イタリアンテーラードをベースとした本格的な作りで、イタリア国内にとどまらず、世界中で人気のタリアトーレから、過度なゆるさが魅力のGジャンが登場。この秋、こんなオシャレをしてドライブにでかけてみてはいかが?
※この記事はル・ボラン2018年10月号からの転載です。掲載商品は現在販売していないものもあります。
タリアトーレ/ジャケット
さすがにこの夏は、酷暑に負け、服への関心がほとんど湧かなかった。自宅では毎日タンクトップにステテコの日替わり。ファストファッションどころか、寝間着みたいなものだ。南の島で暮らすようになったら、さぞかし楽だなぁと思ったりもした。
ところがお盆も過ぎると、暑さにも夏の終わりが感じられ、のんきなカトちゃんスタイルばかりでもいられなくなる。そろそろ社会復帰しなくては。
この秋はGジャンがリバイバルのようだ。誰もが一度は愛用したに違いない定番スタイルだが、クローゼットから懐かしの一着を引っ張りだすのはやめた方がいい。リバイバルといっても、ファッションは常に時代の感性を取り入れて進化している。周回しているようでいて、実はらせん状であり、けっして同じ場所に戻ることはないからだ。
もちろんヴィンテージの古着の世界もある。しかしそれもマニアとして着こなすならまだしも、年を重ねたオヤジが中途半端に着るとジーパン刑事になってしまう。何事も現役感が大切なのだ。
そこでお薦めするのがタリアトーレのGジャンだ。サードモデルと呼ばれる定番スタイルに、デニムではなく、太畝のコーデュロイや柔らかさと強度を併せ持つフランネルを用いる。いずれもスーツやジャケットで使われる上質な記事だ。
タリアトーレは、人気の高い南イタリアのブランドだ。グラマラスなシルエットのテーラードジャケットを得意とし、美しいパターンは大胆であっても洗練を感じさせる。その定評のある技術を注いだとあって、カジュアルなGジャンもシックなジャケットのような雰囲気に仕上がっている。
袖を通してみると、デニムのようにごわつくことなく、軽い着心地はまさにジャケットのようだ。ゆったりとしたフォルムは、フィットしたGジャンが主流の中、大人に似合い、スラックスを合わせたくなる。
モデル名は“スティーブ”。スティーブ・マックイーンをイメージしたネーミングに違いない。男にとっては永遠の憧れであり、クルマ好きならば「栄光のル・マン」のサーキットシーンや「ブリッド」のカーチェイスが甦ることだろう。ショート丈のスタイルは、ドライビングにも最適で、アクティブかつエレガントに着こなせる。ファッションを楽しめる季節が待ち遠しくなってきた。
TAGLIATORE(タリアトーレ)
1960年代に創業したLERARIO(レラリオ)社が母体となり、2代目のPino Lerario(ピーノ・レラリオ)が立ち上げたブランド。オーナー兼デザイナーのピーノ氏自ら、デザイン、パターン、生地の開発まで手がけ、その艶やかなスタイリングに定評がある。さらに厳選した素材を使うことで、イタリアらしいファッションを楽しむ気質が注がれているのも魅力だ。
●問い合わせ先:トレメッツォ/TEL:03-5464-1158 https://tagliatore.jp/