






















コンチネンタルGTCには初のオンブレ
ベントレーは2025年10月29日、同ブランドのビスポーク部門であるマリナーが手掛けた、新しい「オンブレ・バイ・マリナー」コレクションが、米国のベントレー・ランチョ・ミラージュ(南カリフォルニアのベントレー独占ディーラー)に納車されたことを発表した。このコレクションは、3つの異なるモデルで構成されており、それぞれが新たな「オンブレ」塗装スキームを特徴としている。
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今回の「オンブレ・バイ・マリナー」コレクションに含まれるのは、コンチネンタルGT、コンチネンタルGTC、フライングスパーの3車種。特に、コンチネンタルGTCへのオンブレ塗装の適用例はこれが初めてとなる。各モデルの塗装の組み合わせは以下の通り。
●コンチネンタルGTC:サンバースト・ゴールドからオレンジ・フレームへ
●フライングスパー:タングステンからオニキスへ
●コンチネンタルGT:トパーズからウィンザー・ブルーへ
このうち、コンチネンタルGTCの「サンバースト・ゴールドからオレンジ・フレーム」、およびフライングスパーの「タングステンからオニキス」は、今回新たに発表された組み合わせのカラーである。
「オンブレ」とは、ある色から別の色へと徐々にブレンドさせる技法を指し、明から暗への滑らかな移行を生み出す。ベントレーによれば、これは同社にとって最も複雑かつ細心の注意を要する塗装プロセスのとのこと。このコレクションは、2024年の「エクスプレッションズ・オブ・テクスチャー」コレクションに続く、マリナーによるランチョ・ミラージュ向けの最新リージョナル・コレクションとなる。
オンブレ塗装によるモデルは2025年前半から生産されており、その最初の1台であるコンチネンタルGT(トパーズからウィンザー・ブルー)は、モントレー・カー・ウィーク期間中の「ザ・クエイル モータースポーツ・ギャザリング」で発表された。
ベントレー・ランチョ・ミラージュのマネージング・ディレクター、ジェイソン・カミサ氏は、「米国最大級のディーラーとして、私たちはお客様がこれまで経験したことのないベントレーの側面をお見せすることを目指しています」と述べ、さらに次のように加えた。
「私たちの野心は、マリナーと協力してこの革新的な塗装プロセスを開拓し、お客様に真に特別で創造的、個性的なものを提供することでした。この技術はベントレーでこれまで試みられたことがなく、その並外れた結果を目の当たりにしたことで、お客様はブランドが提供する無限のビスポーク(特注)のパーソナライゼーションの可能性を探求するようになりました」
内外装にわたる色の調和
今回のコレクションでは、エクステリアの塗装に合わせて、22インチの10本スポーク・スイープド・ホイールもビスポーク塗装で仕上げられており、フロントとリアで異なる色合いが採用されている。
キャビンもエクステリアの塗装スキームを反映し、フロントからリアへかけて色が移行するデザインとなっている。すなわち、各車両のキャビン前半(フロントシート、ステアリングホイール、インパネ)には車両前半の塗装に合わせたビスポークのハイド(本革)が使用され、キャビン後半(シート、ドア)も同様にリアのエクステリア塗装に合わせたレザーを使用。シートのパイピングやステッチにも、塗装色に合わせている。
さらに、センターコンソール、インストルメントパネル、トレッドプレート・キャリアには、サテン・ベルーガ塗装の化粧板(ベニア)が採用された。
各モデルのインスピレーション元は?
各色の組み合わせは、ブレンド部分で第3の色が現れない(例えば、ブルーからイエローに移行させると中間にグリーンが発生する)よう、2つの色調間のシームレスな移行を考慮して慎重にキュレーションされている。また、今回のコレクションの塗装は、いずれも米国現地の自然の風景からインスピレーションを得たものだ。
コンチネンタルGTCスピードの「サンバースト・ゴールドからオレンジ・フレームへ」というカラーは、モニュメント・バレーやペインテッド・デザートの風景に見られる、黄土色や赤色砂岩の豊かな色調を反映している。インテリアは、キャビン前半がサンバースト・ゴールド、後半がオレンジの特注ハイドで、アクセントはタンジェリン。
コンチネンタルGTスピードの「トパーズからウィンザー・ブルーへ」変化するカラーは、モントレー周辺の海岸道路、太平洋の動きやエネルギーからインスピレーションを得たもの。インテリアは、前半がトパーズ・レザー、後半がオーシャン・ブルー、そしてドラゴンフライのアクセント。
フライングスパー・スピードの「タングステンからオニキスへ」では、モチーフとなったのは南カリフォルニアの夜空だという。インテリアは、前半がポーパス、後半がアンスラサイトとなっており、ステッチやパイピングにはストラトスのアクセントカラーが使用されている。
オンブレ塗装の工程について
このオンブレ塗装プロセスは、英国クルーのベントレー・ドリームファクトリーで、2人の高度な技術を持つ専門家によって手作業で施され、完了までに約60時間を要する。色のフェード(変化)は、ドア、シル、ルーフを含む車両の中間セクションで発生する。完璧な対称性を確保するため、塗装は複数段階に分けて慎重に施される。それぞれの色が異なる挙動を示すため、プロセス中の塗装の塗布に技術者がどう対応するかが鍵となるという。
この「オンブレ・バイ・マリナー」塗装仕様は、現在、グローバル・リテーラー・ネットワークを通じて注文が可能となっている。
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