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それは欧州での賭けなのか? トヨタが英国工場への新規投資を発表

3月16日、トヨタ自動車の欧州統括会社であるトヨタ・モーター・ヨーロッパは、英国生産拠点である「トヨタ・マニュファクチャリングUKリミテッド(TMUK)」のバーナストン工場に、2.4億ポンド(約340億円)以上の新規投資を行うことを発表した。これにより、工場の競争力を高めるとともに、英国におけるサプライチェーンの効率化も同時に進めていく。

 

約340億円投じてTNGAを使用した車両の生産へ

 

今回の新規投資にともないバーナストン工場では本年より、設備やシステムの新規導入、最新の生産技術の採用を通じて、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)プラットフォームを使用した車両の生産に向け、工場の刷新を図っていく。なお、この投資には英国政府から、同工場における人材育成、研究開発、環境負荷低減活動に対して最大2130万ポンド(約30億円)の支援が行われる。

 

トヨタ・モーター・ヨーロッパのヨハン・ファンゼイル社長は、このようなコメントを発表している。

 

「トヨタは、欧州生産拠点をグローバルレベルで競争力のある工場にするべく取り組みを進めており、今回のTNGAの思想に基づく生産技術の導入も、その一環である。TMUKの従業員はもちろん、サプライヤーとともに一丸となって、これまで高品質なクルマづくりに取り組んできたからこそ、今回の投資を決定することができた。英国政府からの支援に感謝申し上げたい。トヨタは、バーナストン工場の競争力を高めるために最大限の努力をしており、このたびの投資につながった。今後の発展には、引き続きEU市場への関税かつ非関税障壁のない、自由なアクセスを保つことが必要不可欠だと考える」。

 

TMUKのバーナストン工場は1992年12月に生産が始まり、2017年3月現在で年間約18万台を生産する。生産している車種はアベンシスや、ハイブリッド車を含むオーリス/オーリス・ツーリング・スポーツ。従業員数は、エンジンを生産するディーサイド工場と合わせて約3000人にのぼる。

 

ご存知のとおり、英国といえば先ごろ、英国議会が欧州連合からの離脱交渉の開始を承認したところ。そのプロセスには2年ほどの時間を要するとのことだが、今後、世界経済や国際情勢にどのような影響をもたらすのか。果たして混乱は避けられるのか。英国のある有識者によれば、英経済にとって自由貿易と外国直接投資は重要であり、EU離脱後もこれらが維持されることが望ましいと語っているが……。今後の動向に注目していきたいところである。

 

ともあれ、欧州市場におけるトヨタ車は今後、TNGAを使用したクルマになることで商品力向上を図ることができ、さらに競争力が高まることは間違いなさそうだ。

 

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