ポルシェ、「911」「ボクスター」「ケイマン」向け最新後付けインフォテインメントシステムを発表
ポルシェは2026年9月29日、同社の「911」「ボクスター」「ケイマン」の旧型モデルに向けた最新の後付けインフォテインメントシステム「ポルシェ クラシック コミュニケーション マネジメント プラス(PCCM Plus)」の新世代モデルを発表した。対象となるのは2009年から2016年モデルの30万台以上の車両であり、往年の名車に最新のナビゲーションやデジタル体験をもたらすアップデートである。
【画像13枚】往年の名車に最新のデジタル体験を。インテリアに美しく調和する「ポルシェ新型PCCM Plus」のディテールを見る
車両システムとのシームレスな統合と洗練された操作性
ポルシェのクラシックモデル向け後付けオプションとして長年人気を誇ってきたPCCM Plusに、新世代モデルが登場した。今回の新型デバイスは、2009年から2013年モデルの「987.2」「997.2」世代、および2012年から2016年モデルの「981」「991.1」世代向けに専用設計されている。インテリアに美しく調和するブランド伝統のデザインを踏襲しつつ、車両本来のアーキテクチャーとシームレスに連携するのが特徴である。

具体的な連携機能として、標準装備されているマルチファンクションステアリングホイールからのシステム操作が可能である。また、車両のパーソナル設定も継続してサポートされ、メーターパネル内にナビゲーションのルート案内や再生中の音楽トラック情報を表示させることができる。単に後付けのナビゲーションを装着するにとどまらない、車両と一体化した操作感を実現している。
最新のスマートフォン連携と充実のエンターテインメント
新型PCCM Plusは、現行世代の最新スポーツカーで親しまれている利便性の高い機能を、将来のクラシックカーとなるこれらのモデルにもたらす。Apple CarPlayやAndroid Autoを完全に統合しており、BluetoothやWi-Fiを経由したワイヤレス接続に対応している。さらに、国ごとの法規制を満たしていれば、車両の停止中にシステム上でYouTube動画を再生することも可能となり、車内でのエンターテインメント体験が大きく向上した。

オーディオや通信機能も最新の技術でアップデートされている。FMおよびAMのデュアルチューナーに加え、曲名やアーティスト名などのメタデータ表示に対応したBluetoothオーディオストリーミング機能を採用した。既存の車載サウンドシステムとの接続に対応するほか、内蔵および外部マイクも備わっている。4G通信に対応したnano SIMカードスロットも搭載されており、地図データの更新を無線通信(OTA)で行える点も現代的である。
走りの歓びを高めるナビゲーションと独自の表示機能
システムと車両の視覚的な一体感を深める機能として、画面上のバーチャル車両のボディカラーを、実際のポルシェのエクステリアカラーに合わせて設定できる機能が盛り込まれた。トリップ画面では油温や油圧のデータを確認できるほか、地図データに基づいた制限速度の表示機能も備わっている。ボクスターおよびケイマンにおいては、これまで警告音のみだった駐車支援システムに、障害物までの距離を画面上で視覚的に知らせる機能が追加され、取り回しをサポートする。

ナビゲーションシステムには、より魅力的なドライブを提案する機能が組み込まれている。衛星画像を用いたルート案内に加え、絶景ルートを案内する「シーニックロード」機能が搭載された。曲がりくねったパノラマルートを優先的に選択することで、ポルシェならではのドライビングの歓びを最大限に引き出してくれる。なお、個々の機能の利用可否は車両の仕様に依存しており、ポルシェはポルシェセンターでの確実な取り付けを推奨している。
【ル・ボラン編集部より】
ポルシェは「最新が最良」と公言する。だが同時に、自らの歴史をこれほど敬愛し守り抜くブランドも稀有である。新型PCCM Plusは、まさにその哲学の結晶だ。987や991といった名車が放つアナログな手触りやインテリアの美学を一切壊すことなく、CarPlayやOTA通信といった最新デジタルを現代の血流として見事に注ぎ込んでいる。最新の利便性と懐かしき操舵感が、極めて高い次元で共存しているのだ。古き良きポルシェの純度を保ちつつ、現代の日常へ連れ出す。単なる延命処置ではない、粋な再解釈である。
【画像13枚】往年の名車に最新のデジタル体験を。インテリアに美しく調和する「ポルシェ新型PCCM Plus」のディテールを見る