南に諏訪湖という水がめがあるだけに、霧ヶ峰周辺はその名の通り霧の
発生しやすい場所。それだけに春から秋の早朝には見事な雲海と出会えることも多い。
特に眺めがいい白樺湖から霧ヶ峰
ビーナスラインのなかでも特に眺めがいいのは白樺湖から霧ヶ峰にかけての区間だろう。緑のカーペットを敷きつめたような丘陵地帯のなか、道は美しいカーブを描き出し、車山を過ぎたあたりからはそれまでの南アルプスや八ヶ岳連峰に加え、乗鞍岳や北アルプスの姿も浮かび上がる。まさに「天空の道」とでもいうべき息を呑むシーンが展開するのだ。さらに「富士見」の名が付く展望台が点在することからもわかるとおり、空気の澄み渡った日には遙か富士山も遠望できる。
美ヶ原台上の手前、2-3kmの区間はヘアピンカーブの連続で一気に標高を上げていく。
霧ヶ峰の交差点を過ぎ、三峰山あたりまで来ると、今度は北向きの展望も開けはじめ、噴煙をたなびかせる浅間山や上越国境にそびえる山々も望むことができる。もし時間があれば、三峰展望台の駐車場にクルマを置き、360度大パノラマが広がる三峰山頂までの散策(所要時間は片道30分ほど)を楽しんでみるのもいいだろう。
気軽に散策を楽しむことができる八島が原湿原。ただし人気の場所だけに休日は駐車場がかなり混雑。
ゆったりとアップダウンを繰り返してきたビーナスラインは、旧・和田村方面への分岐がある落合大橋を過ぎると、タイトターンの連続で一気に標高を上げていく。ここを登り切ると終点の美ヶ原台上。標高2000mにある道の駅の駐車場からは、眼下に広がる塩田平(上田盆地)とその向こうに屏風のようにそそり立つ北アルプスの高峰群を一望にすることができる。