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なぜランボルギーニのデザインは電動化でも「最強」なのか?「レッド・ドット賞3冠」が示した、揺るがぬ哲学と未来

ランボルギーニ・レヴエルト
ランボルギーニ・テメラリオ
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ランボルギーニ・テメラリオ
ランボルギーニ・テメラリオ
ランボルギーニ・テメラリオ
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ランボルギーニ・レヴエルト
ランボルギーニ・レヴエルト
ランボルギーニ・レヴエルト
ランボルギーニ・レヴエルト
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ランボルギーニ・ウルスSE
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ランボルギーニ・ウルスSE
ランボルギーニ・ウルスSE
ランボルギーニ・ウルスSE
ランボルギーニ・ウルスSE
ランボルギーニのチーフデザイナー、ミッチャ・ボルカート氏
ランボルギーニのチーフデザイナー、ミッチャ・ボルカート氏
ランボルギーニのチーフデザイナー、ミッチャ・ボルカート氏
ランボルギーニ・レヴエルト

ランボルギーニのハイブリッド全モデルがレッド・ドット・デザイン賞を席巻

自動車業界が100年に一度の大変革期、すなわち電動化への道を突き進む中、スーパースポーツカーの象徴であるランボルギーニが一つの大きな答えを提示した。世界的に権威のある「レッド・ドット・デザイン賞2025」において、同社の現行ハイブリッドモデル3車種すべてが受賞するという快挙を成し遂げたのだ。これは、ランボルギーニが掲げる電動化戦略「ディレッツィオーネ・コル・タウリ」が、デザインの世界においても大成功を収めていることを意味する。

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最高峰の栄誉に輝いたV12ハイブリッド「レヴエルト」

今回のアワードで最大の注目は、フラッグシップモデル「レヴエルト」がプロダクトデザイン部門において最高賞である「ベスト・オブ・ザ・ベスト」を獲得したことだ。レッド・ドットは世界中から応募が殺到する国際的なデザイン賞であり、その中でも「ベスト・オブ・ザ・ベスト」は、ごく一握りの革新的かつ卓越したデザインにのみ与えられる最高の栄誉である。

レヴエルトのデザインは、まさにランボルギーニのDNAそのものだ。伝統のシザードア、剥き出しの縦置きV12エンジン、そして随所に散りばめられたY字のモチーフ。どこから見ても一目でランボルギーニとわかるアイデンティティを維持しながら、プラグインハイブリッドという新たな心臓部を完璧に融合させている。特に、航空宇宙産業からインスピレーションを得たというモノコック構造「モノフューズレージ(monofuselage)」の思想は、デザインと機能性を高次元で両立させるという、現代のスーパーカーに求められる命題への解答と言えるだろう。電動化によって失われるどころか、むしろ先鋭化されたそのデザインが最高賞に選ばれた意味は非常に大きい。

PHEVの「ウルスSE」、そして新型V8ハイブリッド「テメラリオ」も続く

さらに、スーパーSUVの概念を再定義した「ウルスSE」、そしてウラカンの後継となる新型V8ハイブリッド「テメラリオ」も、それぞれプロダクトデザイン部門で受賞。これにより、ランボルギーニの現行ハイブリッド・ラインナップすべてが受賞の栄誉に浴したことになる。

ウルスSEは、PHEV化に伴いエクステリアデザインにも手が加えられた。エアロダイナミクスの向上と冷却性能の最適化という機能的な要求を満たしながら、よりシャープで筋肉質な印象を強めている。ファミリーユースも可能なSUVでありながら、その佇まいは紛れもないスーパースポーツカーのものだ。

そしてテメラリオの受賞は、ランボルギーニのデザイン哲学が次世代のコアモデルへといかに巧みに受け継がれているかを語る上で欠かせないピースだ。V12のレヴエルトだけでなく、ブランドの中核を担うV8モデルにおいても、そのDNAを一切薄めることなく未来的なデザイン言語へと進化させていることを示している。この受賞は、同社のデザイン部門「チェントロ・スティーレ」の創造性が、ラインナップ全体で一貫して発揮されていることの力強い証明と言えるだろう。

デザインこそが電動化時代を勝ち抜く鍵

ランボルギーニにとって、デザインは単なるスタイリングではない。それはブランドの魂そのものであり、顧客が最も強く求める価値だ。だからこそ、電動化への移行における最大の挑戦は、CO2排出量の削減やモーターの出力といったスペック以上に、「電動化されたランボルギーニが、果たして真にランボルギーニであり続けられるのか?」という点にあったはずだ。

今回のトリプル受賞は、その問いに対する明確な「YES」である。チーフデザイナーのミッチャ・ボルカート氏率いるチェントロ・スティーレは、電動化という新たな要素を、制約ではなく新たな表現の武器として昇華させることに成功した。モーターやバッテリーを搭載しながら、より低く、よりシャープなシルエットを実現し、エアロダイナミクスという機能美をデザインに組み込む。その手腕は、まさに圧巻の一言だ。

「ディレッツィオーネ・コル・タウリ」戦略は、2028年までに初のフル電動モデル「ランザドール」の登場を予定している。今回の成功は、その未来への期待を大きく膨らませるものだ。ランボルギーニは、内燃機関の咆哮がモーターの静寂に変わる時代においても、人々の心を揺さぶる「夢のクルマ」を創り続けるだろう。その確信を、今回のレッド・ドット・デザイン賞の3冠は我々に与えてくれた。

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LE VOLANT web編集部

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