「やられた!」このライトエース・バン を見て、思わずそう呟いてしまった方も多いことだろう。ライトエースといえば、1970年にパブリカをベースとしたミニエースの上位機種とした初代がトラックボディで誕生。翌年にはバンとワゴンが発売され、以来2代目のM20、3代目のM30/40、4代目のR20・30と進化し、現在は6代目が販売されている。写真のライトエースは5代目のR40・50系と呼ばれるモデル。いかにも商用車然とした白ボディにチープな黒バンパー。ところが足元にはディープなテッチンホイールを履き、車高は見事なまでにスラムド・スタンスを決めている。普通にセダンやスポーツカーが車高を落としていたとしても、それはカッコいいのが前提で “意外性”は無い。しかし、このライトエース・バンは言うなれば “意外性のカタマリ”だ。
意外にもライトエース・ノアがベース
多くの方にとっては、この作品がアオシマのライトエース・ノアの 乗用仕様をベースにしているところまでは推測がつくはず。しかし、実際に「バン化」をするとなると、単純にバンパーを黒に塗っただけでは済まされない。ヘッドライトの改修にはじまり、もっとも面倒なのはウィンドウ・グラフィックスの修正だ。乗用グレードの多くはボディパネルとフラッシュサーフィスの貼りガラスを使用しているのに対して、商用グレードはコストダウンのために、普通にゴム枠のウェザーストリップに囲まれた嵌めこみ式になっているのだが、これを再現するのが実はかなり面倒なのである。そんな課題をひとつひとつクリアしてはじめて、このロワードぶりが活きて、“意外性のカタマリ”な作品に仕上がったのだ。ホイールはオレンジウィールズのMスティール。そして、一番のアクセントになっているのが、後席が取り除かれた荷室に鎮座する、アオシマの1/24完成品バイクのカワサキZ2。このバイクの存在によって、リアリティがグンとアップしている。