
2025年中に千葉県内のかしわ沼南と都内の駒沢にもオープン予定
メルセデス・ベンツの「ハイパワーチャージングハブ」が始動した。2025年7月8日に千葉県千葉市の千葉公園内で第一弾の開所式が行われた。午前中から気温30度を超える中、メルセデス・ベンツ日本の関係者、またドイツから充電インフラ事業の幹部、そして千葉市の神谷俊一市長らが参列した。
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メルセデス・ベンツとは社会インフラを積極的に整備
設置数は2口で、最大出力が150kW。営業時間は24時間/365日だ。メルセデスはもちろん、すべてのブランドのEVが利用できる。利用方法は、メルセデス・ベンツのEVオーナーは「MB チャージングパブリック」、また他ブランドのEVオーナーは充電メーカーの「Power Xアプリ」で行う。
基本料金は、MB チャージングパブリックの場合、基本料金が月5720円、また充電料金は時間ベースではなく充電容量ベースで1kWhあたり94.6円。ハイブランドでは近年、アウディとポルシェが連携してハイパワーな急速充電インフラを拡大してきたが、メルセデス・ベンツとしては社会インフラを積極的に整備するという意識が強いように感じた。
また、メルセデス・ベンツ日本と千葉市は昨年7月、包括的な連携協定を締結している。具体的には、脱炭素社会の実現に向けた未来へつなぐまちづくりのための共同、文化・スポーツ面を通じた、積極的なまちづくりや地域活性への貢献だ。
今回ハイパワーチャージングを設置した千葉公園は近年、千葉市が「芝庭」をコンセプトとして自然と環境を強く意識したリノベーションを施した。フィットネス施設や市民の学びの施設を新設するなど、次世代型公園という印象だ。そうした風景の中で、メルセデス・ベンツ ハイパワーチャージングハブが上手く溶け込んでいる。今後については、2025年中に千葉県内のかしわ沼南と、都内の駒沢にオープン予定だ。
EVについては今、グローバルで「踊り場」と言われる状況だ。背景には、国や地域による政治的な思惑がある。欧州ではCOP21(第21回 気候変動枠組条約 締約国会議)で発効した「パリ協定」をきっかけに、SDGs(持続可能な達成目標)へ一気に注目が集まり、そうした中でEVに対する投資が急激に拡大していった。だが、欧州連合(EU)の欧州グリーンディール政策でEV普及のロードマップを修正するなどの影響もあり、欧州メーカー各社はEV普及戦略の軌道修正に迫られているところだ。
日本においても、近年は輸入車で新たなEVモデルが続々と市場導入されているものの、乗用車全需のうちEVのシェアは3%に届かない状況だ。こうした状況でも、メルセデス・ベンツ日本としては、将来的にEV普及は進むと考え、社会インフラとしての充電インフラに積極的に投資する方針だ。