国内試乗

ルノー・アルカナで行く!「癒しの湯けむり温泉旅!」

「ルノー・アルカナを使ってやりたいことをやってみませんか?」というなんとも素敵なお誘いをいただいた。「なんだか最近疲れがとれない」編集部キョーヤは、公私ともにお世話になっているライターの竹井アキラさんを誘って癒しの温泉旅を計画。彼女は日々、仕事、家事、子育てに奮闘している頑張り屋さん。そんな世の疲れているみなさまも、たまにはこんな”やりたいことやる癒し旅”もいいのではないだろうか?

クーペライクなボディがカジュアルでお洒落!

朝6時、ダース・ベイダーの吐息みたいなコーッという車両接近警報音と共に、うちにアルカナエスプリアルピーヌE-TECH フルハイブリッドがやってきた。早朝という時間帯を気遣って、ノリコさんはEVモードを選んで運転してきてくれたらしい。

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ノリコさんというのはルボラン編集部の京谷女史のことだ。私たちは「ノリコさん」「アキラさん」とファーストネームで呼び合う親しさの、それでいて会話はタメ口と敬語が入り混じる、およそ四半世紀に渡る仕事仲間。年齢が近く、お互い男性が多い仕事場で働いてきたということもあってほのかなシスターフッドもあったりする。
ひと月ほど前、末っ子が高校受験を終えたと同時に、愛鳥が10年の天寿を全うしてペットロス。そんな空の巣症候群気味の私を心配してか、面倒見のいいノリコさんが「湯けむり温泉旅で癒されよう!やりたいことなんでもやってみようよ。アキラさん何したい? 私は陶芸やりたいな」と軽井沢への1泊旅行に誘ってくれた。
朝日になだらかなルーフラインを光らせた白いアルカナは、クーペライクなボディに19インチの大きなホイールが印象的だ。仕立てのいい艶やかなドレスシャツにジーンズとゴツっとしたブーツを合わせたような、カジュアルでさりげなくおしゃれないで立ちのクルマで旅に出られるなんて、うきうきせずにいられない。

SUVの機能美とクーペのエレガントさが融合する都会的なフォルムが特徴のルノー・アルカナ。今回の旅を共にする相棒は、スポーツカーブランド「アルピーヌ」のエッセンスを取り入れた、「エスプリアルピーヌ E-TECHフルハイブリッド」だ。

たった1泊なのに、雪が降ったり夏日になったりを繰り返す春のこの時期の旅は服装が難しく、ああでもないこうでもないと荷物が増えた。どうやらノリコさんも同じだったようで、リアハッチを開けるとスーツケースと複数のバッグやコートが荷室を占拠している。
「ごめんごめん、荷物入んないよね?」と慌てて運転席から出てきたノリコさんは、自分の荷物を一旦下ろすと床面のラゲッジボードを1段下げてくれた。「いやちょっと片付ければ全然入るんだけどさ」などと言いながら積み込むと、天地を拡大された荷室には2泊3日用のスーツケースが立てて入れられた。しかし今度は「スカスカで走行中にバタンとなってもいやだねえ」と、結局2人のスーツケースを寝かせて並べることにした。スマートなスタイリングからは驚くほど余裕のある荷室に、「帰りはたっぷりお土産買えるね」と二人でほくそ笑みながらリアゲートを閉めた。

ロングホイールベースによって実現した奥行きのある荷室空間。後席を立てた状態でゴルフバッグを2つ、後席の2人掛け部分を倒して3人乗車の状態で3つ積載可能となる。E-TECHフルハイブリッドは480L、マイルドハイブリッドは513Lの容量を確保する。

運転席のドアを開けると、シートにはアルピーヌのAのロゴが青く刺繍され、ドアパネルとステアリングホイールにはトリコロールのステッチが効いていてハートを撃ち抜かれた。スウェード風のヴィーガンレザーシートはゆったり目のスポーティな形状で、心地よく体を支えてくれる。さっそく9.3インチの大きく縦長のタッチスクリーンを操作してApple CarPlayで目的地をセットして出発だ。
早朝の住宅地をモーターだけでするすると抜けて、首都高に乗ったらいつの間にかエンジンが目覚めていた。モーターとエンジンはモータースポーツ由来のドッグクラッチで繋いでいるというからガツンと来るのではと身構えたものの、切り替わりはなめらかで気づけないほど。足は硬めながら段差での突き上げを丸くいなし、すっきりしたハンドリングは正確だ。低速から途切れることなく力強くて、息つくことなくレスポンスがいい上に見晴らしもいいから、街中で扱いやすい絶妙なボディサイズにも増してコンパクトに感じる。
すいすいの首都高ではマニュアルシフトモードがないことにちょっとがっかりしたけれど(アルピーヌってグレード名だからなおさら!)、ドライブモードで出力特性を「Sport」にすればアクセルオフでの減速ができることがわかった。そのエンブレ的減速時には、回生ブレーキでしっかり発電されているのがデジタルクラスターに表示される。元気に楽しく走っているだけで、EV走行で半分以下になっていたバッテリーはみるみる満タンになった。お得だ。
用意される3つのドライブモードは、それぞれ出力特性、ステアリングフィール、エアコン、アンビエントライトがパーソナライズできるようになっている。中でもステアリングフィールが選べるのはおもしろい。「Comfort」は細いタイヤに履き替えたようなハンドリングが楽しめ、田舎道を中高速でひらひらと流せば自然と顔がほころぶいい気分。「Sport」を選べばタイヤが太くなったかのように接地感が増し、高速でも安心してもうひと踏み元気に走れる。スピードが苦手でスポーツモードなんて無縁!という人にこそ「Sport」を、そしてちょっと古いイタフラ好きには「Comfort」をぜひ試してもらいたいと思う。
外環道では事故渋滞につかまったが、ストップ&ゴー機能付きACCを作動させておしゃべりに興じていたらいつの間にか解消していた。

レザーフリーとなりTEPレザーが使用されたインテリアは、スポーツシックなデザインで統一。9.3インチへと大きくなったマルチメディアEASY LINKのタッチスクリーンは、多くの情報をわかりやすくドライバーへ伝達。360°カメラには、新たにサイドビュー機能が加わったのもトピック。フロントシートには、アルピーヌロゴとブルーステッチがあしらわれ、ステアリングホイールとドアパネルにはトリコロールのステッチが施されている。

癒し旅の目的地「軽井沢」に到着

軽井沢に着いて、まずはノリコさんがやりたい陶芸体験をしに「陶房 風遊舎」に向かった。くねくねと山を登っていく道は所々舗装が荒れていたけれど、さすがはパリの石畳で鍛えられたアルカナの足は跳ねることなくワシワシと路面を踏みしだいていく。到着した浅間山を望む高台には、煙突の生えたかわいらしい手作りの家が建ち、傍らには薪がたっぷり積まれ、その反対側には陶芸窯がしつらえられた小屋が並ぶ。
陶芸作家の伊藤先生に教えていただきながら、土をこねる。ノリコさんはパスタ皿を作ると言っていたのに、カメラマン氏が「帰宅時に鍵やコインを入れるトレイを…」と言うと、「それいいね!」とあっさりアクセサリートレイに変更した。私は花瓶を作ろうとしたのだが、下から上に粘土を伸ばしながら同時にすぼめていくというのが難しい。逆にどんどん口が広がっていき、途中からただ土をいじっているだけで満足し、もはやどう着地させたらいいのかわからなくなった。
先生は「花器というのは水が張れればいいのだから、なにも売っているような形にしなくてもいい。思うように作ったらいい」と言うけれど、土は思うように形を保ってくれず、触るほどにへなへなと地面に帰ろうとする。結局土に任せてなるようになったものを作品と呼ぶことにして、先生に預けた。
乾燥させて素焼きし、釉薬をかけて本焼きして、数か月後に完成品を送ってくれるという。私の部屋に花を活けたら、ノリコさんをお招きしよう。

最初のやりたいことは”陶芸”。陶房「風遊舎」さんの伊藤先生に手ほどきいただきながら、土をこねまくる(笑)。雄大な浅間山を正面から望む高原の町で、陶磁器を制作。希望者を対象に陶芸教室を実施しているので体験したい方はお問い合わせを。陶房 風遊舎 ℡0267-32-3576 https://www.studio-fusha.com

山を下っておいしい蕎麦で腹ごしらえしてから、「軽井沢アイスパーク」へと走った。ここでカーリングができると知って、ぜひともやってみたかったのである。
しかし私たちはカーリングについて何も知らなかった。そしてカーリングというスポーツをなめていた。氷上のチェスとも呼ばれるカーリングだが、まず練習するのは氷の上での安全な転び方である。
氷は硬く、そして滑る。しかも片方だけとてつもなく滑り、もう一方は滑らないカーリングシューズを履いているから、産まれたての小鹿なんてかわいいものではなく、ひどく不格好に関節と筋肉が想定外の方向に伸ばされて、おかしな声が出た。
インストラクターの関先生が冗談を交えながらやさしく丁寧に指導してくれたおかげで、安全に基本レクチャーからミニゲームまで体験することができた。ミニゲームは、習ったばかりの正しいフォームでストーンを滑らせたい私と、フォーム度外視で貪欲にハウスと呼ばれる円形の的を狙うノリコとのタイマン勝負。結果ノリコに負けた。リベンジを誓ったのは言うまでもない。

軽井沢ならではの体験といえば、この「カーリング」。ここ軽井沢アイスパークは、国際大会も開かれる日本最大級の通年型「カーリングホール」で初心者向け体験教室があり、未経験でも楽しめる。絶対にハマります(笑)。軽井沢アイスパーク ℡0267-48-5555 https://www.kazakoshi-park.jp/

カーリング体験の第一歩は、まずは転び方の練習から。フォームがさまになっている竹井リポーター。最後はミニゲームも体験させていただきました!

陶芸もカーリングもまったく思い通りにはできなかったが、初めての体験というのは清々しいものだ。意気揚々と暮れ始めた山中でアクセルを開け、アルカナはそれに応えて曲がりくねった山道を駆けた。アンビエントライトが、はしゃぎがちな二人をなだめるように上品に灯っている。

お疲れの皆さま、たまにはこんな旅もいかがですか?

湯けむり旅のメインである、閑静な自然に佇む一軒宿「小瀬温泉ホテル」に到着。ここは源泉から直接かけ流しの天然温泉で、早速温泉にどぼん!親しい間柄ながら、裸の付き合いはこれまた初めての体験だ。とはいえお互い散々恥をかき捨ててきた50代同士、湯けむりの中を堂々と歩いてのびのびと熱い湯に体を解放し、フウともクウともつかぬ声を上げる。恥じらっている場合ではない、明日以降の筋肉痛を阻止すべく温泉の効用を全身に行き渡らせるのだ。

「癒しの湯けむり温泉旅」の目的地でもある、小瀬温泉ホテルに到着。閑静な自然に佇む一軒宿で、聞こえるのは小川のせせらぎと木々の優しい音。自家源泉で豊富な湯量の天然温泉が楽しめ、大浴場のほか貸し切り露天風呂も2か所用意。小瀬温泉ホテル ℡0267-42-3000 https://koseonsen.com/

一夜明け、朝食を済ませて宿を出ると、沢の清水に濡れた駐車場でアルカナが静かに待っていた。こんな時、見目麗しいスタイリングがしみじみと喜ばしい。
そして向かったのは、北欧ヴィンテージ家具の専門店「haluta karuizawa」だ。展示されたつくりのいい家具は丁寧に手入れされ、多くは1950~70年代のものだというのが信じられないほど状態がいい。19歳で長女を産んで以来ずっと子育て期が続いてきたので、こういう大人っぽい空間に飢えている。DINKSのノリコさんもカメラマン氏もパートナーとおしゃれな生活を実践しているようだが、遅ればせながら私もそろそろ大人生活にデビューしたい。
実際に触れるほど、うつくしく、使いやすく、先人の想いを継いだ家具と生活を共にする未来に焦がれる。ものによってはかなり値が張るけれど、大事に使い続ければ世代を超えて引き継げると思えば、むしろお得なんじゃないだろうか。アルカナの荷室にはまだ、サイドテーブルやスツールのひとつくらい載せられる余裕がある。

北欧ヴィンテージ家具の専門店「haluta Karuizawa」。デンマークのものを中心としているそうで、暖か味のある木のぬくもりに癒される。壊れても修理して、汚れたら張り替えて、何十年も使い続けられるというのも素敵です。haluta karuizawa ℡03-6804-3331 https://www.haluta-shop.jp/

 

結局のところ荷室の余白には、信州のご当地スーパーマーケット「ツルヤ」での買い物がギューギューに積み込まれた。カートを押して店内を巡り、ぴかぴかのとれたて野菜(しかも安い!)、ツルヤオリジナルの瓶詰や乾物を次々とカゴに入れる。お互いの家で待つ家族にも、おいしいものを食べさせてあげよう。
ミカド珈琲のモカソフトで一息ついてから帰路につく。9スピーカーのBOSEサウンドシステムでカラオケヒットメドレーを鳴らしつつ、鼻歌交じりで帰京した。高速も山岳路も渋滞もミックスのおよそ500kmを何の配慮もなしに走破してなお燃料は半分以上残っている。デジタルクラスターに表示される燃費は19.4km/L、残りの走行可能距離は490km。お得だ。
たまには欲張りにやってみたいことをやってみようじゃないかという癒しの湯けむり温泉旅は、アルカナのおかげでとってもお得でうれしい旅になった。

E-TECH フルハイブリッドは、F1で培ったノウハウを活用し、ルノーが独自に開発したハイブリッドシステムです。メインモーターであるE-モーターとHSG(ハイボルテージスターター&ジェネレーター)の2つのモーター、1.6L 4気筒自然吸気エンジン、そしてこれらを繋ぐトランスミッションの電子制御ドッグクラッチマルチモードATで構成され、従来のパワートレーンにはないダイレクトかつスムーズなドライブフィールと、低燃費を実現。今回の燃費はおよそ500km走って19.4km/L。まだおよそ500kmくらいは走れそうだ!

【Specification】ルノー・アルカナ・エスプリアルピーヌE-TECH フルハイブリッド
■車両本体価格(税込)=4,990,000円
■全長×全幅×全高=4570×1820×1580mm
■ホイールベース=2720mm
■トレッド=前:1550、後:1560mm
■車両重量=1470kg
■エンジン型式/種類=H4M/直4DOHC16V
■総排気量=1597cc
■エンジン最高出力=94ps(69kW)/5600rpm
■エンジン最大トルク=148Nm(15.1kg-m)/3600rpm
■メインモーター最高出力=49ps(36kW)/1677-6000rpm
■メインモーター最大トルク=205Nm(20.9kg-m)/200-1677rpm
■サブモーター最高出力=20ps(15kW)/2865-10000rpm
■サブモーター最大トルク=50Nm(5.1kg-m)/200-2865rpm
■トランスミッション形式=ドッグクラッチマルチモードAT
■燃料タンク容量=50L(プレミアム)
■燃費(WLTC)=22.8km/L
■サスペンション形式=前:ストラット/コイル、後:トーションビーム/コイル
■ブレーキ=前:Vディスク、後:ディスク
■タイヤ=前後:225/45R19
問い合わせ先=ルノー・ジャポン TEL0120-676-365
ルノー・アルカナのより詳細な情報はコチラから

フォト・動画=篠原晃一

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