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シボレー「コルベット ZR1X」、ニュル6分49秒台で米国車最速を記録。欧州ハイパーカー勢に肉薄

手前から順に、シボレー・コルベットZR1X、ZR1、Z06
手前から順に、シボレー・コルベットZR1X、ZR1、Z06
ニュルブルクリンク北コースを走るシボレー・コルベット ZR1X
ニュルブルクリンク北コースを走るシボレー・コルベット ZR1
シボレー・コルベットの開発エンジニアたち
シボレー・コルベットZR1XをドライブしたDrew Cattellは、ビークルダイナミクスのエンジニア
シボレー・コルベットZR1をドライブしたBrian Wallaceもビークルダイナミクスのエンジニア
シボレー・コルベットZ06をドライブしたAaron Linkはビークルダイナミクスのマネージャー
ニュルブルクリンク北コースを走るシボレー・コルベット ZR1X
手前から順に、シボレー・コルベットZR1X、ZR1、Z06

ZR1XとZR1、2つの怪物が「緑の地獄」に刻んだアメリカンレコード

「緑の地獄(グリーンヘル)」の異名を持つ世界一過酷なサーキット、ドイツ・ニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)。自動車メーカーがその技術力の限界を試すこの聖地において、シボレー「コルベット」が歴史的な記録を打ち立てた。2025年型「コルベット ZR1」と、その究極版である2026年型「コルベット ZR1X」が、相次いで米国製量産車の史上最速ラップタイムを更新したのである。これは、アメリカンスポーツカーの歴史における新たなマイルストーンであり、コルベットの名を世界の頂点に刻む快挙と言える。

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究極のAWDモデル「ZR1X」が叩き出した6分49秒275の衝撃

今回の主役は、ヴェールを脱いだばかりのサーキット特化モデル、2026年型「コルベット ZR1X」だ。ZR1をベースとしながらも、AWDシステムを搭載し、固定式の巨大なリアウイングや専用設計のフロントフェイシアといった過激なエアロパーツを纏う。1064psを発生するLT7型5.5L V8ツインターボエンジンでリアを駆動し、フロントアクスルの電動モーターと組み合わせたシステム総合最高出力では1250psを誇るZR1Xが、ニュルブルクリンクの長大なコースを駆け抜け、「6分49秒275」という驚異的なラップタイムを記録した。これは米国製量産車の歴史を塗り替える新記録であり、世界の名だたるハイパーカーと肩を並べる、正真正銘のワールドクラスのタイムである。

一方で、後輪駆動モデルのコルベットZR1もその実力を遺憾なく発揮した。オプションの「ZTKパフォーマンスパッケージ」を装着した2025年型ZR1は、V8エンジンの1064psという途方もないパワーを後輪のみで受け止めながら、「6分50秒763」というタイムをマークした。AWDのZR1Xにわずか1.5秒差に迫るこの記録は、後輪駆動車としてのパッケージングとシャシー性能がいかに高いレベルで完成されているかを証明している。巨大なダウンフォースを生むエアロパーツと、強力なエンジン、そしてそれを御するシャシーバランスが見事に融合した結果と言えるだろう。

プロではなく「開発エンジニア」が達成した記録が持つ、本当の意味

さらに驚くべきは、これらの記録がプロのレーシングドライバーではなく、コルベットの開発エンジニア自身の運転によって達成されたという事実である。これは、コルベットが持つ圧倒的なパフォーマンスが、極めて高い安定性とコントロール性の上に成り立っていることを示唆している。

また、ハイパフォーマンスモデルのベースである「コルベット Z06」も同時にタイム計測を行い、「7分11秒826」という、それ自体が非常に優れたタイムを記録したことも発表された。同一メーカーが3つの異なる仕様で、同時にこれほど高いレベルの記録を並べるというのは異例であり、GMの開発体制と、C8型コルベットというプラットフォームの懐の深さを明確に示している。

現行型の8代目、C8型コルベットは日本市場でも好評ながら、ハイパフォーマンスモデルのZ06までは販売されているものの、究極のパフォーマンスバージョンと言えるZR1、そして今回ニュル最速の称号を手にしたZR1Xは日本未発売である。叶うことなら日本でもコルベットZR1/ZR1Xの走る姿を見てみたいものである。

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※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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