2013年の登場以来、右肩上がりに販売を伸ばしているアウトランダーPHEVの2019年モデルが発売を開始。そのアップデート内容はこれまでで一番大がかりだというが、進化のほどは果たして?
クルマとしての洗練度も着実にアップデート
これまでに全世界で16万台以上を販売、プラグインHVのSUVではベストセラーの地位を築いているアウトランダーPHEVだが、今回のアップデートで際立つのはEV的なドライブフィールに一層の磨きがかかったことだ。車名の通り、走行に関しては元々前後のモーターが主体だったが、新型では電気駆動車らしさを実感できる場面が格段に多くなっている。
そう感じさせる一番の要因は、従来型よりエンジンの存在を意識させなくなったことに求められるだろう。これまでの2.0から2.4リッターに排気量を拡大したエンジンは、アトキンソンサイクルの採用で高効率化したことに加えて騒音を大幅に低減。駆動力として使用するフル加速時はともかく、純粋な発電時は走行中だと稼働していることに気付かないほど静かになっている。また、リアモーターやジェネレーター、駆動バッテリーの出力アップでEV走行が可能な領域も拡大。加速フィールも一層力強くなっているだけに日常域だとそもそもエンジンを稼働させようという気すら起こらない。
そんな、進化版パワートレインを受け止めるシャシーの洗練度が上がったことも新型における魅力のひとつ。今回からボディ構造用接着剤の採用範囲を拡大。足回りはリアのストラットとダンパーがサイズアップされ、ステアリングのギア比もクイックになったのだが、その効果は十二分といえるもの。剛性感が高まったボディと、しなやかに動く足回りの組み合わせは上質な乗り心地を実現。操舵フィールも正確さが増し、持ち前の高度な駆動制御による操縦性を実感しやすくなった。その完成度は、デビュー6年目をして格段に高まったという印象だ。