BMW、次期型「3シリーズ」生産に約20億ユーロを投資しドイツ国内の生産体制を大幅強化
BMWグループは2026年9月30日、第8世代となる次期型「BMW 3シリーズ」の生産に向けて、車両生産およびバッテリー製造に約20億ユーロを投資すると発表した。生産拠点となるドイツ国内の3つの工場を改修・新設し、フル電動モデルから内燃機関搭載モデルまで幅広いニーズに対応する。同ブランドの中核を担う3シリーズを通じて、母国ドイツにおける自動車産業の競争力強化と雇用の安定を図る構えである。
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ブランドの中核モデルを支える大規模投資
BMWグループが発表した約20億ユーロの投資は、同社の本拠地であるドイツにおける価値創造と競争力を高めるための重要な一歩である。投資の対象となるのは、ミュンヘンおよびディンゴルフィングの既存の車両工場に加え、新たにニーダーバイエルン行政管区に建設されたイルルバッハ=シュトラースキルヒェン・バッテリー工場の3拠点である。車両工場のさらなる開発に約10億ユーロ、新設のバッテリー工場にも約10億ユーロがそれぞれ投じられた。
1975年の生産開始以来、BMW 3シリーズは世界で最も成功したプレミアム・ミッドサイズ・カーとして君臨してきた。これまでに生産された約1800万台のうち、実に1500万台がドイツ国内で製造されている。同社の生産担当取締役であるレイモンド・ウィットマン氏は、この投資が価値創造や競争力のある生産、そして雇用の安定に寄与すると強調しており、産業競争力を維持するためには継続的な開発が不可欠であると述べている。
電動化と多様なパワートレインに対応する生産拠点
今回の投資により、生産拠点ごとの役割分担が明確化され、次世代モデルの効率的な生産体制が構築された。100年以上の歴史を持つミュンヘンの主力工場は、次世代技術「ノイエ・クラッセ」に向けた大規模な近代化が行われ、最新の電気自動車専用拠点へと生まれ変わった。ここでは、フル電動モデルである新型「BMW i3」が製造される。同モデルには、新設されたバッテリー工場から10月以降に供給される第6世代の高電圧バッテリーが搭載される。
一方、ディンゴルフィング工場では、高度な柔軟性を活かして従来型の内燃機関モデルおよびプラグイン・ハイブリッド・モデルが生産される。既存の生産ラインに新型車両を効率的に組み込むため、車体工場には新たな専用ラインが追加された。このように、フル電動モデルと従来型エンジン搭載モデルの双方を並行して生産することで、世界中の顧客からの多様な需要に柔軟に応える体制を整えている。
ドイツと地域経済への確固たるコミットメント
BMWグループにとって、ドイツは依然として生産ネットワークの中心である。同社はドイツ国内の工場で年間100万台以上を生産しており、これは同国で生産される自動車全体の約4分の1を占めている。今回の投資により、部品や材料を供給する約760のサプライヤー拠点が稼働し、そのうち30%以上がドイツ国内に位置するなど、緊密に統合されたバリューチェーンを通じて地域経済にも多大な波及効果をもたらしている。
とりわけ、イルルバッハ=シュトラースキルヒェンの新工場は、熟練労働者の雇用を確保し、ハイテク産業の拠点を新たに確立する成功例として位置づけられている。BMWは2027年末までに、ノイエ・クラッセの技術を採用した新型車や改良モデルを約40車種市場に投入する計画を掲げている。その中核となる新型3シリーズは、単なる自動車の枠を超え、イノベーションの力と母国ドイツへの揺るぎないコミットメントを象徴する存在となっている。
【ル・ボラン編集部より】
1960年代、BMWの窮地を救いスポーティセダンの系譜を確立した原点「ノイエ・クラッセ」。その名を冠する次世代EVと、伝統の内燃機関が次期3シリーズというひとつの屋台骨で共存する。これは単なる生産拠点の刷新ではない。最新BEVの先進性と、長年磨き上げたエンジンの官能性という相反しがちな価値を、主力モデルにおいて極めて高い次元で両立させるミュンヘンのしたたかな戦略である。時代が変容しても「駆けぬける歓び」の絶対的基準は常に3シリーズが担うという、母国ドイツからの誇り高き意思表明に他ならない。
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