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イタリアの至宝が“赤”を捨てた日。近代レース史を動かした伝説の意匠「エルドラド」を纏うマセラティGT2初公開

100周年を祝う特別仕様のリバリー

マセラティは2026年9月9日、イタリアのマジョーレ湖畔で開催された第3回「TUTTO BENEヒルクライム」において、GT2およびGT2ストラダーレ用の新たな特別リバリーを初公開した。このリバリーは、トライデント・エンブレムの誕生および同ブランドのモータースポーツ参戦100周年を記念するものであり、1958年のレーシングカー「エルドラド」からインスピレーションを得たものでもある。

【画像21枚】マセラティが放つ「アイスクリーム」カラーのGT2/GT2ストラダーレとは

68年前の意匠を忠実に再現

会場では、1950年代のオリジナル車両とともに、この“エルドラド・リバリー”を纏ったワンオフ仕様のGT2ストラダーレが展示された。外装には、当時のドライバーであるスターリング・モスが使用したカーナンバー「10」や、エルドラドのロゴ、「カウボーイ・フェイス」、そしてフロントから続くトリコローレなど、オリジナルの意匠が忠実に再現されている。

また、オリジナルのティーポ26バッジを配したブラックのボンネットやカーボン製パーツ、ブラックのセンターロック式ホイールなどを採用し、サーキット技術を市販車へ移植するという同社の哲学を強調する仕上がりとなっている。

さらに同イベントでは、マセラティMC20チェロがモッタローネ山頂へ続く全長9kmのボロメア私道を走行した。この走行はタイムを競うものではなく、「速く走るために減速する」というテーマの下、景観を楽しみながらV6ネットゥーノ・エンジンのサウンドを響かせるデモンストレーションとして行われた。

今回の特別仕様について、マセラティ・フォーリセリエの責任者であるダヴィデ・バルディーニ氏は次のように語っている。
「これらの新しい記念リバリーにより、私たちはマセラティ・フォーリセリエという現代の言語を通じて再解釈し、私たちの歴史の重要な一章にオマージュを捧げます。エルドラドのシングルシーターはモータースポーツにおける金字塔であり、今日、その精神はGT2とGT2ストラダーレの中で生き続け、伝統と革新、サーキットと一般道を融合させています。100年にわたり私たちの創造力を刺激し、国際的な自動車の舞台において私たちを際立たせてきたのは、まさにこのレースに対する情熱なのです」

近代スポンサーシップの先駆けとなったマシン

今回の記念リバリーは、昨年5月にモンツァ・サーキットで発表された「250F」モチーフの仕様に続く、100周年記念プロジェクトの第2弾にあたる。モチーフとなった1958年型マセラティ「エルドラド」(正式にはマセラティ420M/58)は、モータースポーツの歴史において重要な転換点となった車両である。

当時、国際的なレースにおいては各国のナショナルカラー(イタリアは赤)で車体を塗装するのが伝統であったが、「エルドラド」はアイスクリームメーカーであるエルドラド社をスポンサーに迎え、車体をクリーム色に塗装した。これはヨーロッパのシングルシーターとして初めて自動車業界以外のスポンサーカラーを纏った例であり、近代的なスポンサーシップの先駆けとなった。

車両はジュリオ・アルフィエーリの設計によるもので、250F由来のパイプフレーム・シャシーに、排気量4190ccに縮小され最高出力410psを発揮するV8エンジンを搭載していた。車体重量は758kgに抑えられ、ファントゥッツィ製のアルミボディには特徴的な垂直フィンが備わる。

1958年6月にモンツァで開催されたレースでは、スターリング・モスの操縦により総合7位で完走を果たし、翌1959年にはインディアナポリス500にも挑戦している。

【ル・ボラン編集部より】

1958年の「エルドラド」は非自動車企業のカラーを欧州で初採用し、レース界に革新をもたらした。その意匠を最新のGT2ストラダーレに投影した点に、マセラティの矜持が透けて見える。一見すると甘美な「アイスクリーム」カラーだが、中身は新世代V6「ネットゥーノ」を抱く純血のレーサーだ。かつてスターリング・モスが背負った情熱を、上品な装いの下に隠して現代の路上へ解き放つ。優雅さと一線級の刺激を同居させるブランドの美学が、この100周年のオマージュには見事に息づいている。

【画像21枚】マセラティが放つ「アイスクリーム」カラーのGT2/GT2ストラダーレとは

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
Photo: Stellantis
LE VOLANT web編集部

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