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高級セダン最高の静粛性と防振を目指して……BMW次世代7シリーズのEV、i7開発の様子を公開!

最高レベルの研究所にて多種多様なテストに臨む

今年デビューが噂されているBMW i7の開発状況について、ミュンヘンからのニュースをお伝えしよう。i7については、特徴的なドライビングプレジャーと車格に相応しいレベルの快適性を目標に開発が進められているが、ここで重要な要素のひとつとなるのが音響特性(吸音性)だ。純電動タイプの高級セダン車内の快適性レベルは、主に、不快な騒音をどれだけ乗員から遠ざけることができるかによって決まる。ここで考慮すべき潜在的なノイズ源は様々であるため、BMW i7の生産に近いプロトタイプ、そしてBMW 7シリーズに将来加わるであろう全モデルが、音響テストの一環として様々なプログラムに供されている。

ミュンヘンのBMWリサーチ&イノベーション・センター(FIZ)では、開発エンジニアが車両における音の放出と侵入を全範囲にわたってチェック中である。新しい高級セダンの音響特性を完全に判断するために、モーター騒音と転動騒音、空力音響と振動が詳細に分析されているのだ。これには、音響による歩行者保護と、車室内に響くモーター音の緻密な調整も含まれている。後者は、BMWグループと、ハンス・ジマー氏(映画音楽で著名な作曲家)のコラボレーションであるBMW IconicSounds Electricの一部として開発された。

完全な静粛性か、BMW IconicSounds Electricかを選択可能に
BMWグループのリサーチ&イノベーションセンターの北部に位置する新機関の音響テストベンチは、エレクトロモビリティの要件に合致し、すべての運転状況をリアルにシミュレートできるように特別に設計されているという。ここでは、道路での試乗で開発エンジニアが採録したノイズを再現し、あるいは選択的に排除することが可能だ。独自の静止レベルと交換可能な表面カバーを備えたローラーダイナモメーターにより、世界中の日常の交通にまつわる全路面の運転音響とタイヤノイズの測定・検証が可能だという。

BMW i7は、ラグジュアリーセグメントの高水準を再定義することを目指しており、それは音響の快適性においても変わらない。電気モーターの無音電力供給が非常に重要となったが、ここで必要なのは、電気駆動ユニットの音響最適化、各モデルに特化したマウント、および電気モーター用の新たな防音技術、などである。まとめると、これらの測定がBMW i7における広周波数範囲での効果的な音響切り離しを実現し、それによってあらゆる運転状況での音響的快適性を最大限に高めることとなる。結果として、完全電動化された高級セダンのドライバーは、完全な静粛性と、BMW IconicSounds Electricのパワフルなサウンドの、いずれかを選び楽しむことができるのだという。同様に、フロントエンドのボディ剛性を高めたこと、内部にフォームアブソーバーを備えたタイヤで遮音性を統合したことも、新しい高級セダンの音響と振動の快適性を卓越したレベルに引き上げている。

気候テストベンチと風洞での音響テスト
極端な気候条件下での対策をテストするために、FIZ の開発エンジニアは、特別に設計された音響気候テストベンチを使用している。ここではグローバルな全条件がシミュレートでき、例えば非常な低温または極端な高温での空調・換気システムの音響のような、様々な騒音源を分析・最適化可能だという。
モーターやタイヤの転動音と同じように、環境音も選択的に減らすことが可能だ。この目的のために、BMW i7の空力音響は音響風洞によって完成されたという。クリアカットのボディ表面、一体型のドアハンドル、空力的に最適なドアミラー、ほぼ完全に覆われたアンダーボディは、高級セダンの空気抵抗を低めるだけでなく、優れた音響効果の創出にも役立っているとのことだ。

最適な遮音のための革新的な素材
車両自体から発生する騒音や振動に加えて、運転中の快適さを損なうのは、主に外部からの騒音だ。FIZ北部の新しい音響シミュレーターでは、日常の交通で発生する騒音(建設現場の騒音やトラックの通過音など)を実験室の条件下でシミュレートできる。多数のスピーカーを使用してこれらの音をあらゆる方向から試験車両に投影し、内部の遮音効果をテストするという。
さらに、音響軽量構造と組み合わせて開発された革新的な素材を使用することによって、非常に効果的かつ、最適な重量での最適化がなされた遮音が可能になったとのこと。外部および固有のノイズに対して優秀なシールドを実現する方法のひとつは、ピラートリム、シート、ルーフライナー、およびリアシェルフに吸音材を組み込むことだ。不快な音が窓ガラスから入るのを防ぐ快適なグレージングと相まって、これらが顧客体験を完璧なものとするという。ドア内側やサイドシル、ホイールアーチトリムには繊維状の素材も組み込まれ、ローリングノイズを低減し、快適さを最大限に高めているとのことだ。

電磁両立性の徹底的なテスト
開発およびテスト・エンジニアは、詳細な分析と正確な最適化により、新しい高級セダンがBMW史上最高の快適性を提供できるように努めているが、これは、電磁両立性(EMC)の分析についても同様だ。FIZのいわゆるEMCアブソーバホールでは、新しい高級セダンの試作車が強力な低周波磁界にさらされ、その干渉による電気システムの影響をテストし、環境との相互作用を確認されている。テストエンジニアは、光ファイバーケーブルを介して車両から送信された診断結果をリアルタイムで分析。EMCアブソーバホールのテストプログラムは、車両全体の包括的な保護を可能にし、サスペンション・コントロールおよび補助システムの信頼性の高い機能と、オンラインデータ、電話、ラジオ、テレビ、およびナビゲーション信号の干渉のない受信とを保証するのだという。

CARSMEET web編集部

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