ボルボ

【国内試乗】ボルボXC90にディーゼルの「D5」が追加ラインアップ!

上品だけど、しっかりディーゼル

新世代ボルボのローンチは、2016年にリリースされたXC90から始まった。その躍進のストーリーは周知の通りだが、先陣を切ったXC90のディーゼル搭載モデルが国内に導入され、ステアリングを握る機会を得た。今後は電動化にシフトして突き進む同社だけに、内燃機関の最終ブラッシュアップも気になるところだ。

庄内空港からスタートして、酒田市内を散策し、新庄市へと抜けるワインディングなどで試乗を行なった。

ボルボの新世代アーキテクチャーとして開発されたSPAを一番最初に擁したのは、同社のフラッグシップコードを司るXC90。その後、S/V90、XC60、S/V60と展開されていったが、ご存知のようにXC60、XC40が日本カー・オブ・ザ・イヤーを2年連続で受賞。現在もボルボ躍進の歩幅を狭めることなく、2018年の車名別の輸入車販売台数ベスト20に入っている非ドイツ系はボルボのみ。12位に60シリーズ、6位に40シリーズが食い込むが、XC40が予想を上回る発注数だったため、一部の供給が2019年度に持ち越された。今年、ライバルたちは本当にうかうかしていられない。

酒田市にある土蔵作りの山居(さんきょ)倉庫は、現在も米穀倉庫としては現役。日本の古い建造物とXC90のスタイリングは、相性が良いことにも気付かされた。

そんなよくできた弟分たちの活躍が目立った2017年、2018年だったが、久方ぶりに長兄XC90に新しいパワーユニット「D5」が加わり、そのパフォーマンスを試す機会を得た。
価格的には、既にラインナップするガソリンターボのT5(789万円から)とガソリンターボ+スーパーチャージャーのT6(954万円から)の間を埋めるディーゼルターボと、その役回りはある種既定路線だが、動的な部分はひと言で“ディーゼルらしい仕上がり”では片付けられない。結論をいえば、ディーゼル固有の音や振動の類は、法定速度域で走る限り、ほとんど感じないところまで丁寧になめされている印象。そして、最大のキモは走り出しの滑らかさだ。

走り出しでわかるボルボディーゼルの至高

XC90 D5は2ステージターボを採用。低中回転用タービンは3000rpmまでの領域をカバーするが、高回転用は2000rpmから作動。つまり、2000-3000rpmの間はオーバーラップして、両方のタービンが作動することで低速時のスムーズさを生み出している。さらに、タービンが作動する前の2000rpm以下は、パワーパルスと呼ばれるコンプレッサーが、タービンが作動するまでのごく短い領域をサポートして、走り出しのターボラグを微塵も感じさせなく、ディーゼルとてフラッグシップSUVの品性に傷をつけることはない。

最高出力235ps、最大トルク480Nmを発揮するD5。上位グレードのT6・T8(400Nm)よりも、パワフルかつグランツーリスモ性を望む方にオススメのパワーユニットと言える。

3000rpmから向こう側は、さすがにガソリンエンジンのようなスキッとした気持ち良さは期待できないが、逆に今回試乗を行なった山形県のワインディングでは、2475kgの車重に加え、大人2人と撮影機材を積み込んでいても、豊かなトルクで山道をぐんぐん駆け上がってくれた。

そして、個人的に好印象だったのは、ステアリング操作時のどっしり感。弟分たちは、クイックかつインフォメーション少なめのステアリングフィールだが、XC90 D5のそれは、走行モードがデフォルトのコンフォートでも適度に重く、車体の大きさやパワフルなディーゼル感をステアリングを通してさりげなく訴えかけてくる。
品性があり滑らかだけれど、しっかりとディーゼル。ボルボの演出は、やはりニクイのだ。

3列シートをを装備するが、3列目だからといって安全性が損なわれることなく、どの席でも同水準の安全レベルが保たれる。

【Specification】ボルボXC90 D5 AWD インスクリプション
■全長×全幅×全高=4950×1960×1775mm
■ホイールベース=2985mm
■トレッド=前1675、後1690mm
■車両重量=2475kg
■最小回転半径=6.0m
■エンジン形式/種類=D4204T/直4DOHC16V+ターボ
■内径×行径=82.0×93.2cc
■総排気量=1968cc
■圧縮比=15.8
■最高出力=235ps(173kw)/4000rpm
■最大トルク=480Nm(48.9kg-m) /1750-2250
■燃料タンク容量=71L(軽油)
■燃費=(WLTC)13.6km/L
■トランスミッショッン形式=8速AT
■サスペンション形式=前Wウィッシュボーン/コイル、後マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前後ディスク
■タイヤ(ホイール)=前後275/45R20(9.0J)

■車両本体価格(税込)=9,440,000円

【問い合わせ】
ボルボ・カー・ジャパン 0120-922-662

リポート:佐藤 玄/G.Sato フォト:篠原晃一/K.Shinohara ル・ボラン2019年7月号より転載

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