国内試乗

【国内試乗】ベントレー初のPHEVモデルが初の国内上陸! 静謐と上質が叶えるエクスクルーシブの極み「ベントレー・ベンテイガ」

元々、本国モデルでは先代から設定のあったベンテイガ・ハイブリッド。この2世代目から満を持して日本にも投入された。この上ない静粛性と力強さは、ハイエンドSUVにふさわしく、V8モデルと同価格となる戦略的な価格設定も、ユーザーにとっては大きな魅力となりそうだ。

ほぼ無音で怪力を発揮し上質感を演出

2030年までにエンド・トゥ・エンドのカーボンニュートラル達成を目指す”Beyond100″を掲げるベントレー。その日本における最初の、そして重要な一歩となるのがPHEVのベンテイガ・ハイブリッドである。
ベースとなっているのは、2020年に登場した2世代目ベンテイガだが、エンジン単体で最高出力340ps、最大トルク450Nmを発生する3L V8ツインスクロール・シングルターボ・ガソリンエンジンと8段トルコンATに組み込まれた最高出力126ps、最大トルク350Nmを発生するEモーターというパッケージは、基本的に本国で2019年に発売された初代をベースにしたベンテイガ・ハイブリッドと変わっていない。エンジンとモーターと合わせたシステム全体で449psの最高出力と700Nmの最大トルク、254km/hの最高速度と5.5秒の0-100km/h加速も同じ。リアのラゲッジルーム床下に収まる168個のセルで構成されたリチウムイオンバッテリーの容量も17.3kWhと同じだ。

エンジンは3L V6 DOHCツインスクロール・シングルターボ。後発のフライングスパー・ハイブリッドは2.9L V6DOHCシングルスクロール・ツインターボとなる。

では何が違うのか? それはガソリンとバッテリーを満タン状態にした時の総走行距離が858km、Eモーターのみでの走行が50km(WLTP)と先代の747km&39kmと比べて格段に向上したことだ。

メーターナセルにパワーメーターが表示される以外はインパネも同じ。センターコンソールのアイドリングストップのスイッチがあった場所に、Eモードのスイッチが備わる。

実はベントレーでは先代のオーナーに調査を行ない、9割超のオーナーは毎日もしくは週に数日運転していること、ほぼすべてがEVモードを使用していること、そしてEVドライブモードを使うユーザーの半数の走行距離が50km未満であるという結果を得たという。そのデータに基づくと、新型は日常使いでエンジンの助けを借りずにほぼモーターのみで賄うことも可能になったということになる。

内装はV8と同じだが、7シート、牽引バー、カーボンセラミック・ブレーキ、ベントレー・ダイナミックライド、オールテレイン・スペシフィケーションなどの設定はない。“マリナードライビングスペシフィケーション”には新しいキルトデザインを採用。

ボディサイドに小さく”Hybrid”のバッジ、そして左サイドに充電ポートが付く以外、外観でスタンダードのベンテイガV8とハイブリッドを見分ける術はない。
ところが走り出してみると、その差は歴然だ。ハイブリッドにはモーターのみで走行する”EVドライブモード”のほかに、モーターとエンジンを効率よく組み合わせる “ハイブリッドモード”、バッテリーの充電量を可能な限り維持する”ホールドモード”の3種類が用意されているのだが、走り出しは常にモーターだけで走行するEVモードに設定されているので、アクセルペダルを踏むと、無音のまま2.6トンもの車重を感じさせずにすっとクルマが動き出す。その後トルクが必要になったり、車速が一定以上に上がると自動でエンジンが起動し、ハイブリッドモードに移行するのだ。

ラゲッジルームの床下にリチウムイオンバッテリーを配置した影響でV8に比べ容量が5L減ったが、その弊害は感じない。一方、前後重量配分は50:50となった。

またハイブリッドモードでは、ナビと連動して目的地に到着した時にちょうどバッテリー残量が0%になるように、エンジンとモーターを効率よく使い分けるエネルギーコントロール機能も備わっている。文字で書くと何やら複雑に思われるかもしれないが、用途に応じてドライブモードをセレクトすれば、あとはクルマの方で勝手に制御してくれるので、ドライバーは意識せず普段通りに運転するだけでいい。
ただし、バッテリーへの回生は基本的にブレーキのみなので、ホールドモードにしていても外部からの充電を行なわない限り、いずれバッテリー残量は0%になってしまう(その場合でも走り出しのみモーターは駆動する)。しかしながら近距離でも長距離でも、充電設備が整っている状況下で、そのメリットを存分に活かして使える環境にあるならば(充電ケーブルと、ウォールボックスは無償で付属する)V8と同価格のハイブリッドは、かなり魅力的な選択肢になってくるはずだ。

【Specification】ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッド
■車両本体価格(税込)=22,800,000円
■全長×全幅×全高=5125×2010×1710mm
■ホイールベース=2995mm
■トレッド=前-、後-mm
■車両重量=2648kg
■エンジン型式/種類=-/V8DOHC32V+ターボ+モーター
■内径×行程=-× -mm
■総排気量=2995cc
■エンジン最高出力=340ps(250kW)/5300-6400rpm
■エンジン最大トルク=450Nm(45.9kg-m)/1340-5300rpm
■モーター最高出力=128ps(94kW)/-rpm
■モーター最大トルク=350Nm(35.7kg-m)/-rpm
■システム最高出力=449ps(330kW)/-rpm
■システム最大トルク=700Nm(71.4kg-m)/-rpm
■燃料タンク容量=75L(プレミアム)
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前Wウイッシュボーン/エア、後マルチリンク/エア
■ブレーキ=前後Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前285/45ZR21(-J)、285/45ZR21(-J)
公式ページ https://www.bentleymotors.jp/models/bentayga/new-bentayga-hybrid/

フォト:岡村昌宏 M.Okamura(CROSSOVER) ルボラン2022年3月号より転載
藤原よしお

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