BMW

メルセデス・ベンツとBMWのエンブレムとフロントグリルの変遷を追う!

メルセデス・ベンツはグリルのデザインを時代や車種ごとに変えてきた

世界で最も古い自動車ブランドであるメルセデス・ベンツのフロントに据えられたスリーポインテッド・スターの三本の光芒は、陸・海・空を指しており、それぞれの世界でのモビリティの発展を意味しているそうだ。

Mercedes-Benz/1886年に自動車を発明したゴットリープ・ダイムラーとカール・ベンツの会社が1926年に合併し、ダイムラー社が誕生。世界最古の自動車会社で同社の製品は常にベンチマークだ。

また、メルセデス・ベンツは、クルマが道具である以上、そのデザインは機能との関わりの中で生まれるものだと考えており、グリルのデザインを時代や車種ごとに変えてきた。
その一方で、BMWが一貫して採用してきたキドニーグリルはBMWブランドを象徴するアイコンとなっており、今後も同じデザインのまま採用され続けるだろう。

1909/ダイムラー・モトーレン社のスリーポインテッド・スターは1909年に意匠登録申請。ベンツ&カンパニーは月桂冠の円形だった。

1909/MercedesSimplex 60 HP/メルセデスは1902年に正式に商標登録され、メルセデス・シンプレックスの名称で親しまれた。グリルはシンプルな一枚モノだ。

1913/MercedesKnight 16/40 HP/メルセデスのナイトモデルは、1911年初頭から量産された。グリルの意匠に少し凝り始めているが、まだまだシンプルな形である。

1916/メルセデスはダイムラー社の黎明期に深く関わったオーストリアの大富豪エミール・イエリネックの娘の名で、ブランド名となった。

1921/外側にあしらわれていた月桂樹が取り除かれ、円の中にスリーポインテッド・スターのみのシンプルデザインロゴも古くから存在。

1926/現在も使用されているスリーポインテッド・スターとリングのエンブレムは、2社が合併し、ダイムラー・ベンツ社の誕生時に登録。

1928/Mercedes-Benz Nurburg 460/8気筒エンジンを搭載していたNurburg 460は、冷却効果を高めるために大きなグリルを採用。フロントのロゴがすでに付いている。

1937/Mercedes-Benz 320/アーチ型フェンダーと長いエンジンフードを持つ320が登場する頃には、グリルも外装デザインの一部としてすっかり流麗になった。

1951/Mercedes-Benz 220/戦後すぐの時期は4気筒エンジン車のみを生産していたが、 220は6気筒エンジンを搭載。古風な外観なので、大きなグリルを採用。

1955-1995/Mercedes-Benz SL-Class/190SL(1955 to 1963)/スポーツ系モデルはフレッシュエアを取り込みやすいようにセダン系モデルよりもシンプルな形状のグリルを装備するのが通例となっていて現在も踏襲されている。

300SL first generation(1989 to 1995)

380SL(1971 to 1989)

1960/Mercedes-Benz 220SE/モンテカルロ・ラリーでも活躍した220SEはモダンなスタイルとなったので、グリルの意匠が1950年代のモノよりも洗練された印象に。

1979/Mercedes-Benz S-Class/W126型Sクラスのデザインは、ブルーノ・サッコが手がけたもの。同時期にデザインされた彼の作品は似たようなグリルを持つ。

1991/Mercedes-Benz 500E/ブルーノ・サッコはメルセデス・ベンツに41年間在籍し、同社のデザイン哲学に新しい命を吹き込んだ。 W124型も彼の作品だ。

2020/Mercedes-AMG E 53 Coupe/現在、Mercedes-AMGのトップレンジモデル(本国仕様を含む)はパナメリカーナグリルと呼ばれる縦格子グリルを装備している。

2020/Mercedes-Benz E-Class Cabriolet/「フォルムは機能に従う」というデザイン哲学にこだわり続けてきたメルセデス・ベンツは、常にグリルの意匠を変化させている。

ルボラン2020年8月号より転載

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