日米欧で相次ぐ商標登録の動き。グローバル展開を見据えた新世代スポーツの輪郭
マツダのスポーツカーラインナップに、新たな歴史の1ページが刻まれる可能性が浮上した。マツダは2026年8月、日本国内において「MAZDA MX-6e」および「MAZDA MX-7e」の商標を出願した。さらに「MX-6e」については、8月26日に欧州、9月2日には米国(第12類:自動車やその構成部品など)でも出願されており、現在手続きが進められている。主要市場で一斉に名称確保へと動いた事実は、将来のグローバル展開を見据えた具体的な商品計画の存在を予感させる。
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内燃機関の純度を極める「ロードスター」と、電動化で新境地を拓く「MX-6e」の棲み分け
新たに浮上した「MX-6e」を紐解く最大の鍵は、車名末尾の「e」である。これが電動化(BEVやPHEVなど)を意味することは想像に難くない。ここで注目すべきは、既存の「MX-5(日本名:ロードスター)」との関係性だ。マツダは2026年にもロードスターの商品改良を実施し、「純ガソリンスポーツカーとしての価値を将来にわたり維持する」と明言している。厳しい車外騒音規制に対応しつつ、軽量・コンパクトな純ガソリンスポーツとしての進化を継続する姿勢を示しているのだ。
つまり、「MX-6e」はロードスターの後継ではなく、全く別の役割を担うモデルとして棲み分けられる可能性が高い。ロードスターよりも大柄なボディに電動化技術を組み合わせた、新時代のスポーツクーペというシナリオである。
370psのロータリーEVを核とするか。予想CGが映し出す「ワイド&ロー」の次代クーペ像
より大きなボディを持つ電動スポーツクーペとなれば、2023年のジャパンモビリティショーで世界初公開されたコンセプトカー「MAZDA ICONIC SP」の存在が俄然クローズアップされる。
全長4180mm、全幅1850mm、全高1150mmという極めて低くワイドなプロポーションを持つ同車は、2ローターのRotary-EVシステム(システム最高出力370ps)を搭載し、ロータリーエンジンを発電機として活用する設計であった。現時点でMX-6eとICONIC SPを直接結びつける公式発表はないものの、マツダが電動化時代にスポーツカーを残す決意を示したICONIC SPは、MX-6eの正体を占う最も有力なピースである。
スクープ班では、このMX-6eが2ドアスポーツクーペとして登場した場合の予想CGを制作した。ICONIC SPのデザイン言語を発展させ、極薄のLEDライトと大型エアインテークをフロントに配置。ロードスターとは一線を画すワイド&ローのプロポーションと、ルーフからリアへ滑らかに落ちるファストバックスタイルでその姿を予想した。
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30年の時を超えて蘇る「MX-6」の称号。V6&4WSの意欲作から受け継がれる革新の精神
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そもそも「MX-6」という車名は、日本のマツダファンにとって特別な響きを持つ。1992年、クロノスをベースに日本国内で誕生した2ドアスペシャリティカーがMX-6(海外では2代目)である。電子制御式の車速感応型4WSを採用し、最高出力200psを誇る2.5L V型6気筒DOHCエンジンなどを搭載した意欲作だった。
1996年に日本での販売を終了して以来、実に約30年ぶりの車名復活となるか。同時に出願された「MX-7e」の存在も含め、マツダが「MX+数字+e」という新世代のネーミング戦略を本格始動させたさせたとみていいだろう。往年の名車のスピリットが電動化時代にどう蘇るのか、今後の動向から目が離せない。
【ル・ボラン編集部より】
純内燃機関のロードスターがアシンメトリックLSDの採用などで「軽快感と接地感」の調和を極める一方、電動化でスポーツカーの未来を拓くのがMX-6eの使命だろう。かつて4WSやV6で新境地を拓いたMX-6の精神は、発電用ロータリーとモーターの協調へと受け継がれるはずだ。最新SUV群でも実証された「ボディの四隅に神経が行き届くような一体感」が、ワイド&ローの骨格と融合したとき、いかなる操縦性を生むか。電動化の重さを緻密なシャシー制御で洗練された手応えへと昇華させる、新たな人馬一体の誕生を期待したい。
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