
パスカル・ウェーレインは、経験豊富なファクトリーチームメイトとドライビングを分担し、ル・マンにデビュー!
ポルシェのファクトリードライバーであるパスカル・ウェーレインが、2025年6月14日(土),15日(日)に開催される「ル・マン24時間レース」でデビューする。ドイツ出身のフォーミュラE世界チャンピオンは、「ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ」のドライバーラインアップを完成させる。
パスカル・ウェーレインは、テストセッションや「デイトナ24時間レース」への参加を通じて、すでに「ポルシェ963」に慣れ親しんでいる。1月下旬には、カスタマーチームである「JDCミラー・モータースポーツ」を強化。6月、フォーミュラE世界チャンピオンであり、元DTMチャンピオンの彼は、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのためにハイブリッド・プロトタイプのステアリングを握り、ル・マンデビューを飾る。
彼は経験豊富なファクトリーチームメイトとドライビングを分担する。フェリペ・ナスルとニック・タンディは、IMSAシリーズのフルタイムドライバーとして、デイトナとセブリングの北米2大耐久クラシックを制したばかりである。
「IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ」のタイトルを3度獲得しているナスルは、サルト・サーキットで6度目の参戦となる。2015年にポルシェで総合優勝を飾ったタンディは、過去12回のル・マン参戦で豊富な経験を積んでいる。
「ポルシェのドライバーはトップクラスで、層が厚い。フォーミュラEのファクトリーチームに所属する強力な人材を、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツがル・マンに参戦する3台目に活用することは、理にかなっています」と、ポルシェ・モータースポーツのトーマス・ラウデンバッハ副社長は説明する。
「パスカル・ウェーレインは、テストでのパフォーマンスとデイトナ24時間レースへの参戦で、私たちを十分に納得させてくれました。フォーミュラEのワールドチャンピオンである彼は、ポルシェ963のステアリングを握ってル・マンにデビューすることになったのです。アントニオ・フェリックス・ダ・コスタは、フランスで7回目の出走となりますが、今回も間違いなく最速のLMP2ドライバーの一人となるでしょう」
【写真20枚】クラス優勝が目標、とチームメイトのダ・コスタは語る
「ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツからル・マンに参戦することは、私にとって夢のようなことです。フォーミュラEとは異なり、ポルシェ963ではシートポジション、セットアップ、戦略など、通常なら自分専用に調整するものをすべて共有しなければならないからです」と、パスカル・ウェーレインはル・マン24時間レースでのデビューを楽しみにしている。
「もちろん、フォーミュラE世界選手権の勝利に加えて、ほかのシリーズでも主要なタイトルを獲得したいと思っていますが、私の第一の目標は、チームのために力強い仕事をし、可能な限り多くのことを学ぶことです。ポルシェにはモータースポーツを象徴する伝統がありますから」
ウェーレインはまず6月の「サーキット・デ・24時間 (サルト・サーキット)」で独特の要求に慣れる必要があるが、フォーミュラEのチームメイトであるアントニオ・フェリックス・ダ・コスタは伝説的な耐久レースを知らないわけではない。このポルトガル人ドライバーは7度目のル・マン参戦を予定している。
2022年にはオレカ・ギブソンのステアリングを握り、LMP2クラスで優勝。その翌年には、カスタマーのポルシェ963で24時間レースに挑んだ。「1年ぶりにル・マンに戻ってくることができて、とてもうれしい」と、33歳のドライバーはコメントしている。「前回のLMP2参戦ではクラス優勝を果たしました。今年もそれが目標です。6月にチームメイトと一緒にアタックするのが待ちきれません」
フォーミュラEにおけるポルシェ
2024/2025年シーズン、ポルシェは6度目のフォーミュラEキャンペーンに参戦する。ファクトリーチームであるタグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームと並んで、米国を拠点とするカスタマーチームである「アンドレッティ・フォーミュラE」は、最新のGEN3 Evo世代の高効率「ポルシェ 99Xエレクトリック」で参戦する。
今回初めて、ポルシェの2番目のカスタマーチームであるキュプラ・キーロも参加し、99Xエレクトリックに搭載された前世代のGEN3テクノロジーを活用。ポルシェは、フォーミュラEへの取り組みを通じて、市販スポーツカーにとって貴重な知見を得続けている。