「毎日1テーマずつ読めば、1か月後に所さんみたいな思考になれる！」
「所ジョージの世田谷ベース」の最新号は記念すべき50号目。雑誌『Daytona』で6年以上連載を続けてきた「トコロ辞典」の膨大なアーカイブを再編集し、一冊にまとめた完全保存版です。ひとつのテーマは約5分で読みきれるので、毎日1テーマずつ読み進んでいけば、おおよそ1か月で完全読破。翌月には、所さんみたいな思考回路に近づいてしまい、楽しくてしょうがない毎日がやってきてしまうというコンセプトで制作、ここではその一部をチラ見してみましょう。
おんきせ‐がまし・い【恩着せがましい】
いかにも恩に着せるように厚かましい。「―・い態度」 ［派生］おんきせがましさ。大辞泉参照
トコロ辞典的「恩着せがましい」の解釈
プレゼントに自分を乗っけて、相手の暮らしに入り込んでいく様。自分本位で、相手との心のやり取りを生まないやりとり。恩着せがましくならないためには、人に何かプレゼントした後に、「大事に使ってね」と付け加えたり、その後「あのプレゼントどうでしたか？」とか感想を聞かないこと。
■所さん座布団に埋まる
所：2020 年の春先にさ、世田谷ベースの座布団を200枚くらい作ったんだよ、番組に来てくれたタレントさんとかスタッフにあげようと思ってさ。
編集部：座布団ですか？
所：そ、夏用の涼しい感じで、けっこう大きめの座布団。収録のときに、はい！ これあげる！ ってやると、え？ 座布団？ って感じで、みんな驚いて面白いかな〜と思って(笑) そしたら、コロナですよ！ 収録は全部中止じゃん。座布団をあげるタイミング無くなっちゃって……。あのさ、座布団200枚って、ものすごい量なのよ。もう事務所中が座布団だらけになっちゃうという(笑)
こりゃイカン！ と思って知り合いに送ることにしたんだけど、ワタシだけだと思いますよ、笑点メンバーのお師匠さん達に座布団を送りつけるのは(笑)
編集部：そんなことを(笑)
所：笑点メンバーっていったら、もう数十年に渡って、座布団欲しい〜！ 座布団欲しい〜！ って言い続けてる人達じゃん。そこに座布団を送ったらどうなるかというと、やっぱりお師匠さん達はちゃんとしてますよね、お礼状が来ましたよ！「座布団1枚ありがとうございます」って(笑)
そしたらさ、林家正蔵さんがその噂を聞きつけて「僕もトコロさんの座布団欲しいなあ〜」なんて、言ってるらしいんだけど……。あげない(笑) ま、こんな感じで、ワタシは知り合いにちょっとしたプレゼントをするのが好きなんだけど、もちろんまったく何の見返りも求めていないのよ。受け取った人が面白がってくれるかな？ 喜んでくれるかな？ ってイメージする、自分の遊びの一つなんだよね。だから、プレゼントした人に「どうでしたか？」なんて、絶対聞かない。
編集部：プレゼントどうだった？ なんて、普通は聞いちゃいますけどね……。
【写真7枚】『所ジョージの世田谷ベース vol.50』をチラ見！
■暮らしに入り込まない程度に
所：プレゼントあげておいて、「開けてみてよ！」とか、「大事に使ってくださいね」とか言う人いるでしょ。そういうのを、恩着せがましいって言うの。大事に使ってくれ、なんて言ったらそのプレゼントに自分を乗っけちゃってるじゃん。相手の暮らしに入り込んじゃって気を遣わせることになる。ちょっとしたプレゼントって、心と心のやりとりなのよ。軽すぎず、重すぎずっていう、素敵な感じにしなくちゃいけない、だから昔から、何かをプレゼントするときは、相手の負担にならないように「つまらないものですが」って言うんだよ。
編集部：たしかに！ そう言いますよね！
所：あとね、ちょっとしたプレゼントや、お中元お歳暮とか、お世話になったお礼の贈り物とか、本当は自分で持って行くものなんだよ。そう言っておいて、ワタシは宅配便で送ったりしていますが、「失礼だな」と思う気持ちなのだョ。本来であれば、相手の時間をもらった上で、「つまらないものですが」って行くと、「わざわざありがとう！」って、心のやり取りが生まれる。それが一番重要なことでね。だからといって、相手の家の近所で買ったケーキとか持って行ったんじゃダメですよ。ほんとうに「つまらないもの」になっちゃうから(笑)
それと、最近主流になってるカタログギフトっていう、好きなの選んでくださいよ！ のやつ。どうです、アナタに選択肢をあげましたよ！ っていう態度が見えちゃってさ。まぁ、贈らないよりもいいんですけどね。
編集部：たしかに、自分で選びました感がゼロですよね。
所：前も言ったことあるけど、みんながやってるから、その列に並ぼうっていう考えじゃ、幸せな時間はやってこない。ガイドブックに載ってる観光地に行って、スムーズに事が運んで、お家につく。そうじゃなくて、その観光地の先を探って、川沿いなんかで誰も居なくて安全な遊ぶ場所を見つけるんだよ。遊べるよう整備されてないから、自分で川岸に穴掘って子供用のプール作ったりするの。これが意外に大変で、出来上がる頃には帰る時間になったりして……。
でも、それでいいの！ 子供は、夏休みにお父さんは川で穴を掘っていた、っていう楽しい思い出ができる。お父さん的には土木の記憶しか残らないけど、そのほうが濃い思い出になるから。だから、プレゼントも恩着せがましくならない程度に、自分で選んで贈るのが正解。すると心のやり取りが出来て、楽しくなるんだよ。
編集部：難しいですね……。
■心に残る素敵なプレゼント
所：以前、植木等さんのお宅に伺ったことがあってね、ワタシを居間に招いてくれた植木さんが、何気なく娘さんに「庭の盆栽を家に入れなさい」って言ったんだよ。それが、梅の花が咲いている盆栽でさ、素晴らしく綺麗だし、ふわっと梅の花の香りが漂うようで……。素敵なプレゼントを植木さんにいただいたな〜って、今でも思い出すよ。
たしかに恩着せがましくないプレゼントって難しいけれど、心のやり取りができたなって思えたら、幸せだよね。だから、家族でも仲良しでもいいから、記念日とかクリスマスとか、タイミングを気にせず、ちょこちょこプレゼントをあげて、腕を磨くようにして下さい(笑)
所さん的「恩着せがましい」の続きは「所ジョージの世田谷ベース vol.50」をご覧ください！
所ジョージの世田谷ベース vol.50
定価：1,020円
本誌購入は以下より
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・掲載テーマ
あいそ【愛想】
あつ‐くるし・い【暑苦しい】
いそがし・い 【忙しい】
おとしあな【落とし穴】
おも‐しろ・い【面白い】
おもい‐つ・く【思い付く】
おんきせ‐がまし・い【恩着せがましい】
かた‐づ・ける【片付ける】
かんが・える【考える・勘える】
き‐しょう‐てん‐けつ【起承転結】
クリエーティブ【creative】
クレーム【claim】
けっ‐こん【結婚】
けん‐ぜん【健全】
こ‐せい【個性】
ころばぬさきのつえ【転ばぬ先の杖】
し‐あわせ【幸せ・仕合（わ）せ】
じっ‐しつ【実質】
しっ‐ぱい【失敗】
じょう‐ほう【情報】
そうぞう‐りょく【想像力】
ちゃく‐ち‐ てん【着地点】
て‐ま【手間】
てい‐ へん 【底辺】
てん‐ごく【天国】
ととの・う【整う】
のり‐しろ【糊代】
ヒーロー【hero】
ひにちじょう（せい）【非日常（性）】
ひょう‐げん【表現】
べん‐り【便利】
まと‐はずれ【的外れ】
まん‐ぞく【満足】
め‐くじら【目くじら】
メリット【merit】
やくにたつ【役に立つ】
やり‐なお‐す【やり直す】
よ‐ゆう【余裕】
ルール【rule】
わ・る【割る】
