ホイールカタログ2022春

【ホイールカタログ 2022春】バレルリムの採用で大径ブレーキと迫力のデザイン性を両立! アドバン・レーシング「GTビヨンド」は機能美のカタマリだった

スポーツホイールの理想像を追求してやまないアドバン・レーシングの、その象徴的存在がGTだ。特に最新作となるGT BEYOND(ビヨンド)。高性能ホイールを貫くために迫力のディープリム&コンケーブを実現した。

迫力のディープリム&コンケーブにアドバン・レーシングの高性能が宿る

足まわりはKW製V4を使った足まわりにF:9.5×19インチ、R:10.5J×20インチを投入。タイヤはF:285/35R19、R:285/30R20のアドバンスポーツV107を組み合わせた。

今や日本を代表するBMWチューナーであるスタディのデモカーにして、同社の会長を務める鈴木”BOB”康昭氏の愛車でもあるG82型BMW M4は、今やすっかり仕上がっている。内外装のモディファイにパワートレインの強化もさることながら、KW製V4(バージョン4)を使ってセッティングを詰めた足まわりに、フロント19インチ、リア20インチという純正と同じ前後異型サイズのタイヤ設定が織りなすファイティングポーズが実に勇ましい。

その決め手となるのが、投入したホイールだった。アドバン・レーシングの最新作にして、ハイパフォーマンスカーを狙い撃ちしたGTビヨンドである。特にBMWやポルシェ界隈ではスポーツホイールの定番となったアドバン・レーシングGTがまず訴えかけてくるのは、いかにもスポーティな装いを持つ骨太の5本スポークだということ。それは確かにひと目見たら忘れないほどの存在感を持つ。しかし、その造形美を決定づけるのは単に5本だからという数の問題ではない。コンケーブとディープリムとを追い求めて、車種ごとにマッチングさせていった姿にこそアドバン・レーシングの本質があるといえる。

スポーク側面のリム側と股部分にはえぐったようなサイドカットを施して軽量性能を追い求めた。スポークには3D加工機によってブランドロゴが入る。センターパートは真円状に窪ませたスポーツホイールらしいもの。メーカー純正センターキャップも投入できる。

特にGTビヨンドは、日増しに大径化するブレーキシステムとの共存を図るため、バレルリム(樽型リム)を採用したモデルだ。タイヤを組み込む際に用いるドロップ部分から、リムの裏側へ向かって膨らませていく形状である。これによりすべてのサイズでリム深さが同じになり、GTプレミアムバージョンのようにリム深さの変化で魅せるのではなく、リム幅とインセット、装着車種により5種類のコンケーブを用意することで迫力のデザインを実現している。G82型M4に設定したのは、フロント9.5J×19インチ、リア10.5J×20インチで、特にリアはもっともコンケーブが深いC5だ。フロントにしてもC5に次ぐC4のフェイスを持ち込んだ。M4(M3)コンペティションの純正ホイールと比較すると、わずかにインセットをツライチ方向にしただけ。なのにここまでのディープリム&コンケーブを実現したことに驚く。キャリパーとのクリアランスも充分で、より大きなブレーキを組み込むこともできそうだ。

もちろん、得られるのはヴィジュアル性だけではない。アドバン・レーシングは動的性能を高める高性能スポーツホイールであることを絶対としてきた。A6061アルミ合金を使った金型鍛造製法の強みを活かし、強度や剛性を煮詰め、その上で極限まで軽量化を突き詰める。この大胆なディープリム&コンケーブは、必要から生まれた機能美だと捉えられる。

それはステアリングを握れば確実に伝わる。圧倒的な剛性感を訴えかけながらも軽やかで、路面を鷲掴みにするような接地感やグリップ感を伝えてくる。高性能ブレーキやタイヤとのマッチングの良さを含めて、アドバン・レーシングGTビヨンドは、高性能な”機能部品”であると括りたい。

◎サイズ/価格
19inch×9.5J/107,250円~112,750円(税込)
20inch×10.5J/120,450円~125,950円(税込)
◎カラー:マシニング&レーシングハイパーブラック、レーシングチタニウムブラック、レーシングコッパーブロンズ
◎対応車種:BMW M4クーペ等
問い合わせ先=YFC=http://www.yokohamawheel.jp/

フォト=宮越孝政 T.Miyakoshi/ル・ボラン2022年6月号より転載

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