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【詳細続報・写真186枚】新型ルノー・クリオ(ルーテシア)は「会話」する。Google Gemini×1.8L化で実現した“Bセグ超越”の知性と余裕

排気量アップの1.8LE-Tech」搭載。新型ルノー・クリオは走りもデジタルもクラス超越の完成度

ルノーは2025年11月20日、同社の主力Bセグメントハッチバックである新型「クリオ(日本名:ルーテシア)」に関する詳細情報を公開し、その全貌を明らかにした。1990年の初代登場以来、常にクラスの基準を再定義してきたクリオだが、第6世代となる新型は「スーパーパワー」をキーワードに、デザイン、走り、そしてデジタル体験のすべてにおいて進化を遂げている。特に注目すべきは、自動車業界のトレンドを先取りする生成AI「Gemini」の搭載と、ドライバーの意思を汲み取る「スマートモード」の導入、そしてあらゆるニーズに応える全方位的なパワートレイン構成だ。

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会話するクルマへ:Google Geminiがもたらすコックピット革命

新型クリオのインテリアに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのはV字型のスクリーン配置だ。だが、真の革新はその画面の奥にある。新型クリオは、このクラスで初めて「Google ビルトイン」を搭載したopen R Linkマルチメディアシステムを採用し、GoogleマップやGoogle Playへのアクセスを可能にした。

そして、ルノーはさらにその先を見据えている。将来的なアップデートにより、従来のGoogleアシスタントに代わり、Googleの生成AIである「Gemini」が搭載されることが明らかになったのだ。

これは単なる音声認識精度の向上ではなく、Geminiは真に対話可能なAIアシスタントとして機能する。ドライバーはもはや、特定のコマンドや定型句を記憶して発声する必要から解放される。自然な言葉で話しかけ、AIと会話のキャッチボールを楽しみながら、複雑なタスクを依頼することが可能になるのだ。たとえば、会話の途中で割り込んだり、シームレスに言語を切り替えたりしても、Geminiはその意図を正確に理解する。

このシステムは、すでに市場に出ているopen R Link搭載車も含め、OTA(Over-the-Air)アップデートを通じて提供される予定だ。スマートフォンを接続せずとも、車両単体で高度なインフォテインメント体験が完結するこの環境は、クリオがBセグメントの枠を超え、デジタルライフスタイルのハブへと進化したことを象徴している。

「マイセンス」から「スマート」へ:意思を持つドライビングモード

ドライビングのインターフェースにおいても、新型クリオは大きな転換点を迎えた。先代モデルで親しまれた、カスタマイズ可能な走行モード「マイセンス(MySense)」は廃止され、より実用的でインテリジェントな「スマートモード」へと置き換えられたのである。

従来のシステムでは、ドライバーが状況に応じてエコ、コンフォート、スポーツといったモードを手動で切り替える必要があった。しかし、新しいスマートモードは、ドライバーの運転スタイルや走行状況を車両が読み取り、自動的に最適なモードを選択する。例えば、前走車を追い越すためにアクセルを踏み込めば、瞬時にスポーツモードのレスポンスが呼び出され、力強い加速を提供する。その後、村落に入り減速すれば、即座にエコモードへと移行し、燃料消費を抑制する。

このシームレスなモード移行は、ドライバーにスイッチ操作という雑務を意識させることなく、常に最適なパフォーマンスを提供する。ステアリングホイール自体も刷新され、ロック・トゥ・ロックは2.6回転と非常にダイレクトで応答性の高い設定となり、最小回転半径5.2mという取り回しの良さと相まって、都市部での機動性とワインディングでの楽しさを両立している。

全方位の進化:3つの個性が光るパワートレイン・ラインナップ

新型クリオの「スーパーパワー」を支えるのは、効率と性能を極めた3種類のパワートレインだ。エントリーからハイエンドまで、用途に合わせて明確なキャラクター分けがなされている。

ラインナップの頂点に君臨するのが、「E-Tech 160 hp」フルハイブリッドである。先代のシステムを刷新し、エンジン排気量を従来の1.6Lから1.8L(HR18)へと拡大。これによりシステム出力は160psへと向上し、0-100km/h加速は8.3秒と先代比で1秒もの短縮を果たした。組み合わせられるトランスミッションはF1由来のドッグクラッチ式マルチモードギアボックスで、変速モードは15通りに増加。バッテリー容量も1.4kWhへ増強され、市街地では最大80%の時間を電気のみで走行できる。複合燃費3.9L/100km(約25.6km/L)、CO2排出量89g/kmという環境性能と、最大航続距離1,000kmのロングラン性能を両立した、まさにフラッグシップにふさわしいユニットだ。

純ガソリンエンジンモデルとして用意されるのが、「TCe 115」だ。これはオーストラルなどにも採用される1.2L 3気筒ターボエンジンで、エントリーグレードながら115ps/190Nmという十分な出力を発揮する。トランスミッションは6速MTに加え、従来のCVTに代わってダイレクト感のあるEDC(デュアルクラッチ)が選択可能となった。アトキンソンサイクルと直噴技術の採用により、EDC仕様では燃費を従来比で12%改善している。

そして、長距離移動の多いユーザーに向けた切り札が、2026年後半に導入予定の「Eco-G 120 EDC」だ。これはガソリンとLPGのバイフューエル仕様で、1.2L 3気筒エンジンをベースに120ps/200Nmを発揮する。LPGタンク容量を32Lから50Lへと大幅に拡大したことで、航続距離は驚異の1,450kmに達する。ディーゼルに代わる経済的かつエコロジカルな選択肢として、独自の存在感を放つだろう。

上級クラスに肉薄するシャシー性能と快適性

足回りには、定評あるCMF-Bプラットフォームをベースにしつつ、トレッドをフロントで39mm、リアで10mm拡大し、最大18インチの大径ホイールを採用。パワートレインごとの重量差(1,155kg~1,316kg)に応じてサスペンション設定を最適化することで、どのモデルでも一貫したハンドリングと快適性を実現している。さらに、風洞実験による空力改善(CdA値0.30)や、遮音材の追加により、静粛性は上位セグメントに匹敵するレベルにまで高められた。

新型クリオが目指したのは、単なるモデルチェンジではない。それは、かつての名キャッチコピー「Tout d’une grande(大人のクルマの資質をすべて備えている)」の現代における再定義である。全長4.12mへと拡大された堂々たるボディ、1.8Lハイブリッドを筆頭とする盤石のパワートレイン、そしてGeminiという知性を宿した新型クリオ。物理的なスイッチ操作を減らし、AIとセンサーが黒子となってドライバーを支えるそのドライビング体験は、Bセグメントのコンパクトカーという枠組みを超え、新時代のモビリティのあり方を提示することになりそうだ。

【SPECIFICATION】ルノー・クリオ(6代目/日本名:ルーテシア)※欧州仕様

■全長×全幅×全高=4116×1768×1451mm
■ホイールベース=2591mm
■フロントオーバーハング=859mm
■リアオーバーハング=667mm
■最低地上高=142mm
■車両重量=1155kg~
■荷室容量=391L(パワートレインによる)

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※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。

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