昨年、初の量産型ハイブリッドモデルであるレヴエルトをリリースしたアウトモビリ・ランボルギーニが、今後の電動化戦略について詳細な発表を行なった。
彼らの電動化戦略である「ディレッツィオーネ・コル・タウリ」が明らかにされたのは2021年のこと。このとき、同社CEO兼会長に復帰したばかりのステファン・ヴィンケルマン氏は「2024年までに全モデルをプラグインハイブリッド化する」と宣言して話題を呼んだ。なにしろ、ここまで明確に、そして全面的に将来の電動化について明言したスーパースポーツカーブランドは、ランボルギーニが初めてだったからだ。
ランボルギーニがこの方針に従って2023年にレヴエルトを発表したことは前述のとおり。そこで、世間の関心は「既存のウルスとウラカンが電動化されるのはいつか?」という点に移っていったのだが、先ごろ行なわれたリモート形式のインタビューで、ヴィンケルマン氏は「今年、ウルスのハイブリッド版を既存モデルと置き換えるカタチでリリースし、年末までにはハイブリッドとなるウラカンの後継モデルを発表します」と語ったのである。
2024年に2モデルが立て続けにハイブリッド化されるのも興味深いが、それ以上に注目されるのがウラカンに関するコメント。額面どおりに受け取れば、ウルスがビッグマイナーチェンジでハイブリッド化されるのに対して、ウラカンのほうは「フルモデルチェンジを受けたうえでハイブリッドを搭載する」と解釈できるからだ。その場合、当然、モデル名も変わってくるだろう。
なぜ、彼らがここまで踏み込んだ発表ができるかといえば、その背景にはレヴエルトの成功があると考えられる。レヴエルトは、すでに予約だけで2026年までの生産分が埋まっており、市場によっては2027年分の予約を受け付けている模様。初のハイブリッドモデルがこれだけ成功したことが、続く2モデルの電動化を後押ししたことは間違いない。
さらに2028年には初のBEVとなるランザドールを、そして2029年にはウルスの後継モデルがBEVとして登場することも判明。2030年には1台あたりのCO2排出量をサプライチェーンや輸送・販売も含め、対2021年比で40%削減することを目指しているランボルギーニの今後に注目したい。