コラム

【危険】なぜ左折で右に膨らむ? 無意識に潜む「逆ハンドル」の危険性とは

左折時に右に膨らむ理由と危険性

交差点を右左折する車両を観察していると、左折するときに右に膨らみ、右折するときに左に膨らんで曲がるクルマを見かけることがあります。このような運転をしてしまう理由とは何なのでしょうか。この記事では、交差点を右左折するときに逆ハンドルを切って曲がる理由や危険性を解説します。まず、交差点を左折するときに右に膨らむ場合から解説します。

交差点を左折するときに右に膨らむ理由は、内輪差で歩道に乗り上げたり、縁石に接触したりしないようにするためだと考えられます。これは初心運転者や運転に不慣れな方、左折時に乗り上げたり接触したりした経験がある方に見られる左折方法です。ほかにも、左折時の減速がたりないために道路の左に寄せきれず大回りして左折するという運転者もいます。

左折時に右に膨らんでから曲がると、自転車やバイクなどを巻き込んでしまうリスクが高くなります。加えて、左折しようとしているクルマを右側から抜こうとしている車両と接触してしまう危険性も高いです。このような危険があるため、左折時に右に膨らんでから曲がるという運転はしないほうがよいといえます。

右折時に左に膨らんでから曲がる理由と危険性

次に、交差点を右折するときに左に膨らむ場合を解説します。

交差点を右折するときに左に膨らむ理由は、対向直進車との接触を避けるために気づかぬうちに左にハンドルを切っている可能性が高いです。右折するときは、道路の中央に寄せてから右折するのが基本です。しかし、道路の中央に車を寄せると、対向車との距離が近くなるだけでなく、迫りくる恐怖を感じることがあるため、無意識のうちに左に避けてしまう場合があります。

ただ、無意識のうちに左に避けてしまうと、自車の左側を通行する直進車や左折車と接触してしまう可能性が高くなります。そのため、右折するために道路の中央にクルマを寄せたら左に膨らまないよう注意しましょう。

なお、交差点を右折するときに交差点に入ると同時にクルマの向きを右に変える運転者を見かけることがあります。このような運転をすると、対向車線にクルマの前端がはみ出てしまい、対向車の通行の妨げになるだけでなく、対向車と接触してしまう危険も高くなります。そのため、交差点を右折するときは、左に避けてしまうことだけでなく、対向車線にはみ出ないようにも注意しなければなりません。

気づかぬうちに逆ハンドルを切っていることもある

ここまで、交差点の右折または左折をするときに、逆ハンドルを切って進もうとしている方向と逆方向に膨らんでから曲がる理由や危険性を解説してきました。これらの運転行動は他の交通との接触するリスクが高くなるため危険です。しかし、運転している本人は、気付かぬうちに無意識でやっているというケースも珍しくありません。

道路交通法には、左折するときはあらかじめ道路の左に寄せ、右折するときはあらかじめ道路の中央に寄せると書かれています。また、左折するときは道路の左端に沿って徐行、右折するときは交差点の中心のすぐ内側を徐行して通行すると記載されています。

自分の運転が、法律に定められている交差点の右折・左折の方法のようになっているか、無意識のうちに逆ハンドルを切って膨らんでいないか、再度客観的に確認し、交差点で他の交通と事故を起こさないように気をつけましょう。

齊藤優太

AUTHOR

1991年生まれ。静岡県出身。高校時代にガソリンスタンドでアルバイトしたことをきっかけにクルマに興味を持ち、大学卒業後に自動車販売店(正規ディーラー)に就職。その後、教習所の指導員、中古車買取、タクシードライバーの経験を経て、2020年にフリーランスへ。現在は、自動車ライター/インストラクター/ジャーナリストとして活動している。

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