東北随一の絶景ロードでさまざまな雲海と出会う【磐梯吾妻スカイライン】
福島市郊外の高湯温泉と土湯峠を結ぶ磐梯吾妻スカイラインは、東北随一の絶景ロードと言っても言い過ぎではないだろう。全長約27kmにおよぶルートの大半は、奥羽山脈の稜線伝いに延びているため、車窓の左右どちらにも次々とすばらしい景色が現れてくる。しかも、中央分水嶺の稜線地帯は天気が変わりやすく、冬季閉鎖の直後(春)や直前(秋)などには雲海が発生することも多い。

浄土平周辺には、火山活動によって生み出された不思議な風景が広がっている。
土湯峠寄りには湖見峠や国見台、高湯温泉寄りにはつばくろ谷といった展望スペースが数多く整備されているため、雲海を眺めるにも都合がいい。雲の海から頂をのぞかせる磐梯山や安達太良山を仰いだり、福島盆地を埋め尽くす雲海を眼下したりと、変化に富んだ眺めを堪能できる。しかし、磐梯吾妻スカイラインのハイライトと言えば、やはり浄土平だろう。

すり鉢状の火口を空に向けて広げる吾妻小富士。その名の通り、富士山を小さく、そして、上から押しつぶしたような姿をしている。
このルートの中間付近、標高約1600mにある台地は、山岳信仰が盛んだった時代、やっと平坦な道程となることが極楽浄土のようだったことからその名が付いたという説がある。われわれの目には「浄土」と呼ぶには躊躇してしまうほど荒涼とした景観だが、見る者を惹きつけてやまない不思議な雰囲気に満ちている。

磐梯吾妻スカイラインの南側起点、国道115号バイパスの土湯トンネル付近からも福島盆地の雲海は見ることができる。
ときに福島盆地側から押し寄せてきた雲海は、スカイラインや浄土平を濃いガスの中に呑み込んでしまうことがある。そんな時は吾妻小富士に登ってみるといい。山頂の火口壁(お鉢巡り)からは、浄土平全体を覆いつくす雲海を眼下にできることもある。

吾妻小富士(標高1707m)の脇を抜けていく磐梯吾妻スカイライン。浄土平駐車場から吾妻小富士の火口壁までは10分程度、魔女の瞳を眼下にする一切経山の山頂までは約90分で登ることができる。 写真提供:浄土平ビジターセンター
アクセスガイド
東京方面から磐梯吾妻スカイラインをめざす時は、土湯峠まで約19kmとアクセスしやすい東北道・二本松ICが便利。東北道・浦和本線料金所からは236km。

Data【19】磐梯吾妻スカイライン
雲海遭遇率 ★★
雲海の季節 春〜秋
◎所在地/福島県福島市
◎ルート/県道70号・福島吾妻裏磐梯線
◎区間距離/約27km
◎最高地点/標高1622m
◎冬季閉鎖/11月中旬~4月上旬
【A】浄土平レストハウス
休憩にも浄土平散策にも便利な総合施設

磐梯吾妻スカイラインのほぼ中間に位置する浄土平にあり、福島県特産品を集めたお土産売り場をはじめ、軽食コーナーやレストランなども備えるレストハウス。すぐ近くには自然環境を学べるビジターセンターや天文台もあり、道を隔てた吾妻小富士登山にも便利。駐車料金(環境美化費)は普通車300円。
●9:00〜16:30/無休(冬季閉鎖)/福島市土湯温泉町字鷲倉山地内/TEL 0242-64-2100
【B】湯滝の宿 西屋
いまも茅葺き屋根が残る白布温泉の老舗宿

奥州三高湯のひとつとして700年の歴史を持つ白布温泉。かつては茅葺き屋根の湯宿が何軒か残っていたのだが、この西屋以外はすべて火災で焼失してしまっている。趣のある浴場には、樋で導かれた源泉が滝のように惜しげもなく注がれる。地場の食材をふんだんに用いた料理もすばらしい。

●1泊2食付12,000円〜(税別)/米沢市大字関1527/TEL 0238-55-2480
【C】ホテル山水荘
さまざまな湯を堪能できる土湯温泉の宿

歴史ある湯治場として栄えてきた土湯温泉街の奥に位置する山水荘は、施設の充実した大型ホテル。風呂からの眺めや入浴方法が異なる、さまざまな趣向の露天風呂や大浴場が数多くあり、土湯温泉の魅力を心ゆくまで堪能できる。家族向けやカップル向けなど、お得なプランも豊富に用意。
●1泊2食付13,110円〜/福島市土湯温泉町字油畑55/TEL 024-595-2141
観光情報
福島市観光物産協会 TEL 024-531-6432<
土湯温泉観光協会 TEL 024-595-2217
猪苗代観光協会 TEL 0242-62-2048
裏磐梯観光協会 TEL 0241-32-2349
米沢観光協会 TEL 0238-21-6226
文:佐々木 節/撮影:平島 格