勾配85%のスキージャンプ台を駆け登り、EVでも「クワトロ」の技術力を実証
まずは、こちらの動画をご覧いただきたい。
かつて放映されたアウディのTVCMを思い出した方もいらっしゃるかもしれない。1988年には「アウディ100CSクワトロ」で、そして2006年には「アウディA6」でスキーのジャンプ台を見事に駆け登り、4WDシステムの「クワトロ」を搭載するアウディ車の高い走破性がアピールされたものだ。
そしてこのたび、アウディは同様のデモンストレーション走行を実施した。使用されたクルマはアウディ初の市販EVの「e-tron」。舞台はオーストリア・キッツビュールで、ワールドカップで有名なハーネンカムコース。氷で覆われた85%もの急勾配を、アウディe-tronは見事に駆け登ったというわけである。ちなみに、勾配85%を角度に変換すると約40.1度になる。
もちろんデモンストレーション走行だから安全への配慮は抜かりない。19インチホイールに組み合わせるタイヤは、このイベント用に特別に開発されたスパイク仕様で、車両には安全ハーネスを装着。さらに運転席には6点式シートベルト付きのレーシングシートが採用された。
ステアリングを握ったのは、ワールドラリークロスのチャンピオンであり、DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)を2度制した実績を持つスウェーデンのマティアス・エクストローム選手。彼は、「85%の勾配を克服するのは、最初は不可能に思えました。(成功してみると)このような難しい地形でも扱えるクルマであることに感銘を受けました」とコメントしている。
アウディは今回のテクノロジーデモンストレーションを成功させたことにより、電気自動車においても「クワトロ」の技術力の高さが証されたことをアピールしている。