みちのくの名峰にかかる雲海を峠から眺め回す【西吾妻スカイバレー】
磐梯山周辺のドライブルートの中で、走り応えという点では、磐梯吾妻スカイラインと双璧をなすのが西吾妻スカイバレーである。
この道は福島県猪苗代町と山形県米沢市を結ぶ県道2号の一部で、かつては有料道路だった桧原湖畔から標高1410mの白布峠を越え、北麓の白布温泉にいたる区間が現在も西吾妻スカイバレーの名前で呼ばれている。
西吾妻スカイバレーの特徴は、高低差600mほどの山並みを約17kmという比較的短い距離で一気に登り、一気に駆け下る典型的な峠道であるということだ。そんな意味では、なだらかな奥羽山脈の稜線沿いに走る磐梯吾妻スカイラインとは好対照の道である。
白布峠の頂上からは山麓の裏磐梯エリアとはまったく違う展望が広がる。南には眼下の桧原湖とその奥にそびえる磐梯山、西には新潟県境に連なる飯豊連峰、北には朝日岳をはじめとする出羽の山々といった具合に、みちのくの名峰をぐるりと眺め回すことができるのだ。これらの山々には雲が湧き上がることが多いため、運が良ければ、どちらを向いても雲海という眺めに出会うこともできる。