
















アルピーヌ、次期「A110」の姿を示唆する彫刻アートを発表
フランスのアルピーヌは2026年9月28日、ブランドのアイコンである「A110」の次期型モデル(第3世代)のデザイン要素を示唆するアート彫刻を発表した。「アートとテクノロジーの融合」をテーマに、青いベールに包まれた仮想の立体像を通じて未来のスポーツカーのフォルムを表現している。この彫刻は、10月12日に開幕するパリモーターショーで一般公開される予定だ。
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次世代プラットフォームと芸術的アプローチの融合
アルピーヌの71年にわたる歴史の中で、ブランドを象徴するアイコンが刷新されるのは今回が2度目となる。次期型A110は、今春にルノーグループが発表した新設計の「アルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム(APP)」をベースに開発されている。すでに今年7月のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは、現行モデルのボディを引き伸ばして新プラットフォームの寸法に合わせたテスト車両が公開され、走行を披露していた。
今回アルピーヌは、完成した車両ではなく、デザイナーが造形研究に用いる「彫刻」という手法で次期型のデザインを表現した。ボディを完全に隠すのではなく、あえてベールを被せることで、クルマのプロポーションやフォルムに込められた意図を読み取れるようにしている。これにより、次期型A110のスタイルの真髄がベールの下から浮かび上がってくるのである。
音速の壁を突破する瞬間からのインスピレーション
この彫刻作品を覆う青いベールは、風を孕んだ瞬間の強い緊張感を生み出している。これはスポーツカーにとって不可欠な要素である、車体の軽快さと空気力学的な特性を視覚的に表現したものだ。デザインの強力なインスピレーション源となったのは、フランスの技術力の象徴とも言える超音速旅客機「コンコルド」の壮大な歴史である。
コンコルドが音速の壁を突破する際に生み出す強烈なソニックブームや、エネルギーが極限まで凝縮された「時が止まったかのような一瞬」が、今回の彫刻のモチーフとなっている。芸術とエンジニアリングを交差させることで、動的なエネルギーを静的なオブジェの中に封じ込め、見る者の感情を揺さぶるデザインへと昇華させているのだ。
伝統のDNAを受け継ぎつつ進化するエクステリア
革新的な表現を用いながらも、そのシルエットには初代ベルリネッタや現行型A110から受け継がれたプロポーションとスタンスが確実に息づいている。次期型モデルも一目でA110とわかるデザイン言語を持っており、特徴的なV字型のフロントエンドや、デュアルライトのシグネチャーがベール越しに示唆されている。
さらに詳細を観察すると、サメの鼻先のようなシャークノーズから、低く構えたリアへと流れるベルトラインが、類まれなエレガンスを醸し出している。滑らかなティアドロップ型のキャビンは、力強く張り出した4つのホイールアーチと細く引き締まったウエストの間にシームレスに収められている。これらの曲線的なボリューム感と緊張感のコントラストが、現代的かつ純粋でダイナミックなスタイリングを完成させている。
パリモーターショーでの披露とブランドの展望
アートの視点から未来のA110の姿を予感させるこの彫刻作品は、10月12日から開幕するパリモーターショーのアルピーヌ・スタンドにおいて、最も注目を集めるハイライトとして展示される。次期型A110がどのような進化を遂げるのか、その片鱗を世界中の自動車ファンが目撃することになる。
アルピーヌは現在、新世代モデルの投入を加速させている。2024年に発売したホットハッチの「A290」を皮切りに、2025年にはブランド初のスポーツファストバック「A390」の登場も控えている。ルノーグループの革新的な実験室としての役割を担いながら、新たなA110とともにブランドの次なる時代を力強く切り拓いていく構えだ。
【ル・ボラン編集部より】
アルピーヌの真髄は、背反する要素を高次元で成立させることにある。現行A110が生粋のスポーツカーでありながら、驚くほどコンフォートな乗り味で我々を魅了し続けているように。次期型を示唆する本アートも、静的なオブジェの中に音速を超える動的エネルギーを宿している。次世代プラットフォームへの移行という大きな転換点においても、初代から連綿と続く「しなやかな軽快感」という哲学は決してブレないだろう。新たな歴史が幕を開けるパリの舞台を、今は静かに待ちたい。
【画像17枚】青いベールに浮かび上がる次世代のプロポーション。次期「アルピーヌ A110」を示唆する彫刻アートの全貌を見る



