メガーヌRSの武器は4コントロール
メガーヌRSトロフィーが目指すベクトルは、ドイツ勢とは全く違う。それを一言で表すなら、生粋のスポーツドライビングである。そのカギを握るのは、4コントロールと呼ばれる後輪操舵技術。スポーツモードでは60km/h、レースモードでは100km/hを境に後輪を操舵し、低速側では逆位相(最大2.7度)に切ることでアンダーステアを解消。高速側では同位相(最大1度)を与えることで、コーナリングを安定させる。
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RENAULT MEGANE R.S. TROPHY
この4コントロールによってメガーヌRSは、FFスポーツにハンドリング革命を起こした。特にサーキットを睨んだ足まわりとトルセンLSDを装備するトロフィーはその挙動がシャープに整えられており、乗り手によってはカウンターステアをも引き出すことが可能なほど。もはやFRいらずといえるほどのハンドリング。
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RENAULT MEGANE R.S. TROPHY
エンジンは1.8L直列4気筒ターボを、300ps/400Nmまで鍛え上げた。その特性はA35やM135iほど刺激的ではないが、全域でフラットなトルクは、挙動を安定させるアクセルワークにしっかり貢献している。
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RENAULT MEGANE R.S. TROPHY/タイヤはブリヂストン・ポテンザS001。
プレミアムなスポーツ性能を求めるドイツ勢に対し、ルノー・スポールのクルマ造りは極めてストイックだ。しかしこのピュアな姿勢は必ず、スポーツドライビングを愛するドライバーの心に響くはず。メガーヌRSトロフィーは、間違いなくいま一番面白くて刺激的なFFスポーツである。