
ヘリテージ部門の日常業務を忠実に再現!
ランボルギーニのポロストリコ(ヘリテージ部門)が設立10周年を記念し、世界各国からゲストを招いてその活動を体験するイベントを、2025年7月に開催した。
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歴史的な車両を残していくために
ポロストリコは、歴史的車両の保存、修復、認定を専門とする部門として2015年に設立されたものだが、この記念イベントで参加者たちは、ポロストリコの技術者と共に、ランボルギーニのヒストリックカーにまつわる作業に従事した。活動は、車両のロードテストと分析、歴史的アーカイブでの資料確認、真正性証明のための車両検証、そしてレストアに関連するワークショップ作業など、部門の日常業務を忠実に再現する形で進められた。
この取り組みには、ランボルギーニ創業以来のパートナーであるピレリも協力。ピレリとその財団は、ポロストリコと協力して行ってきた歴史的車両用オリジナルタイヤの復元に関する専門知識や実例を共有したのである。
ランボルギーニのアフターセールスディレクター、アレッサンドロ・ファルネスキ氏は、「10年間の活動で得た専門知識を伝えるには、ゲストに実際に作業してもらうのが最善の方法だった」と語る。彼は、ポロストリコがランボルギーニの過去をいかにして保存し、未来を保証しているかを、参加者がこの体験を通じて直接理解できたと述べた。
歴史的車両を扱ったイベントの詳細は?
参加者は2人1組のグループとなり、特定の歴史的車両を担当。対象となったのは、1967年式の400GT 2+2、1990年式のカウンタック25thアニバーサリー、2001年式のディアブロSE6.0、そして1990年代初頭のLM 002などだ。
●ロードテストと分析……活動の第一段階は、エミリア=ロマーニャ州とトスカーナ州の間の公道で行われた。参加者は、ポロストリコがレストアのため車両を受け入れる際に使用する受付フォームに、担当車両の情報を記入した。
●アーカイブでの検証……ランボルギーニの歴史的アーカイブで担当モデルの技術仕様や歴史を調査。シャシー番号やエンジン番号といった識別データ、外装色や内装の素材・構成などがオリジナル文書と一致するかを確認した。これにより、真正性証明のプロセスの一部を模擬体験することができた。
●ワークショップ体験……ワークショップでは、ランボルギーニ博物館が所蔵する1973年式ミウラSVを使って作業が行われた。参加者は、鋳鉄製ハンマーを使う歴史的な手法でセンターロックナットを締め付け、その後、現代的なトルクレンチで締め付けトルクを確認し、手作業の結果と技術仕様値を比較。また、カウンタックに使用されたウェーバー製2バレル・キャブレターの分解・再組立という、技術的に高度な作業にも挑戦した。
ランボルギーニとピレリの協力関係
イベントでは、1963年にフェルッチオ・ランボルギーニが最初の生産車350GTVのタイヤ供給を依頼して以来続く、ピレリとの歴史的な協力関係についても紹介された。ピレリは、ミウラ、カウンタック、LM002、ディアブロ、そして最新のウルスに至るまで、ランボルギーニのためにチンチュラート、Pゼロ、スコーピオンといった専用タイヤを開発してきた。
この協力関係は、クラシックカー向けタイヤの「ピレリ・コレツィオーネ」を通じて、ポロストリコによっても維持・強化されているという。このタイヤは、オリジナルの外観や走行力学を尊重しつつ、現代の技術を用いて安全性と効率性を高めているとのこと。
具体例として、1971年式カウンタックLP500プロトタイプの復元のために2021年に再現されたチンチュラートCN12や、1986年式ランボルギーニLM002のために2023年に復刻されたスコーピオンBKが挙げられる。これらのタイヤの復元には、ピレリの全タイヤに関する設計、開発、生産についての資料を保管するピレリ財団の歴史的アーカイブが不可欠であるとされている。
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