリ・ミニャッタ(Automobili Mignatta)」が2025年5月8日、初の市販モデルとなる「リナ(Rina)」を発表した。ウインドスクリーンをもたないクラシカルな姿でありながらも、最新技術で徹底した軽量化を行った少量生産のオープン2シーター・スポーツカーだ。
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徹底した軽量化によるパワーウェイトレシオに期待が高まる
1960年代のイタリアの伝説的なスポーツカーにインスパイアされたというミニャッタ・リナは、軽さとパワフルさ、そして「アナログ」にフォーカスしている。
フロントミッドに搭載されるエンジンは排気量5LのV型8気筒自然吸気で、組み合わされるトランスミッションは6速MTのみ。LSDを備えた後輪駆動となる。
ロングノーズ・ショートデッキでゼロスクリーンのボディはカーボンファイバー製で、シャシーもカーボンモノコック。車両重量は約1000kgという軽さを達成している。
ミニャッタ・リナが搭載するエンジンの出所やスペックは今のところ公表されていない。参考までに、同様のスタイルを与えられた近年のスポーツカー、例えばダラーラ「ストラダーレ」は車重855kgに排気量2.3L・最高出力400psの直列4気筒エンジンという構成で、あるいはフェラーリ「モンツァSP1」が1500kgに6.5L・810psのV型12気筒エンジンが与えられていた。これらを考慮すれば、5LのV8ユニットで1000kgのボディを駆るリナのパワーウェイトレシオが極めて刺激的なものであろうことは想像にかたくない。
アナログにこだわって年間30台を手作業で生産
スタイルにおいても、ドライビング体験においてもアナログな喜びを追求するというミニャッタ・リナは、生産プロセスも完全ハンドメイドとして、年間生産台数はわずか30台と限定している。
また、特徴的なエンブレムにもヘリテージへのリスペクトが込められている。これは1424年に初代サヴォイア公アメデーオ8世がピエモンテ公のために制定した紋章をアレンジしたものだ。
イタリアといえば歴史的に数多くの少量生産メーカーやカロッツェリアを生み出してきた国。とくに自動車産業全体が電動化へ向けて大きくシフトしようとしている今、あえてアナログなドライビングプレジャーを追求する新興勢力、ミニャッタがマーケットにどう受け入れられるのか、注目していきたい。