モータースポーツ

【WRC第6戦ポルトガル】放浪カメラマン山本佳吾のフォト&リポート

本命トヨタが立て続けにリタイア

 明けて金曜日のデイ1。SS2でタナックはまさかのリタイア。路面に掻き出された大きな石にヒットした後、油温が上昇しマシンを止めることになってしまう。続くSS3では同じトヨタのラトバラもクラッシュ、リタイヤとなる。主催者がコース整備のために大量の砂を路面に投入したことによって路面が柔らかくなり例年よりも路面が荒れてしまったのだ。出走順1番手となったオジェは不利な砂利掃き役にも関わらずSS4で4位につけるもSS5でコースオフでリタイヤ。波乱続きの金曜日をトップで終えたのはヌービル。使い切ったタイヤがこの日の激しさを物語っていた。

 デイ2は前日までと変わっていつも通りのスムースな路面となるも、午後からは一部で雨が降りタイヤ選択が難しい1日。この日も磐石の走りでヌービルがトップを守り、2位にエバンス、3位にスンニネンが続く。ヌービルとエバンスの差は39.8秒。デイ3は約51キロという短さ。ヌービルが圧倒的有利で最終日を迎えることになった。

 数万人のギャラリーが押し寄せるビッグジャンプで有名なステージ「ファフェ」を含む約50キロを残すだけとなったデイ3。エバンスに大差を付けたヌービルが貫禄の走りでスウェーデン以来となる今季2勝目を挙げた。エバンスも終始安定した走りで2位。激しい3位争いは、WRカーでの参戦わずか6戦目のスンニネンが激しくプッシュし続け3位に入り、トップカテゴリーでの初表彰台に喜びを爆発させていた。

 オジェがリタイアしたこともありヌービルがオジェに19ポイント差をつけ逆転、ランキングトップに立った。速さは見せるものの、安定感を欠くトヨタ。ポルトガル終了後、クラッシュ続きのクリス・ミークの参戦中止を発表したシトロエン。今後の動向を予想するにはいささか早計だが、Mスポーツフォードとヒュンダイが一歩抜きん出たように感じられた。

フォト&リポート:山本佳吾 K.Yamamoto
CARSMEET web編集部

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