開幕戦の「Rallye Le Touquet」で「アルピーヌA110 Rally R-GT」が実戦デビュー!
ラリーへの復帰に向けてテストが重ねられていたアルピーヌA110 Rally R-GTが、フランス選手権の開幕戦「Rallye Le Touquet」でいよいよ実戦デビューしました!しかも、ドライバーはフォードやプジョーで活躍した、あのフランソワ・デルクール。ひょんなことから、オペレーションを担当するTeam FJに帯同できることになったので、急遽フランスまで行ってきました。
R-GTクラスを簡単に説明すると、2輪駆動のGTカーがベースで主な車種はポルシェ911GT3、アバルト124など。過去にはロータスエキシージや、アストンマーチンV8ヴァンテージなんてのもいましたが、さすがにラリーじゃ辛かったのか今じゃすっかり見かけなくなりました。
FIA R-GTカップがWRCとERCに併催する形で開催されているほか、ヨーロッパの国内選手権にR-GTクラスが設定されていたりもします。車の性格上、ターマックラリーがほとんどだけど、ERCと併催されているアバルトラリーカップは124のワンメイクで、グラベルラリーでも開催されています。グラベルステージを走る124ってカッコいいんですよ。
そんなR-GTクラスに数多く参戦しているのが、フランソワ・デルクール。おそらくエキシージ以外のR-GTカーは全部乗ってるんじゃないかなあ(ボク調べ)。そんなわけで、A110 Rally R-GTのデビュー戦にはうってつけのドライバーというわけです。
パリから車で約2時間半。ドーバー海峡にほど近いTouquet周辺が舞台のRallye Le Touquetは、毎年フランス選手権の開幕戦として開催されています。ちなみに、フランスはターマックとグラベルで選手権が分かれていて、今回はターマック選手権の開幕戦になります。本番前のシェイクダウンにもたくさんのメディアやギャラリーが集まっていて、A110の注目度の高さを再認識しました。
ラリーが始まると細かい部分を観察したり撮影したりは難しいので、シェイクダウン後に舐め回すように観察してきました。元々が2シーターでクーペのA110。ハッチバックと違って車内もトランクも狭いので、色んな物が効率よく配置されていました。ハッチバックだとシート後方に置けるヘルメットも、A110はリアのトランクスペースに。かなりギリギリのスペースなので、頭がデカイ人だと入らないかも?
金曜土曜の2日間で開催されたラリーは、天気が不安定で、金曜は晴れたり曇ったり雨だったり。土曜はずっと雨。海外に来ると雨に降られることがなぜか少ないんだけど、今回ばかりはずぶ濡れ&ドロまみれになりました。
そんな滑りやすい路面で後輪駆動だと、派手なアクションを期待しがちだけど、そこは最新のラリーカー。トラクションコントロールを効かせながら効率よくコーナーを立ち上がって行く姿が印象的でした。
地味な写真になりがちでカメラマン泣かせではあるんだけど。デビュー戦ということもあってか、終始抑え気味のペースだったデルクール。難しいコンディションだったけど総合11位できっちり完走するあたりはさすがです。フィニッシュ直後に話しを聞いてみたら「今あるR-GTカーの中だとA110が最高にいいよ!」と話してくれました。
ところで、このA110。11月に愛知・岐阜で開催される予定のラリージャパンで走らせることも可能なんです。もちろんそれなりの費用はかかるけど。今回お世話になったTeam FJのボスは、日本に行く気満々。「A110でラリージャパンに参戦したい人がいたら連絡くれよ!」と言ってるので、もし本気で(ここが大事!)走りたい人がいたら、日本での窓口であるテルゾマルムラまで連絡を。
取材協力:テルゾマルムラ http://terzomarumura.com/
この記事を書いた人
身長159cm、体重47kgの業界最小フォトグラファー。ラリー取材は内外問わず経験豊富。放浪癖あり、撮り鉄、阪神ファン、プジョー106キチガイ。