
土曜1DAYのリーヒマキラリー取材へ
まさかの2ラリー同時取材を敢行することになったボクですが、土曜早朝のリガ空港に着いた時点で寝不足と強烈な時差ボケでかなりのダメージ。ヘルシンキ行きの飛行機に乗ったらすぐに寝てました。たった1時間ほどのフライトなので体力の回復にはほど遠いんですが。ヘルシンキからはレンタカーを借りて約1時間ほど北にあるリーヒマキという街に向かいます。
出てきた車は新車のポロ。走行距離がなんと10キロで珍しくDSGでした。ラリー取材ってダートを走ったりするので飛び石で小傷が入ったりドロドロになるので、できれば新車とか濃い色の車は避けたいところ。「他の車ない?マニュアルでいいから」って聞いたら「新車が嫌って珍しいこと言うね」と笑われました。結局、他の車は予約でいっぱいなので新車のポロで出発。丁寧に走らないとなあ。
土砂降りだったり突然晴れたりと目まぐるしく天候が変わる中、予定通りにリーヒマキに到着。取材受付を済ませてサービスパークを確認していたらもうスタートの時間。車で5分ほどの街の中心に向かいます。土曜のお昼前ってこともあって多くの人で賑わっていました。日本じゃ考えられないなあ。羨ましい。
そうそう、なぜラトビアからわざわざフィンランド選手権にやってきたかと言うと、前々回にお届けした3月のフィンランド選手権イタラリーに続いて、勝田貴元選手がヤリスWRCで参戦するから。加えて今回はヒュンダイの育成ドライバー、ヤリ・フットネンがi20 WRCで参戦。トヨタとヒュンダイの育成ドライバー同士がお互いにWRカーで勝負することになったのです。
当初はラトビアだけ行くつもりだったのだけど、リーヒマキラリーが土曜1DAYでしかもお昼前にスタートってことがわかって、これって両方行けるやん。ヘルシンキから近いし!ってことで予定を変更。安い飛行機が見つかったこともあって2つのラリーを取材することに。こんなことするの、ボクだけだろうなって思っていたら、スタート会場でラトビアにも来ていた友人のフィンランド人ジャーナリストに会ってお互い大爆笑。彼は車でリエパーヤから約500キロ走ってエストニアのタリンまで移動。そこからフェリーでフィンランドに渡って来たのでボクより遥かにハードな行程。すごいよねえ。
総合優勝争いはヤリスWRCの勝田が勝利!
勝田、フットネンのスタートを撮影したらすぐにステージに移動。下見をしていないので地図とグーグルのストリートビューを頼りになんとなくアタリをつけた場所に向かいます。コンパクトにまとまったラリーなのでステージにつながる枝道を使うと効率的に撮影が可能です。この辺は撮り鉄の経験が大変役に立ちます。撮影して追っかけてまた撮影して、ってSLの撮影と全く同じ要領ですから。ちなみに、日本のラリーメディア関係者は撮り鉄の人が多いです。
森の中の撮影ポイントは晴れてるとすごく気持ちがいいんだけど、この日は5分おきぐらいに快晴~土砂降り~快晴の繰り返し。晴れると暑いし雨だと寒いしでカッパを着たり脱いだりの繰り返し。これがまた微妙に体力を消費していくので疲れます。
半分ぐらい撮影したところで一度サービスパークに戻ってサービス風景の撮影。冷たい雨が降ってるにも関わらず、トヨタとヒュンダイのサービスにはギャラリーが鈴なりになっていました。みんな熱心だなあ。30分ほど撮影したら再びSSへと移動。結局、この日は合計3つのSSで撮影しました。たった1日のラリーで、スタート、サービス、3SSで撮影してさらにフィニッシュにも間に合わせるっていう、我ながら惚れ惚れするスケジュールです。時差ボケの頭でよく考えたもんです。
注目の勝田とフットネンの2大ワークス代理戦争とも言える総合優勝争いは勝田が勝利!3月のイタラリーに続いてヤリスで2連勝を飾り、翌週のWRCポルトガルに弾みをつけました。
そして、再びラトビアに戻ることに……
1日中冷たい雨の中で撮影していたので身体は冷え切っていて、ここが日本なら日帰り温泉や銭湯にザブンと洒落込むところですが、ここはフィンランド。サウナならありそうだけどね。
余韻に浸る間もなくラトビアへ戻りますが、最終便には間に合わないのでこの日は空港内のホテル泊。ヘルシンキに戻る道中のガソリンスタンドでまず洗車。雨のダートを走りまくったのでドロドロ。念のためボディーを隅々まで確認したけど、傷は付いてないみたいでひと安心。
ホテルに着いたのは21時。朝4時にリエパーヤを出発してひたすら移動と撮影。こんなに働いたのは久々ですよ。次回はラリー・リエパーヤの続きをお届けします!